シボレーの兄弟ブランドGMC(ジー・エム・シー)。このGMCにはシボレーの兄弟車が多く存在する。アストロにはサファリ、シルバラードにはシエラ、トレイルブレイザーにはエンボイ、コロラドにはキャニオンといったようにだ。そしてタホにはユーコン、サバーバンにはユーコンXLがある。
では、どうしてふたつのブランドが存在するのか? それはもともとの発祥が異なるからだ。ともに20世紀初頭に誕生したが、まったく異なる自動車メーカーが母体となる。それをGMが買収して統合した。その位置づけは、シボレーが一般的な大衆車なのに対し、GMCはコマーシャルビークルとして長年広く親しまれてきた。そのためシボレーにはカマロやコルベットという趣味性のあるクルマがラインナップされたが、GMCにはなかった。ところが、そんなポジションを築いてきた各々だが、最近は少しばかり様子が変わってきた。GMCの存在が、かなり注目されるようになってきたのだ。
それはまずマーケットから動きが起きた。SUVやミニバンブームによって、それまで仕事クルマと思われてきたGMCのラインナップが、「もうひとつの選択肢」となったのだ。それはまさに、民間用に対するプロスペックに近いイメージ。コマーシャルビークル一筋のGMCブランドは、プロユース的選択肢に位置づけられた。そんな背景があり、GMCはユーコンにスペシャルなモデルを追加した。それがここで紹介するデナリ。GMCブランドにあって唯一キャデラックと張るポジションに位置するモデルである。
4.8リッターV8、5.3リッターV8しか用意しないタホに対し、ユーコンデナリはエスカレードと同じ6リッターV8を搭載する。マックスパワーは 335馬力(エスカレードは345馬力)を発揮。駆動方式は2WDも用意するタホや標準のユーコンに対し、4WDのみという設定となる。
実際に走ってみると、300馬力を越えるV8エンジンは圧巻で、4WDなのでトラクションが抜ける不安も皆無である。高速での安定性も高く、重量級SUVとしての走りに不満はまったくない。ブレーキに関してもタッチおよび制動力は十分であり、普通に乗る限りは不安要素は全くなく、かりにちょいとばかり飛ばしても受け止めるだけの潜在能力を持っていることも確認できた。かなり硬派な出で立ちと余裕十分な走りの性能。アメ車としてのステータス性をも備えたデナリの人気の秘密が、分かったような気がする。
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