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[試乗記]

現行モデルの価格上昇に伴い前期型モデルの人気再燃

2009 ダッジチャレンジャーSRT8 HPE475

安かろう悪かろうの個体を避けるために絶対的に必要なこととは

旧型ダッジチャレンジャーを知るために2010年型SRT8 HPE475を取材した。

更新日:2023.05.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU光岡グループ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU MITSUOKA つくばショールーム TEL 029-846-6600 [ホームページ] [詳細情報]

不安要素の少ない店舗で不安要素の少ない車両を購入すべし

 ここ数年の日本における高販売率のアメ車は、ダントツでダッジチャレンジャーだった。が、昨年中盤頃から若干事情が変わってきた。

 そう、コロナ禍による中古車全般の値上がりに円安も絡んだ販売価格の上昇によって「買いたくても買えない」状態になってしまった。ちなみにジープラングラーにも同様の事態が起こり、これまたラングラー難民が非常に多かった一年だったという。

 で、そんなチャレンジャー事情によって新たなプチブームが起こっている。そう、旧型チャレンジャーの人気沸騰である。旧型とは、2008年から2014年までのモデルであり、現行型ダッジチャレンジャーは2015年を境に前期&後期と区分けされることが多い。

 余談だが、現行チャレンジャーは『復刻』モデルと言われており、マスタング同様、過去の歴史的モデルのデザインを現代モデルに投影させている。チャレンジャーの場合、1970年から1971年のたった2年間のみのデザインがベースになっている!

 そんなダッジチャレンジャーは2008年にデビューし、2023年をもって生産終了が決まっているから、齢15年にも及ぶモデルライフである。

 そんな中で、2008年に登場したチャレンジャーは、1970年モデルをデザインベースにして復刻されている。 

 一方で、2015年にモデルチェンジした後期型は1971年モデルをベースにしているから、フロントグリルやテールレンズの違いは、そうしたベースモデルの違いとリンクしているのである。

▲今現在つくばショールームで販売されている前期型モデル。2009年型SRT8をベースに製作されたコンプリートカーHPE475。

▲吸排気系+ロムチューンによるパワーアップとローダウンが主なポイントである。

 現在、市場の中心となるのは当然後期型であり、当然前期型の中古車個体の数が減っている。いや、正確には「まともな個体」の数が減っているが、上記の通り後期型の販売価格の上昇に伴い、再び前期型へと視線が注がれている。

 が、そうはいっても8年から15年落ちの中古車である。まともな整備を受けたかどうかもわからず、特に前期型はカスタマイズされた個体も多く、様々な不安要素が多い。

 「けれど、チャレンジャーには一度乗ってみたい」という方が多いのだろう、価格的な障壁を乗り越えるべく前期型への問い合わせが非常に多くなっている。

 ということでちょっとおさらい。いわゆる前期型の2008年から2014年までのチャレンジャーにおけるラインナップは以下の通り。

・SE&SXT:3.5リッターV6&3.6リッターV6
・R/T:5.7リッターV8
・SRT8:6.1リッターV8

 上記のエンジンに対してミッションはオートスティック付5速ATであり、V8モデルに関しては6速MTも存在している。

▲取材時にはすでに売約済みの前期型チャレンジャーの納車前整備が行われていた。

▲BCD車両の販売で得たチャレンジャーの知見を生かした適切な整備やメンテナンスを経て納車される。

▲前期型と後期型とでは当然確認内容が異なり、そうしたノウハウを生かしつつダッジの本国整備マニュアルに沿った整備が行われる。

▲取材時には納車前整備を行っていたが、フロントマスクを外し、ヘッドライトの改善作業を行っていた。

▲当然ワイテック2.0による各更新作業も行われる。

 さて、そうした前期型チャレンジャーの人気に伴い、チャレンジャー販売の第一人者とも言えるBCDが動いている。つくばショールームでは、これまでのBCD車両での経験やノウハウを生かし前期型チャレンジャーの販売に力を入れている。

 取り扱う車両は、前期型ということで自社でアメリカから直輸入するBCD車両とは異なり、国内仕入れによるものがほとんどである。

 が、仕入れ時の車両精査(事故車は当然回避)や納車前の各部チェックや整備メンテナンスに力を入れることで、安心感の高い前期型チャレンジャーの納車を行っている。

 取材時にも納車前の前期型チャレンジャーの整備を行っていたが、なんとフロントマスクを外し、ヘッドライトの改善作業を行っていた!

