一昨年から今年にかけてフルサイズSUVの販売ではキャデラックエスカレードの中古車がダントツの人気である。しかも新型デビュー後は瞬間的に目移りした方も多かったが、実際には4代目が今なお圧倒的人気であり、ついで3代目人気も高値安定を誇っている。
ちなみに3代目人気は、価格的要因によるものであり、購入者も「買えるなら4代目」と思いつつも実際の金額的壁を感じ、あえて3代目で我慢しているという方が多い。すなわちそれほど4代目モデルの人気が高いと言える。
余談だが、2021年に登場した5代目新型キャデラックエスカレードは、デザイン、リアサス及びインテリア等の変化や進化をもたらしたが、エンジンに関しては旧モデルを継続使用している。もちろん、水面下で様々な手が加えられているはずだが、スペック上の変化はない。
それには理由があって、要は「必要十分な性能がある」ということなのだろうし、のちに「エスカレードV」が登場する余地が残されているという理由でもあった=パフォーマンス面において4代目でもさしたる不満はないという根拠の一つになる。
さて、4代目キャデラックエスカレードであるが、変遷としては2015年型から2020年までの6年間存在していたモデル。だから中古車とはいえ新車価格が1000万円以上もする(1100~1300万円)超高級車であるということを忘れてはならない。
すなわち年式が新しい中古車はまだまだ1000万円に近い価格帯の車両が多く、4代目デビュー時の2015年車であっても600万円後半から700万円後半程度の車両が多く存在する。
ということで、まさにその辺の価格帯車両を多く扱うブルートにて4代目エスカレードの特徴について話しを聞いた。
ブルートは、これまでに2代目、3代目&4代目エスカレードを数多く扱っており、また今なお人気なハマーH2を扱っているなど、フルサイズSUVに非常に強いショップ。さらにメンテナンスだけでなく、各車のウイークポイントやトラブルシューティングにも定評があるから、話を聞くにはうってつけの存在である。
まず最初に、この4代目エスカレードの注意ポイントとしては、D車と並行輸入車とがかなり混在している珍しい車両であるということ。しかもそれによって、選ぶべき個体がかなり変化するということだから、注意が必要であると。
「基本的なことですが、程度を重視するか、それとも価格の低さを重視するかで個体の年式や状況は変わってくると思います。当然、程度を重視すれば高年式のモデルになるはずですし、少しでも安価な個体を探すならデビュー時に近い年式の並行輸入車という選択肢になると思います」
実際、初期の4代目モデルには並行輸入車が非常に多い。それは本国での発売から日本での正規輸入が開始されるまでに時差があり、その間に並行輸入車の需要が多くあったためだと思われる。
だが、初期型と言っても2014年後半から7年から8年落ち。そういう意味では年1万キロ未満走行の5万キロから6万キロ程度であればコンディションが十分に保たれている場合が多いはず。よって「初期型の並行輸入車はダメ」と切り離してしまうのはもったいないだろう。
ちなみに当然ながら、ディーラー車も存在し、そちらの方が価格帯は上。やはり同じ5万キロ走行を考えた場合でも、アメリカを5万キロ走った個体と日本を同じく走った場合では、同じ5万キロでも購入者に与える印象が違うのだろう。
プラスしてそれが新車並行なのか、中古並行なのか、といった部分でも異なるから、あえてディーラー車をチョイスすることで距離数やコンディション以外の情報を気にする必要をなくすことができる一方で、あえて安価な初期型の並行輸入モデルを購入するということも可能ということである。
「くわえて4代目エスカレードの場合、ミッションが2回変化していますので、特に中古車を購入する場合は年式による違いを把握しておくことが必要だと思います」
エスカレードは、元は6速ATで始まり、2016年後半から8速AT、そして2018年に10速ATへと進化しているが、ディーラー車においては6速ATと8速ATのみとなっている。一方で並行輸入車においては2018年以降モデルは10速ATになっているから、「何年式のモデルを購入するか」によって内容が変わってくることを知っておくべきである。
さて今回取材したエスカレードは2016年型のディーラー車の8速AT搭載車。走行約6.6万キロの個体。
で、取材個体の各部をチェックをしたが、走行距離を感じさせない「なかなかの個体だ」という思いが見ればみるほど強くなる。しかも中古車としてのヤレ感が非常に少なく、距離数だけで判断するのはもったない個体だなあと。
さらに厳しくチェックすれば、ボディ&足回り&ホイール等が純正状態で保たれているし、各部の可動部分の欠損はどこにもなし、CUEシステムのタッチパネルも全く問題なく動作している。
くわえてドア周りのレザーやウッドにヤレはほとんどないし、距離に応じたタイヤや足回り、さらに室内のレザーシート等の若干の使用感以外、不安や不満を感じることがほとんどなかったのである。
しかも走れば、重厚かつ鷹揚としたアメリカンフルサイズSUVらしい反応を伴い、ステアリングの落ち着きもよく気持ちよく走る。さすがのV8パワーも健在だった。
で、販売価格723万円ということだから、なかなかの価格帯だが、エスカレードの中古車相場からすれば一般的な価格帯であり、決して暴利を貪っているわけでは全くない。
ちなみにこの価格帯だとトヨタランドクルーザーZXが730万円だからそちらも視野に入る。が、はっきり言って比べる意味は全くないと思う。道具として便利なものが欲しければ当然ランクルに行くだろうから。
エスカレードの場合、アメリカの高級車であり、ある種のブランド品であり、ランクルのような土臭いオフロードを走ってなんぼの道具では全くない。
くわえてアメリカンフルサイズSUVは、アメリカンセダンに変わる街中を快適に走るためのクルマであり、そういう意味ではランクルとは起源が全く異なるから、それを知らずして価格帯のみで判断するならば、エスカレードを購入してもおそらく全く響かないだろう。
一方で、エスカレードに興味を持つのであれば、ぜひ一度乗って欲しい。そのうちEVカーたちが街中を埋め尽くすだろうから、そうなればアメリカンフルサイズSUVのような味わいのあるのEVカーなんてないだろうから、その前にぜひとも!
ブルートには、今回取材した個体のほか、複数台のエスカレード(4代目)があり、3代目もかなりの数在庫しているから、まさしく専門店と言っても過言ではないショップ。
だから今回の個体も、そうした専門店ならではの視点で、走行距離だけにとらわれない個体の素の状態をしっかり確認&把握し在庫車としているだけに、見ればその素性の良さがちゃんと伝わってくるのである。
しかも、この状態から納車前には当然「仕上げ」が入るということだから、かなりシッカリした状態で乗れるはずである。
ということで、今年も4代目エスカレードは注目必至の中古車であり、シッカリとした情報やノウハウを持つ専門的なショップにて話を聞くのが一番の近道であるということも付け加えておく。
183,250円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
272,800円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
3,553円
MAINTENANCE
6DEGREES
1,881円
MAINTENANCE
6DEGREES