ドイツ・ニュルブルクリンクの北コースを7分26秒4で走り抜け、世界最速の市販車と一時唱われたC6コルベットZR1。2012年モデルでは同コースを7分19秒63で駆け抜け、アメリカン・スーパーカーの底力を世界に知らしめた怪物である。
最高出力647ps、最大トルク83.5kg-mという驚異的なスペックを叩き出すスーパーチャージド6.2リッター「LS9」エンジンを搭載し、カーボンファイバーを駆使した軽量ボディなど、あらゆるレーシングテクノロジーを惜しげもなく投入。世界の名立たるスーパースポーツをも凌駕する、コルベット史上「最強」として君臨した。
このLS9の出力は、当時のフェラーリやランボルギーニV12を追い越した。しかも現行SRTバイパーよりも上である。だがそれ以上に凄いのが最大トルク値。あのヴェイロンを別格とすれば遂に世界最高の高みに登った珠玉の名機である。
現在コルベットはC7へと進化し、C7型のZR1は発売されない(Z06に統一された)だけに、中古車としてこの先価値高騰は必至。正直、C7のノーマルクーぺよりも貴重な存在であり、いま真っ先に手に入れるべきコルベットと言っても過言ではない(滅多に出物はないが)。
そんなハイパフォーマンスカーであるZR1の場合、オリジナリティを注ぎたいがためのドレスアップは、極力避けなければならない。すべてが緻密に計算された上にできあがった高性能ゆえに、安易なパーツ交換によっては性能を落とすことにもなりかねないからである。
だが、そういう理解はしていても、「オリジナリティを加えたい」というのが、アメ車好きの性。ということで、そんな方々にお勧めしたいのが、ホイールの交換である。
搭載されるエンジンは、V8 LS9エンジン。イーストン社製スーパーチャージャーとインタークーラーが組み合わされ、647ps/6500rpm、最大トルク83.5kg-m/3800rpm発生させる。このコルベット史上最強のエンジンには、チタン製のコネクティングロッドやインテークバルブ、ドライサンプ式オイルシステムなど、数々のレーシングテクノロジーが注入されている。
MT車専用のコックピット。手首のひねりでコントロールできる、非常に正確かつ小気味よい6MTと軽い操作性が自慢のクラッチ。バイパーSRT10よりも全然安楽である。
リアルカーボンボンネットには、樹脂製のクリアパネルが貼られ、常に珠玉の名機が見えるようになっている。
まるで普通のコルベットと変わりない…。だがアクセル深く踏み込むと一気にスーパーカーレベルのマシンに生まれ変わる。非常に乗りやすく、バネ下軽量効果によってか乗り心地がかなり良いから驚く。
ZR1の純正ホイールは、専用設計による軽量&高強度の高性能モデルを採用し、フロント19インチ×10J、リア20インチ×12Jが設定されている。それだけに、性能をスポイルすることなく、スタイルアップできるホイールは限られてしまうというのが現実である。
しかしここで紹介する、アメリカン鍛造ホイールの頂点ブランドとして君臨する『HREホイール』なら、また別の話である。
同社のホイールは、FOGED(フォージド=鍛造)製法にこだわり、ハブリングやスペーサーを使用することなくフルオーダーを可能とし、高いフィットメントを実現している。
取材車の足元には同ブランドのモデル名「P40SC」がチョイスされていたが、これは1ピース構造の鍛造アルミホイールであり、ZR1のためにオフセットを計算してオーダーされたもの。すなわちフェンダーとツライチに収められている。ちなみにサイズは、フロント19インチ×10J、リア20インチ×12J。
お気付きになった方もいるだろうが、あえてインチアップなどはせず、オリジナルサイズをキープしている点に注目したい。ZR1にもなると、タイヤサイズひとつとっても大きな意味をなし、インチアップ=性能向上に繋がるとは限らない、からである。
バケットタイプのレザーシートははホールド性良く、ヘッドレスト部分にはZR1のロゴが刺繍されている。
野太いサウンドを奏でるセンター4本出しのエキゾースト。2000回転を越えた辺りから、スピードメーターの針の勢いも変わり、音質も俄然レーシーなものとなる。純正でも十分のサウンドクオリティである。
ボンネットフードから常に見えるLS9エンジン。ZR1ならではの見せ場でもあり、証でもある。
アメリカ製鍛造ホイールの最高峰であるHRE。その「P40SC」が装着されている。サイズは純正ノーマルサイズだが、オフセットを計算してツライチに収めている。カーボンセラミック製の大径ブレーキとのマッチングも最高。
ちなみに余談だが、最近ではインチアップするよりも、同サイズでホイールのみ交換(タイヤはそのまま使う)というカスタムが流行っており、現行エクスプローラーオーナー等もそういった手法を駆使してオリジナル化を図っている方が多数いるらしい(コルベットにはあまり関係ない話ですが)。
ブラックのボディにブラックのHREホイールを装着し、ウインドーもブラックフィルムでまとめたZR1。そのルックスは、「ブラック・エディション」とでも呼びたくなるほどスタイリッシュでインパクトがある。
ポテンシャルをスポイルすることなく、それでいてしっかりとオリジナリティを注いだ、違いの分かるZR1。大人仕様とも言えるシックな装いがたまらない。
<シボレーコルベットZR1>
全長×全幅×全高mm:4480×1935×1250mm
ホイールベース:2685mm
車輌重量:1530kg
エンジン:V8スーパーチャージャー
排気量:6.2L
最高出力:647ps/6500rpm
最大トルク:83.5kg-m/3800rpm
世界最高峰のマシンに、アメリカ随一のホイールブランドとのコラボ。最強マシンには、最上級のモノがよく似合う。
ブラックのボディにブラックのHREホイールを装着し、まるで「ブラック・エディション」とでも呼びたくなるほどスタイリッシュにまとまっている。
漆黒の弾丸とも言える存在。たったホイール一つだが、オリジナリティが加わったことで、世界に一台の究極マシンになった。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES