TEST RIDE

[試乗記]

US日産のフルサイズSUV

ニッサン アルマダ (NISSAN ARMADA)

その存在感は本場のアメリカンSUVをも超える

13年の時を経てモデルチェンジした新型アルマダを取材した。

更新日:2016.12.12

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/ベルエアー TEL 0436265700 [ホームページ] [詳細情報]

数ある逆車のなかでも別格な存在感

 初代アルマダは、2003年に登場。US日産のフルサイズSUVとして人気を博し、フルサイズピックアップトラックのタイタンとプラットフォームを共用していたのである。

 そんなアルマダは2007年にマイナーチェンジを行い、2016年に二代目モデルが発売された。モデルサイクル13年とは、かなりのロングスパン。ということで二代目アルマダの進化は劇的である。

 この二代目アルマダは、初代モデルと比較してボディは全長30ミリ、全幅15ミリとサイズアップし、全高はマイナス56ミリ、ホイールベースはマイナス53ミリとなった。大きく幅広になったにもかかわらず、低くスタイリッシュになり、機動力が増していると考えられる。

 と同時にフレーム自体が強固なものにアップグレードされたために、捻り剛性で20%以上高まっているのである。

 搭載エンジンは、それまでと同様の5.6リッターV8だが、旧モデルの317hpから390hpへとアップし、最大トルクも394lb-ftへと進化している。これに組み合わされるミッションも、それまでの5速から7速へと多段化しており、走行性能向上と燃費効率への配慮を行っている。

大きく幅広になったにもかかわらず、低くスタイリッシュになったデザイン。リアの造形が美しいと評判。

 一方インテリアは、「SV」「SL」「プラチナ」の3種類のトリムレベルが存在し、その全てに8インチ・ディスプレイのナビゲーションシステム、ヒーター付きフロントシート、13スピーカーのオーディオシステムが標準装備となっている。

 SLにはリモートエンジンスタート、電動式の3列目シート、アラウンドビューモニター、電動式ハッチゲートが追加され、豪華なプラチナには、一連の先進安全機能、ムーンルーフ、後部座席用のDVDシステムなどが含まれる。なおプラチナでは、8人乗りの2列目のベントシートをキャプテンシートに変更した7人乗り設定も選択可能という。

 まっさらの新車であり、今現在このグレーメタリックとホワイトの2台の在庫をすでに持つベルエアーでは、積極的な逆車の新車たちを扱っているというが、そんな数々の在庫車をかかえるベルエアーのなかにあっても、アルマダの存在感は別格だ。

 とにかくデカくて力強い。インフィニティよりは圧倒的に無骨であり、ライバルはタホやユーコン、エクスペディションとなるのだろうが、そういった米国出身のSUVにまったくヒケを取らないくらいの存在感なのである。

搭載されるエンジンは5.6リッターV8だが、旧モデルの317hpから390hpへとアップし、最大トルクも394lb-ftへと進化している。

 ただし、2016年の最新車両ではあるが、インテリアの雰囲気はQX56やQX80とほとんど共用ということで瓜二つ。逆にいえば、QX80といったインフィニティ系とインテリアが同じということであるならば、スタイリングや走りの無骨さで、アメ車らしさいっぱいのアルマダを積極的にチョイスするということも検討に値するだろうし、日本でもそれほど見かけることのない、レアな逆車という点でもアルマダに乗る価値は高いと言えるだろう。

 トヨタ系の逆車たちが爆発的に売れたのが2013年。それから3年が経ち、乗り換え車を検討中という話もよく聞かれるなかで、トヨタ系の逆車がまったく動かず、ニューモデルの話題すらないということで、ここ最近は日産系逆車やインフィニティへの乗り換えが多いと聞く。

 そんななか、トヨタセコイアよりも一段と走りがスムーズかつ強固なアルマダは、新たな乗り換え車種候補として、かなり良い線行っていると思うのである。

格調高きインテリアは、QX80とほぼ同様の内容。そう言う意味では、質感に不満を覚えることはまったくない。

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