ここで紹介するトヨタ・タンドラ「SS PKG」は、アメリカンハイパフォーマンスカーのディーラーネットワークであるASDNが発売中のコンプリートカーである。
ベースとなっているのは日本市場で最も人気の高い「クルーマックス+スタンダードベッド+5.7リッターV8+4×4」という仕様で、グレードは「SR5」となっている。
タンドラに限った話ではないが、モデルチェンジ直後というのは基本的には最上級グレードが売れる傾向にある。現行タンドラで言えば「1794エディション」や「プラチナム」がそれに当るのだが、最もベーシックなSRとの価格差はともに1万8000ドルを越える。
もちろんベーシックモデルと最上級モデルでは、見た目も装備内容も大きく異なるのだが、動力性能や積載力といったピックアップトラックとしての基本性能に違いがあるわけではないので、この価格差は購入希望者を悩ませる大きな問題となる。
現行タンドラには「リミテッド」という中間グレードも存在するが、これとてSRと比べれば1万ドル以上も高価だし、装備内容的にもいかにも中間グレードという設定で、販売店側が積極的に推奨できるモデルか? となると微妙なところ。
と、こういった状況を考慮して企画&開発されたのがASDNの「SS PKG」である。この「SS PKG」は内外装を効果的にカスタムすることで、「SR5」をベースとしながらも最上級モデルに遜色ないルックスを実現。それでいて価格はリミテッドと同程度に抑えられており、非常に商品力の高い仕上がりとなっている。
2014年型タンドラに用意されるグレードは全5種類であり、「SR」、「SR5」、「リミテッド」、「プラチナム」、「1794エディション」となり、右に進むごとに高級グレードとなっている。ただし、グレードによってはチョイスできないキャブやオプション等もあるから注意する必要がある。
たとえば、ベースグレードの「SR」はレギュラーキャブとダブルキャブのみの組み合わせで、「SR5」と「リミテッド」はダブルキャブとクルーマックスのみであり、逆に「プラチナム」と「1794エディション」はクルーマックスのみという風に、グレードによる差別化が激しいのである。
今回ASDNが用意したコンプリートカーは、この差別化によるグレードを逆手にとった「SR5」をベースとし、商品的な魅力に華を添えている。すなわち、この「SS PKG」は、ベンチシートが標準である。2014年型タンドラは「SR」と「SR5」のみ40/20/40分割のベンチシートがチョイス可能であり(ファブリックシートだが)、さらに「SR」と「SR5」はコラムシフトが標準であるため(オプションでフロアシフトのチョイスも可能)、アメリカンピックアップだけが持つ独特な空間演出が可能なのである。
その「SR5」をベースに異なる質感のレザーシートを装備し、トップグレードたる「1794エディション」に劣らない見栄えと質感を実現しているのが、「SS PKG」というわけである(「1794エディション」では、ベンチシートやコラムシフトが選べない)。
レザーインテリアのほかに、ホイールやトノカバー、オーバーフェンダーやサイドステップ等の絶対欲しいアイテムが装備されて(どのグレードを買っても必ず欲しくなるアイテム)、プラチナムと同等レベルの価格というのも魅力的である。
330,000円
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