今年3月にニューオープンした「S&RT(Street and Racing Technology)」が製作した最初のデモカーが、ここで紹介しているジープ・コンパス「ストラダーレ」だ。
ストラダーレ(STRADALE)とは、イタリア語で「道路」とか「公道」といった意味の言葉なのだが、自動車の世界では転じて「ストリート仕様」といった意味で使われることが多い。かのフェラーリの上級モデルに「チャレンジ・ストラダーレ」という名称が使用されたこともあり、日本のクルマ好きの間でもでもそれなりに認知されるようになった言葉である。
「ストラダーレ」という、主にスポーツカーやチューニングカーに使われる様なレーシーな名称が与えられただけあり、S&RTが製作したコンパスは、SUVとは思えないほど精悍でスポーティなルックスに仕上げられている。そして、その姿はジープが誇るハイパフォーマンスSUV「ジープ・グランドチェロキーSRT8」を彷彿させるデザインとも言える。
筆者は撮影時に、このコンパスの企画&製作を担当したS&RTマネージャーの藤原氏に「グラチェロのSRT8に似てますよね?」と、率直な感想をぶつけてみた。すると…
「ありがとうございます。このコンパスの製作コンセプトはまさしくスモール版のグラチェロSRT8なんです」
「グランドチェロキーSRT8は性能的にもルックス的にも素晴らしいプレミアムSUVですが、6リッターを軽く超える大排気量や800万円を超える車両本体価格は、購入する人を限定します。そこで、SRT8のスポーティで押し出しの強いデザインを、サイズ的にも金額的にも手頃なコンパスをベースに再現しようと試みて完成したのがこのデモカーなんです」と、笑顔で返答いただいた。
2017年にデビューした2代目(MP型)ジープ・コンパスは、実はデビュー当時から業界内では「グランドチェロキーに似てるよね」と言われていた。
もっとも、コンパスはジープブランドの中ではレネゲードとチェロキーの間に位置するモデルなので、チェロキーのさらに上に位置するグラチェロとは格が全く違う。
両車の全長×全幅×全高(mm)は、グランドチェロキーSRT8が4,850×1,985×1,800であるのに対して、コンパスは4,400×1,810×1,640。エンジンはSRT8が搭載するV8 6,416cc HEMIユニットが468ps&63.6kg-mであるのに対して、コンパスの直4 2,359ccユニットは175ps&23.4kg-m。車両本体価格はコンパスのベーシックモデルが¥3,230,000であるのに対して、ジープの正規輸入車の中でも最も高価なSRT8は¥8,100,000である。数字だけを比較するのであれば、フェザー級とヘビー級くらいの違いはある。
しかし、それほど車格が違うにも関わらず、ジープに詳しくない人がそれぞれの車両を個別に見た場合、ちょっと離れたところから見る分には違いが分からないのではないか?という程度には似ているのである。とくに全体的なシルエットが似ている。
ちょっとマニアックな例えをすれば、キャデラックATSとCTSが、並べて比較しなければ、それぞれを一見しただけでは素人には違いが分からないのに似ているかもしれない(笑)。
そういう両車のデザイン的な相似性に着目し、「日本の道路交通事情にマッチしたライトなSRT8を製作しよう」と考えたS&RTの発想力と、実際にそれを形にしたセンス&技術力はさすがという他ない。
>>S&RT ジープ・コンパス・ストラダーレ Part2
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