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牙を磨いたスポーツワゴン

2005 ダッジマグナム R/T

5.7リッターV8パワーを使い切る足回り

HEMIエンジンを搭載したダッジマグナムはデビュー後5年で生産終了と、短命に終わっているものの、アメ車の中古車市場ではかなりのにぎわいを見せていた。独自アレンジを施したマグナムを取材した。

更新日:2019.10.10

文/吉田昌宏 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

わずか5年で生産終了

 ダッジマグナムはクライスラーが2005年モデルとして04年に投入したプレミアムスポーツワゴン。当時トップグレードのマグナムR/Tに搭載されるエンジンは、5.7リッターV8OHVヘミ。このエンジンは、340hpを発生させ、0〜100km/h加速を6.3秒でこなしてしまう俊足ぶり。

 全長5021×全幅1880×全高1505ミリのフルサイズボディに、凄味を感じさせるフロントマスク。シャシーコンポーネンツの多くはメルセデスEクラスと共用しており(約20%)、走りの良さも確約されている。そんな魅力的なアメ車がダッジマグナムであった。

 デビュー当初マグナムには、上記/RT以外にも2グレード存在し、ミドルレンジのマグナムSXTは3.5リッターV6SOHCエンジンを搭載。250hpを発生させ、同じく0〜100km/h加速を8.5秒でこなす。

 ボトムレンジのマグナムSEは2.7リッターV6DOHCエンジンを搭載。190hpを発生させ、0〜100km/h加速を10.7秒でこなしていた。これらエンジンに組み合わされるミッションは、R/Tのヘミがオートスティック付き5速ATとなり、他は4速ATのみの設定だった。

 インテリアは、圧倒的な個性を主張するエクステリアからすると、非常に大人しいかつシンプルだ。だが、このマスクとエンジンがあれば…、と当時はなぜか許せてしまっていた。

 他に比べるものの存在しない個性的なワゴンボディのルックスと340hpものパワー。そしてメルセデスとメカニカル・コンポーネンツの多くを共用するという、ある意味理想のスポーツワゴン。アメリカの大胆とドイツの緻密さが融合した、これこそ夢のクルマであると、当時から大絶賛だった。だが……。

 ワゴン好きのアメリカンと言えども時代は変わり、マグナムデビュー時はSUV全盛の時代へと様変わりしていたのである。デビュー当時の反響はかなりあったものの、その後の伸びが振るわずに短命となった。正確には、04年に登場し08年をもって生産終了となっている。

 ちなみに、その5年間にマグナムには2度の変化があった。ひとつは6.1リッターV8ヘミ搭載のSRT8が追加されたこと。もうひとつがフェイスリフトを行った最終型のマイナーチェンジ版の登場である。

 本国での人気薄によりわずか5年という短命に終わったマグナムだが、じつは日本では当時かなりの人気モデルとして、中古車市場では常にタマ不足という状態が続いていたのである。

マグナム史上における最大のハイライトが、SRT8の登場だった。6.1リッターV8エンジンは、425hpを発揮させた。ちなみに、0〜100km/h加速は5速ATを介し5秒以下で、0〜400m加速も13秒という鋭さだった。足回りにはローダウンされたチューンドサスペンションを、ブレーキにはブレンボが装着されていた。

マグナムは、素の状態での走りが良く、300やチャージャーと同一レベルが確保されていた。車体のクオリティに関しても同様である。過去のアメ車と比較すれば、それこそ中古車になっても魅力が減ることがないのが特徴だった。とくにワゴン好きの日本ではかなり売れた。

マグナムのカスタムでは、大径ホイールを履かせたラグジュアリー系が大多数を占めるが、もともとスポーティなシャシーを持っているだけに、「走り系」に振ることも十分可能。今回のような1台は、とくに新鮮だった。

レーシーな味付け

 その理由のひとつとして、マグナム登場時くらいからダッジ車のクオリティが格段に向上していることがあげられる。さらにメルセデス、BMW、アウディ、ボルボのワゴンにもまったくヒケを取らない性能と、「個性」という点で際立つ魅力。そしてアメ車の良さでもある、アフターマーケットの充実である。

 当時は、レガシィ等の国産ワゴンユーザーからの乗り換えも期待できるという、まさに日本人向けのワゴンモデルだったわけである。

 ということで、05年のダッジマグナムR/T。このクルマはレーストラックが新車で手に入れ、年々煮詰められていった車輌であり、方向性でいえばかなりスポーティなモデル。

