まずは簡単な概略を。リンカーンMKXとは、ブランド初のミドルサイズクロスオーバーとして2006年にリリースされ、取材したモデルは2011年に登場したその2代目にあたる。
ちなみにクロスオーバーとはCUV、「Crossover Utility Vehicle(クロスオーバーユーティリティビークル)」の略であり、オンロード性能や軽快性を重視したSUV、もしくは背を高くして室内空間とオフロード性能を高めた乗用車風の乗り物という意味である。リンカーンMKXはどちらかというと後者にあたる。
このMKX、デビュー時期が重なる当時のフォードエクスプローラーと同コンポーネンツを使用していることもあり、ズバリ完成度がめちゃくちゃ高い。アメリカンな雰囲気と現代的な走りや装備がうまく折り重なって魅力度の高い存在として非常に有名な存在であった。
▲2011年型走行1.6万キロの中古車。だが、驚きのコンディションの良さが保たれている。
▲何にも似ていない独特のデザインやムードは特筆もの。お宝的な中古車と言っても過言ではない。
で、今回取材したのが2011年型のディーラー車。なんと走行1.6万キロ弱の個体。個人的には超お宝的な逸品と思っている。
まず、びっくりするほどキレイだった。ボディの色艶やメッキパーツ類のツヤ感、さらには全体が醸し出す風情に、およそ古さというかヤレ感というか使い込まれた感がまったくない。
それにデザイン。すでに13年落ちだが、古臭さが微塵もない。これがとにかく素晴らしい。もちろん、個体の状態の良さがあってこそだが、今の時代にこの両者を兼ね備えた中古個体が現れること自体が非常にレアだ。
とにかく、MKX固有の存在感というか惚れ惚れするデザイン的センス(いまだ心躍らせられるリンカーンならではのきらびやかな感じとモダンなスタイリング)がたまらなく素敵である。
その当時はそこまで感じなかったが、十数年経ったからこそわかる稀有な存在とも言えるだろう。
▲搭載されるエンジンは、3.7リッターV6DOHC。309ps、最大トルク38.7kg−mを発生させる。力は十分過ぎるほどある。
▲モータークラフトの指定オイルを使用している。
▲純正ホイール&タイヤサイズを使用している。
この2代目モデルのMKXに搭載されるエンジンは、Ti‐VCT搭載の3.7リッターV6DOHCで、309ps、最大トルク38.7kg−mを発生させる。それを6速ATと組み合わせる。
このV6、元をたどれば当時のマスタングに搭載されていたV6だけあって、低速トルクが十分にあり、ピックアップにも優れているおかげで、街中のストップアンドゴーはかなり得意である。
一方で、その気になればリミットの6500rpmまで小気味良く回り、しかも快音を発するのが嬉しい。
いや、この車両の場合、快音云々というよりは、低速域から中速にかけての静かな空間作りが非常に素晴らしい。
後述するが、ウッドとメタルのインテリアがこれまた素晴らしく、さらにこの個体の前オーナーさんが余程大切にされていたのか、空間自体が非常にクリーンであり、新車時からほとんど傷んでいないような状態が気分を高めてくれるし、その状態のインテリアを眺めながらの、静寂なドライビングがこれまた予想以上に心地良い。
▲優雅さを重視した左右対称のインパネ。インテリアカラーはプレミアムブラック一色で、本木目のパネルとサテンブロンズのセンターコンソールとの組み合わせ。
▲シンプルな6速ATのシフトノブ。
▲センターコンソールのタッチスクリーンで、エアコンやオーディオなどの機能をコントロールする「マイ・リンカーン・タッチ」
▲セレクトシフト・トランスミッションを採用する。シフトレバーをMレンジへ入れ、シフト横の「+/‐」ボタンでシフト操作が可能になる。
足回りも洗練された印象をもたらし、ブレーキ等の機能的な部分においても不安や不満はまったくない。
逆に驚いたのが、今どき珍しいほど鷹揚とした乗り心地であり、現代の引き締めがちな足回りを想像していると、いい意味で裏切られる。アメ車好きを唸らせる足さばきと言っても過言ではないのである(ステアリングはかなり重めだが)。
とはいえ、SUVほどの車高の高さはないから目線の高さゆえに不安定になることがないし、またAWDだけにいざという時の安心感にも満足するはずである。
最初に年式等の詳細を聞かなければ、この車両が13年落ちだとはまったく思わない。そのくらいコンディションが図抜けている。
一方、インテリアのクオリティがまた素晴らしい。黒で統一された内装色に、ウォールナットの加飾パネル、サテンブロンズのコンソールの組み合わせがモダンである。四角張った初代のデザインも懐かしいし魅力的だが、2代目モデルには洗練性が伴っている。
もちろんシートのステッチやウッドパネルの角の処理など、仕立ての良さも折り紙つきであり、かつ装備も充実。二分割のサンルーフやパワーテールゲート、インフォティメントシステム「マイ・リンカーン・タッチ」なども装備される。
▲街中では軽快な走りが可能。中古車としても非常に状態が良い。
▲今や当たり前となったデジタルメーターが装備。MKXには一昔前のアナログが似合うとも思うが、実際にはそれほど違和感を感じさせない。
▲シート表皮には全車ブラックのプレミアムレザーが採用される。ドライバーズシートのみ使用感があるが、トータルでの状態は非常に高い。
全長×全幅×全高=4740×1930×1685ミリのボディがもたらす室内空間は、十分に広くかつクリーンな状態であった。大人4人が乗ってもそれこそ十分な広さと快適性を有している。
ドライバーは、目線やステアリング位置&シフトレバー位置&センターコンソールといった人間工学的な部分においても当時の最先端の配慮が加えられたモデルであるからこそ運転しやすくスマートドライビングが可能である。
MKXはCUVということで、ナビゲーターほどの重量感はなく軽快に、それでいて街中から高速までを5人乗車で移動するには適切な装備を備えており、かつ人々が憧れる理由が分かるほどハイセンスな雰囲気にいまだ満たされている。
さらにこの個体は、驚くほどクリーンであり、走行距離数は少なく、後席に至っては使用感すらまったくない。
聞けば、当時は高級車的存在で高価な存在でもあったから販売台数自体は少なかったという。だから中古車自体が稀であり、さらに13年落ちということもあり、今回の価格帯になったとも。
それが今、非常に魅力的に見えるのは上記のような状態を維持していることと、それを販売しているのがフォード認定サービスディーラーであるアベカーズ多摩ガレージという点に尽きるだろう。
フォード認定サービスディーラーであるから、今もなおフォード車の整備や修理が集中しており=情報がノウハウとしてたまり、それが整備力としてユーザーへと還元される。また正規のサービスディーラーであるからパーツに困ることもない。
だからこそ13年落ちの中古車でもコンディションが維持されており、また購入後にも整備に関して困ることがないから、安心してオススメすることが可能になるのである。
▲後席の足下の広さは特筆ものであり、大人2人なら乗っても十分なスペースを誇る。使用感もない。
▲アベカーズ多摩ガレージはフォード認定サービスディーラーであるから、今もなおフォード車の整備や修理が集中している。
▲アベカーズ多摩ガレージの青木氏曰く「徐々にパーツ状況に変化が出てきているのは事実ですが、弊社ならまだパーツ状況の如何にかかわらずノウハウを駆使して対応可能です」。よって13年落ちのMKXでも全く心配はいらない。
▲アベカーズ多摩ガレージのショールームには、マスタングブリッドのようなレアな個体も展示されている。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES