TEST RIDE

[試乗記]

4代目エスカレードは専門店での購入がマスト

2016 キャデラックエスカレード vol.2

年式の違いによりメンテナンスの手法が異なるから

4代目エスカレードについての注意点も取材した。

更新日:2024.05.01

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ブルート TEL 0489529260 [ホームページ] [詳細情報]

ミッションの違いや外装の違いを認識すべし

 まず最初に、この4代目エスカレードには、D車と直輸入車が混在している車両であるということ。そしてそれによって、選ぶべき個体がかなり変化するという。

 例えばミッション。4代目モデルのデビュー時の2015年前半は6速AT搭載だったが、本国モデルは2015年後半から8速ATに進化している。

 一方で、正規輸入のD車は、2016年いっぱい6速ATのままだった。すなわち、低年式の4代目をチョイスする時点で、6速と8速の差が出てくる。

▲年式により6速ATを搭載している個体がある。以前は毛嫌いされていた6速モデルだが、最近ではあえて6速を求める方がいるらしい。

▲8速ATモデルが多い4代目エスカレードだが、8速ATにはATFの交換等の適切なメンテナンスが求められるから知っておくべきである。

 「以前は、6速ATを回避していたユーザーさんがいらっしゃいました。6速だと3代目と変わらないからと。なので4代目に乗るなら8速がいいと。

 ですが、最近はちょっと傾向が変わっております。ある程度の距離を走った8速ATにジャダーが出ることがあるのです。それを回避するためには早めのATF交換が必要になります。で、その傾向を知った方々からあえて6速がいいという方も増えています。安定している6速をということなのでしょう」

 なるほど。3代目と4代目は基本、エンジン自体も同じであるから、6速の場合、熟成されたパワープラントだけに安心感は高い。

 以前は、新型に乗る醍醐味的なものがちょっと薄れると敬遠されていたものの、年式や距離がかさむと6速の安定感&安心感が求められるということなのだろう。

 ちなみにブルートでは、4代目エスカレードの中古車価格を加味して、2015年から2017年程度の中古車を多く集めているというから、6速の個体も数多くあるので気になる方は覗いてみるといいだろう。

<ミッション変遷>
■D車:6速:2015~2016年
■D車:8速:2017~2020年
■直輸入:6速:2015年前半
■直輸入:8速:2015年後半~2017年
■直輸入:10速:2018年~2020年

▲ブルートの岡崎氏によれば「もちろん走行距離も大切ですが、それよりもどういった整備を受けてきたか、今後どういった整備を施すべきか。そういう部分に着目して車両を選ぶことが今後は大切だと思います」

▲2016年以降のフロントグリル。

▲2015年型のフロントグリル。よってグリルを見れば年式がわかるとも言える。

▲前方が2016年型のホワイト、後方が2015年のクリームっぽいホワイト。両者の違いも明白である。

 上記の情報を知りつつも、2015年モデルと2016年モデルを、ミッション以外で比較するとまた別の感情が湧いてくる。例えばフロントグリルの違い。ボディカラーの違い、ホイールの違い・・・・etc

 6速ATの安定感は認めるものの両者にはエクステリアの違いがあり(新しい方が良くなるのは当たり前だ)、一番の違いが「ホワイト」のボディカラーの違い。2015年はちょっとクリームっぽい感じで2016年はパールホワイトだから、2台並べると如実にわかるが、2016年の方が圧倒的に高級である。

 「6速の安定感を望みつつも、2016年以降の高級感を見てしまうと8速ATにして、適切なメンテナンスを行おうという方も多くいるのです」

▲こちらがエスカレードに使用される純正のATF。新たに対策されたATFといい、ブルートでもすでに使用しているし、納車整備では確認&交換を行っているというから流石である。

 上記のような違いを加味しつつも、総じて4代目モデル全体に良いところがたくさんあるという。

 「3代目モデルからキャリーオーバーしているパーツが多数あるせいか、エンジンを含めた駆動系に目立ったトラブル等がないのが4代目の最大の魅力ですね」

 すなわち、走る止まる曲がるといった機能的な部分に大きな問題を抱えていないのが4代目の魅力であるという。が、・・・・・。一つだけ多くの車両に起こっているトラブルがあるという。

 「この年代から使われているCUEシステムですね。タッチパネルが使用できなくなるトラブルをよく聞きます。弊社でもアッシー交換した個体もあります」

 ブルートでは、このCUEシステムを正規ディーラー品で交換することも、または社外品を使用して対応することも可能であり、それぞれの希望に応じた対応を行っているということだから素晴らしい。

▲エスカレードのセンターコンソールに使用されるCUEに関してはトラブルが起こる場合がある。ブルートでは純正品で交換したり、社外品で対応したりすることが可能。写真は正規ディーラー品によるアッセンブリー交換されたもの。

▲CUEのタッチパネルに焼きつき症状のようなトラブルが起こるような場合もある。

 これ以外では、さすがキャデラックと言わんばかりに頑丈なフルサイズSUVの性能を発揮してくれるということで、もう少し価格帯が落ち着けば、それこそ今後もっと多くの4代目が売れていくのではないか。

 「3代目にお乗りの方々も4代目への乗り換えを待ち望んでいらっしゃる方が多いと聞きます。やはりデザインの魅力でしょう。断然都会的な雰囲気がありますし、全体的に華やかですよね。実際に並べば4代目エスカの圧倒的な魅力には敵いませんよね」

 ブルートには今現在10台を越える台数のエスカレードの在庫展示車があり、当然上記の注意点に留意した納車整備が行われるから4代目エスカレードの中古車といえど安心感が非常に高い。

 「4代目モデルに関してもある程度の情報やノウハウが集まっておりますので、そうした部分に注意し事前に対応すればまだまだ楽しめるのが4代目モデルです」

 ブルートでも随時4代目エスカレードの程度良好車を探しているというから、今後も引き続き注目である。

▲エスカレードに関するノウハウが豊富なショップにて対策された個体を購入するのが、楽しむための近道と言えるだろう。

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