まず最初にトヨタ・シエナの概要のおさらい。シエナが北米でデビューしたのは1997年。プレビア(日本名・エスティマ)の後継車として登場した。プラットフォームは当時既にベストセラーとしてUSトヨタの屋台骨を支えていたカムリと共用。FFのミニバンという意味ではプレビアと同じだが、大きな違いはボディサイズとエンジン排気量。プレビア=エスティマは普通の日本人の感覚では決して小さなクルマではないが、アメリカの感覚では"ミニ"バンにしても小さ過ぎたようで、その弱点を改善したのがシエナだった。この初代シエナのスタイルは、アメリカ製ミニバンのスタンダードであるダッジ・キャラバン(クライスラー・ボイジャー)に少し似ていたが、フロントマスクは日本のイプサムのような大人しいデザインだった。
2代目シエナがデビューしたのは2003年1月のデトロイトショー。ボディサイズは初代よりもさらに大型化し、完全にアメリカンサイズのミニバンとなった。この2代目シエナは2006年にフェイスリフトを実施し、現行モデルがデビューした2010年型まで生産された。
現行モデルとなる3代目シエナがデビューしたのは2010年の2月。プラットフォーム自体は2代目から継続されたが、ボディサイズがさらに大型化した他、新仕様の6速ATを搭載。サスペンションなども大幅に改良された。搭載されるエンジンは2代目と同様の3.5リッターV6に加え2.7リッター直4が加わった。
この3代目の特色としては、豊富なオプション・パッケージの設定が上げられる。2代目までのシエナは、必要な装備を購入者がひとつずつ選択するというアメリカ的な販売方法を採用していたのだが、この3代目からはその面倒な作業を多少簡略化し、日本的なプオション・パッケージとしてある程度まとめたのである。このオプション・パッケージには「コンビニエンス・パッケージ」、「プリファード・パッケージ」、「エンターテイメント・パッケージ」などがあるのだが、「XLEナビゲーション・パッケージ」や「リミテッド・アドバンスド・テクノロジー・パッケージ」といったグレードと組合わさったパッケージもあり、これはこれで割と複雑。日本から新車並行でシエナを注文する場合、販売店によってはオプション・パッケージの選択も可能だとは思うが、ここで全てのオプション・パッケージの内容を細かく解説するのは大変なので、興味のある人は下記のメーカー公式サイトを参照してもらいたい。
>>http://www.toyota.com/sienna(トヨタ・シエナ)
以上、トヨタ・シエナの概要を駆け足で簡単に解説したが、実は現行の3代目シエナについては、2009年の12月に詳細なスペックと写真が公開された時点で一部のマニアやアメ車販売店の間で少し話題になっていたのである。
今からちょうど2年前になるが、その当時の日本では既に現在に至る逆輸入車のブームが始まっていた。当時の話題の中心は、トヨタ・タンドラやタコマなどのピックアップトラックとトヨタ・FJクルーザーやインフィニティFXといったSUVだったが、北米版のホンダ・オデッセイなどのミニバンも少数ではあるが並行輸入さていたので、「今度のシエナであれば日本でも売れるんじゃないか?」と考えた事情通が少なからず存在したのである。
実は筆者もその一人。日本のトール系ミニバンにはないロー&ワイド(というスポーツカー的表現が正しいかどうかは分からないが…)なフォルムは十分にスタイリッシュだし、逆にエスティマに通じるフロントマスクはアメ車ファン以外の日本人にもすんなりと受け入れることが出来そうに見えたのだ。事実、3代目シエナは2010年の後半辺りから日本でも徐々に話題となり始め、2011年になってからは日本の逆輸入車市場の中でも1、2を争うほどの人気車種になったのである。
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