 マグナムベースのカスタムといえば、当時ラグジュリーな方向性でまとめるオーナーが多く、逆にそれに惹かれる若者たちがマグナムを求めているという現象がかなり見られていただけに、スポーティなマグナムは、当時からかなり新鮮だった。

 フロントスポイラーとボンネットフードはオリジナルブランドKIBA製パーツが使用され、戦闘的なフロントマスクを形成している。このKIBAとは、日本人の持つ大胆かつ繊細な技術をもってアメ車をブラッシュアップさせるブランドであり、日本狼をイメージキャラクターとし、スタイリッシュな野性味を表現している。

レーシングストライプだが、今回はボンネットフードエアダクト上部のみにブラックのストライプを入れている。単なるストライプではなく、中央を2分割しているところがポイント。レーシーな雰囲気だけに、ボンネットピンもよく似合う。

搭載されるエンジンは5.7リッターV型8気筒OHVヘミ。340hpを発生させるため、ノーマルでも必要にして十分なパワーがある。これをベースに足回りを固め、エアロとスロットルコントローラーで充実させたのがこのマグナム。

デイトナタイプのホイールの中でも、バセットやサークルレーシングが有名であるが、このマグナムにはナスカーホイール20インチを装着。イエローのピンストライプがボディに貼られたステッカー等とマッチしており、ナスカーレーシングカーのような雰囲気をも醸し出している。

フロントマスク全体の印象は、非常にアグレッシブ。だが、どこかに国産チューニング的な和風テイストが感じられる仕上がりが、このエアロの特徴でもある。

長く乗るために遊ぶ余地がたくさんある

 足回りは、コニのショックで減衰力を調整し、SRT8に標準装備されるブレンボブレーキを装備、さらにナスカー20インチホイールでレーシングカーさながらの性能と雰囲気を演出している。

 これに対する性能面は、吸排気にラムエアとコルサマフラー(出口形状を換える等コルサベースのワンオフモデル)を装備することで、軽快なエンジンの吹け上がりを求め、極めつけはスロットルコントローラーの装備。このコントローラー、過去に数度紹介しているからご存知の方も多いとは思うが、5.7リッターヘミエンジンとの相性もバッチリ。

 こうした一連のカスタムパーツにより仕上がったマグナムの走りは、「楽しい」のひと言。とくにスロットルコントローラーで盛り上がるエンジンの吹け上がりとシャキッとした足回りが硬質なボディと相まって、まるでスポーティなドイツ車に乗っているかのごとき感覚を与えてくれる。

 だがそれでいて、大排気量エンジンさながらの息の長い加速感とトルク感を与えてくれるのだから、特別なアメ車に乗っている感じもちゃんとある。

 このマグナムは05年から年々手を加えることで現状までたどり着いた。そしてこの先、まだまだ楽しめる要素がたくさん残っている(フィーリングをさらに高めることも出来るだろうし、速くもできるだろう。まだまだ遊ぶ余地はたくさん残されている)。

 つまり、こうしたオーナーを飽きさせない魅力がたくさんあるのが、アメ車のいいところなのである。

 マグナムはすでに絶版モデルとなっているが、エンジンバリエーションも多く、さらにアフターマーケットが充実しているだけに、ラグジュアリーにも、そしてスポーティにも振ることが可能である。そして絶版系オーナーというレア感にも浸ることができる。

 中古車としては、どんどん数が減っているだけに入手は難しいかもしれないし、見つけてもコンディション等の問題も出てくるだろう。だが、ある程度の壁を越える意思があれば(金銭的な壁も)、想像以上に面白いアメ車生活が送れるに違いない。

ATシフト右横に見えるのが、スロットルコントローラーのスイッチ。これまでに6.1リッターV8、3.5リッターV6装着車に乗った経験があるが、5.7リッターV8に乗ってみて、一番合っているような印象を受けた。6.1リッター装着車は、あまりのパワフルさにちょっと危なさを感じるほどなので。

十分なパワーを持った5.7リッターV8モデルなので、吸排気系をいじっただけでも十分に速い。ただ、今回は足を固めているだけに、スロットルコントローラーでさらにパワフルな状態を楽しむことが可能である。スタイリッシュで速いワゴンが欲しいなら、マグナムはちょうど良い選択肢だと思う。絶版レアモデルになってしまったが。

ラグジュアリーもいいし、スポーティにも振れる稀有な存在だった。

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