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走り好きにはたまらない原色のスポーティカー

フォードマスタング サリーン PJ リミテッドエディション (FORD MUSTANG SALEEN PJ Limited )

岩田正樹氏が選んだ「走りの楽しい」復刻モデルたち

現行マスタングの中でも圧倒的人気を誇るサリーン パーネリージョーンズ リミテッドエディションを紹介する。オーナーである岩田氏はこのほかにも原色のアバルト500も所有し、かなりの走り好きと思われる。だが、そんな岩田氏がセカンドカーを必要とした理由は一体なんなのか?

更新日:2013.10.21

文/石山英次 写真/益田和久

取材協力/ASDN公式ホームページ TEL 052-408-0620 [ホームページ] [詳細情報]
     Gテックジャパン TEL 052-400-5554 [ホームページ]

セカンドカーを必要としたくなるファーストカー

 この原色の2台のスポーティカーを見ればどちらがセカンドカーであるかは一目瞭然だろう。だがそのセカンドカー、じつはMTでありチューンナップされている。

 セカンドカーと言えば実用性や経済性を優先するというのはごく当たり前の認識であると思うが、この2台のオーナーである岩田氏は違っていた。

「たしかにセカンドカーではあるのですが、奥さんは別にもう1台持っていますので、結局一人で乗ることが多くなる。だからこそ大きさにこだわることはないですし、MTでも全然問題ありません。どちらかといえば走り優先で、パーネリージョーンズリミテッドの距離を抑えつつも同じような楽しさを得ることができるセカンドカーを選んだのです」

 彼の乗っている2台のクルマ、それはフィアットアバルト500をチューンナップしたGテック165と限定車であるサリーン パーネリージョーンズ リミテッドエディション(以下、PJ)。両者の目指している方向性は恐らくまったく違うだろうが、走りの楽しさはどちらも甲乙つけがたいほど似通っているという。

 そもそも彼がセカンドカーを必要とした理由、それはファーストカーたるマスタングをこれでもかと大切に扱うがゆえにである。

 岩田氏は、このPJを中古車として手に入れ、その前にはエレノアに乗っていた。だがこの希少車との出会いをきっかけにMTモデルにハマっていく。さらに走る楽しさにも。で、そういった流れの中でPJとアバルト500との組み合わせになったのである。

PJは400hpを誇るMT車であるが、このクルマのオーナーである岩田氏はもう一台のセカンドカーにも同じくMT車をチョイスした。走り好きオーナーの宿命であろうか。

センターパネルのルーバー中央にはパーネリー&スティーブの直筆サインが入る。

右に見えるライトブルーのフィアット500は、ホットモデルであるアバルト500をさらにチューンナップしたGテック165。その名の通り165hpを発生させるホットハッチだが、岩田氏の愛車はさらにGテックのエキゾーストシステムを追加装備しており推定出力は175-180hpとなっている。

現行マスタングの中で最適なデザインバランスをもたらし、最高にかっこいい1台。コイツを超える性能を持つカスタムカーは多々あれど、このバランスを超えるマシンには未だかつて出会ったことがない。

SCCAトランザムチャンピオンシップを制した伝説のマスタング

 そんな岩田氏が溺愛するPJとは一体どんなクルマなのだろうか?

 通称PJと呼ばれるこのオレンジ色のマスタングは2007年に登場した。しかも全世界500台限定である。このPJは、マスタングのチューンナップで有名なかのサリーンが制作したコンプリートモデルであり、1950~70年代にアメリカで活躍した伝説のドライバー・パーネリージョーンズの名を冠したスペシャルモデルとして誕生したのである。

 このPJは、パーネリー自身がかつてドライバーとしてSCCAトランザムチャンピオンシップを制し、その時ドライブしていた伝説のスーパーマスタングBOSS 302を復刻させたもの。05に登場した現行マスタングに強いインスピレーションを感じたパーネリーがスティーブサリーンに直接話を持ちかけて実現したマスタングなのである。

 さらにこの話には続きがあり、このPJのためにフォードは新たに70年時のチャンピオンカーと同色となるグラバーオレンジのボディカラーをわざわざ純正設定したのである。

 ベースとなっているのは2007年型マスタングGT。当時まだ4.6リッターだったV8エンジンは5リッター(302cuin)にスープアップされ400hp/6000rpmのパワーと53.9kg-m/4000rpmの最大トルクを発生させる。この時点でざっと純正比100hp以上のアップであり、それをクイックレシオの5速MTと組合わせることで、超軽快なマシンに生まれ変わったのである。

 足回りは、サリーン製サスペンションに19インチにサイズアップされた7本スポークホイールが組み合わされる。基本的にチューニングカーということで、購入後もノーマル状態を維持している。オーナー自身の手でチューンナップしたのはハースト製のシフターのみ。

70年のSCCAトランザムチャンピオンシップを制した伝説のスーパーマスタングBOSS302。ドライバーはパーネリージョーンズ。当時はカマロ、チャージャーなど、マッスルカー全盛時代に華々しい成績を残したマシンだった。

搭載されるエンジンは4.6リッターだったV8エンジンを5リッターにスープアップし、400hp/6000rpmのパワーと53.9kg-m/4000rpmの最大トルクを発生させる。NAエンジンならではの最強の気持ちよさである。

サリーンのプレートが貼られる限定モデル。プレート244番。このクルマの中古車を筆者はいまだ見たことがない。コンディションの問題もあるが、見つけたら即買いがふさわしい。

リアウインドーのルーバーやリアウイングといったパーツはブラックで統一され、グラバーオレンジとのボディカラーとのマッチングも最高。各種ストライプやゼッケンもアクセントして最高の見栄えを提供してくれる。

ホンモノのみが発するオーラ

 往年のBOSS 302を彷彿とさせるボディは、すべてに手が加えられている。フロントグリル、リアパネル周りはクローム処理され、レーシーなフードピンでロックされるボンネットフードにシェイカーフード、さらに当時、ホモロゲ取得のためのロードカーに採用されていたリアウインドーのルーバーも健在。また当時の若者の憧れの的だったゼッケン「15」番も忠実に再現されている。

 一方インテリアも同様にカスタマイズされている。基本はボディカラーと同様にブラック&グラバーオレンジ基調である。

 シートの座面と背もたれ中央にはボディと同色となるオレンジを配色。インパネには、ステアリングにPJのロゴ。センターパネルのルーバーはパーネリー&スティーブの直筆サインが入る。なお、この車両においてはホワイトボールのハースト製シフトノブに変更されている。

 これまで何度も言っているが、現行マスタングのスペシャルモデルとして誕生した数々のモデルラインナップの中で、このPJは随一の完成度でありカッコよさである。この実物のPJには、中途半端に模倣されたPJもどきや自己流アレンジを施したマスタングカスタムカーにはない洗練度で満たされ、本物のみが発するオーラで満たされている。

 だからこそセカンドカーを入手してでもこの味を末永く守りたいという岩田氏の思いもよくわかるのである。

フロントグリル、リアパネル周りはクローム処理され、レーシーなフードピンでロックされるボンネットフードにはシェイカーフードが鎮座する。当時の若者の憧れの的だったゼッケン「15」番も忠実に再現されているから嬉しい。

足回りパーツやエキゾーストもPJならでは。このバランスを維持してこの希少車を末永く乗って欲しいと願う。

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