年齢を重ねると食べ物の嗜好が変わる場合がある。たとえば肉。若い頃は毎日のように食べられた肉が、40代を過ぎると急に欲しくなくなる。たまにちょっと食べると美味しいと感じるが、さすがに毎日は食べれない。そんで、できるなら少量でいいから、上質なモノを食べたい…。
もちろん、すべての40代以上の方々に当てはまるとは思わないが、そういう方が多いのではないかと、世間一般的には言われている。
筆者も同じような経験はしているし、ちょっと前まで毎日でも食べられたマックなどのファーストフードが今やぜんぜん欲しくない。なんか脂っこいし。今はあっさりしたもので、量も少しで十分に満足できるし。けどそれって歳のせい?
今回取材したダッジマグナムSRT-8を取材して、製作コンセプトを伺っているときに上記のようなやりとりになった。
「若い頃、めちゃめちゃ足回り硬くしてガンガン走っていた方々も、ある程度のお年を召して、もしくはいろいろ上級な、高級なものを体験していくと、だんだんと落ち着いてきて、『硬いのはもういいや』なんて言い始める。『腰が痛くてさぁ』なんてことも」
お年を召しても「硬質なフィーリングが好み」って方々がたくさんいることは経験上知ってはいるが、世間一般的は「もう少し柔らかくならない〜?、ゴツゴツ大変なんだよ〜」なんて方がたくさんいるらしい。
そんな話をしている時に「肉」の話にもなったのだ。肉と一緒だよって。「食べ物の好みも、クルマの好みも、歳とると変わるんだよな〜」と。
取材車両のダッジマグナムSRT-8には、モパーパフォーマンスのコイルオーバーサスペンションとマフラーが入り、ビッグスロットルが装着されていた。現オーナーさんは、その状態で某ショップから購入したという。
そのオーナーさん、実は300Cツーリングのオーナーさんでもあり、その300Cが好評で、「SRT-8ならもっと楽しいだろうと?」と想像し、マグナムSRT-8購入に及んだのである。ところが…。
実際に手に入れて乗ってみると、とにかく硬い! そしてタイヤも硬い! 室内からは「ミシミシ、ガタガタ」。路面で跳ねちゃって音が出るし、高速走行中はメーター周りやドア内張から、キシキシ音が気になり始めて…、しかも加速感がイマイチ。「SRT-8って、こんなもんなの?」と疑問がわいてきたという。
そこでレーストラックの高橋氏に相談に来た。「ちょっと乗ってもらえますか? さすがに乗れたもんじゃないですよ…」と。実は300Cツーリングを納車したのはレーストラックだった。「300Cと同じような感じにしたい」というオーナーさんの希望をどうかなえるか?
「現状で試乗した感じでは、『かなり速度を出した状態でまとまるかな』って感じでしょうか。良路で、速度域の高い、たとえばサーキットのような場所だと気持ちよく走れるようなセッティングかもしれませんが、現オーナーさんはそんなような方ではありませんし、普通のおじさんです(笑)。
日常的に使い、街中で楽しみ、恐らく一般的なアメ車オーナーやベンツやBMW、ジャガーオーナーとそう変わりないと思いますよ。ですから、モパーレーシングのコイルオーバーとかは、必要ないでしょうね(笑)。あと減衰力調整とかしないでしょうし。
それと異音ですが、ちょっと見た感じでは、前オーナーか、もしくはショップさんかが取り外した際に、パネルのツメなどを折ってしまってる箇所がありますね。なので、きっちりはめ込まれていない状況ですから、路面からの突き上げにいちいち反応して音が出てしまうのでしょう」
こんなやり取りのもと、「あくまでストリート」という枠の中で楽しめるいくつかの提案が行われた。
まずショックとサスを交換して、楽しめる速度域を下げること。そして硬化していたタイヤを交換するとともに乗り心地と走行性能の両立を図る。また低速域の加速が鈍かった一因と考えられるビッグスロットルを取り外し、逆にへダースを装着して低速から中速域の加速感を高める。その際にモパーのマフラーは生かす。その他、室内異音の原因となっていた内張各所のチェックと補修と増し締めを行う。
早速、上記の作業が開始されたのだった。変化はいかに?
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