 つくばショールームは、BCD車両において自社で日本仕様への改善を行っていたが、それすなわち「そうした改善作業が自社でできる」という意味であり=ダッジチャレンジャーに関する改善作業からメンテナンス作業までのノウハウを持っているということである。

 よって仮に走行距離がかさんだベース車両があったとしてもダッジの本国整備マニュアルに沿ったメンテナンスによって蘇らせることが可能になる。

 それでいて販売されている前期型チャレンジャーの価格帯は他店とほとんど変わらないというのだから、「中古車は不安要素の少ない店舗で不安要素の少ない車両を購入する」という鉄則に当てはめれば、当然ながらつくばショールームのチャレンジャーに視線が集まるのである。

▲今現在つくばショールームには4台の前期型チャレンジャーが在庫されている。

▲営業スタッフいわく「前期型モデルはすべての問い合わせに対応出来るほど多くの個体があるわけではありません」ということだ。

 で、そうしたつくばショールームで今現在販売されている個体はV8が2台、V6が2台の計4台だったが、そのうちの1台を取材した。ちなみに取材二週間前までは6台あったというが、すでに2台が売約済みになり、そのうちの1台の納車整備が行われていたということである。

 取材した個体は2009年型のSRT8であると言われていたが、何やら様子がおかしい。パッと見「カスタムされた車両か?」と嫌な予感がするも、否。何とヘネシーパフォーマンスがチューニングしたカスタマイズカーであった。

 アメリカを代表するヘネシーパフォーマンスが手がけた「チャレンジャーSRT8 HPE475」というモデル。

 スーパーチャージャーやターボといった過給器に頼らず、エアフィルター&エキゾーストの交換(コルサのマフラー)とコンピューターのセッティングのみで仕上げられたモデル。

 ベースとなる6.1リッターV8エンジンはノーマルで425hpを発生させていたが、このHPE475は上記の内容によって50hpアップの475hpを発生させている。

 くわえてフロント約1インチ、リア約1.5インチローダウンされたトータルコーディネート車だったために、嫌な予感はすぐに解消された。

 そんなチャレンジャーSRT8 HPE475は、走行約5.5万キロの中古車となっており、それなりに使用感は各部にあるものの、エンジンをかけた瞬間から味わえる独特のV8エキゾーストサウンドによって魅了される。

 またオレンジのボディカラーと各デカールラインと低められた車高といった全てのバランスが絶妙なために、改めて前期型チャレンジャーのカッコ良さを感じるのである。

▲前期型モデルは70年型チャレンジャーのデザインを復刻したモデルである。ちなみに後期型は71年型をベースにしている。それにしても現代版のチャレンジャーも美しい。こんなアメ車、二度と出ないだろう。

▲6.1リッターV8エンジンに『Hennessey』のロゴが刻印されたコールドエアインダクションとマフラー交換&ロムチューンによってパワーアップがなされている。

▲旧時代を象徴するインテリア。今となっては古さを感じさせるが、これはこれで趣深い。

▲オートスティック付き5速ATが採用されている。

▲前期型チャレンジャーにはホワイトメーターが使用されている。

▲サンルーフ付きである。

▲オリジナルのSRT8用シートに『Hennessey』のロゴが刺繍されている。

▲サスペンションやタイヤ&ブレーキはノーマルであるが車高が落とされバランスが調整されている。

▲コルサのパフォーマンスマフラーが装着されている。

 とはいえ、14年落ちの5万キロ超の走行車である。そういう意味ではバンパー各部に色あせ等も見られるし、インテリアにも使用感は確実にある。

 が、メカニズムに関して言えば、そこはつくばショールームだけに確実な対応がなされるから走りを楽しむチャレンジャーとして大いに魅力的と言えるのである。

 つくばショールームの営業スタッフいわく「前期型チャレンジャーへの問い合わせが非常に多くなっています。が、実際にはそれに伴う量の個体があるわけではありません。商品にならないような個体も多いのが現実です。ですから、個体があるうちに入手されるのが賢明だと思います」

 前期型のチャレンジャーが欲しいとはいえ、安かろう悪かろうの個体を購入することだけは避けたい。そのためにもつくばショールームの作業内容を知り在庫車を見てみることをお勧めするのである。

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