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未だに根強い人気を誇るクラシカルなウッディワゴン

1989年型 ジープ・グランドワゴニア

最後まで中身がほとんど変わらなかったという意味ではミニやビートルと同じ?

古き良き時代のアメリカをそのまま形にしたようなジープ・グランドワゴニアは、基本的構造に大きな変化もないまま30年近くも生き長らえた、アメ車界のシーラカンス的モデルなのだ。

※このワゴニアの記事は旧アメ車ワールドに掲載していたものをリメイクしたもので、元々はアメリカン・パワーという雑誌を制作した際に取材したものです。

更新日:2012.01.07

文/田中享(Tanaka Susumu)※加筆修正のみ 写真/American Power 編集部

取材協力/ウエストクラブ TEL 053-427-0808 [ホームページ] [詳細情報]

基本構造がデビューから生産終了まで変わらなかった?

 1953年の誕生から現在まで、半世紀以上も生産され続けているコルベットのように、アメ車には息の長いクルマが多い。ただ、それらは時代と共に進化するのが常で、マスタングやサバーバンはモデルチェンジの度に時代に合った技術が取り入れられてきた。

 その点でグランドワゴニアは異質なクルマといえる。1963年のデビューから91年の生産終了まで、基本的な構造がほとんど変わらなかったからだ。幾度かマイナーチェンジはされたが、フロントマスクのデザインが変更されたり、ウィンドーなど装備系が電動化されたくらいである。

 ワゴニアのベースになったのはデビュー前年にリリースされたピックアップのグラディエーター。後にJシリーズピックアップとなり、アメリカ陸軍でも採用されたモデルだ。なので、初期モノのワゴニアはカイザージープ・コーポレーション製となる。ただし、62年に工場を出荷した一部のモデルにはウィリス・モータースのプレートが貼ってあるので、もしそいつが見つかればお宝となるだろう。

ボディ全面に貼り付けられたウッドパネルは高級車である証。基本的構造はモデル誕生時からほとんど変わっていない不思議なクルマだが、フェイスデザインにしろ内装の細かい部分にしろ、他のメーカーが深くこだわらないような細部に渡って芸の細かいデザインが成されている。何と、ウッドパネルの色やウッドモールデザインなども年式により異なるのだ。

サンルーフもウインドーも全てオートパワーを採用している。

ラゲッジは、セカンドシートを倒すことでかなり広い空間を作ることができる。とは言っても、ベージュのモケット地で囲まれた上品なラゲッジルームなので、汚い荷物をガンガン積みたいとは思わないが…。

高級感と優雅さが絶妙にマッチしたワゴニアのスタイルには独特の雰囲気があり、日本にも熱烈なマニアが多い。ウッドパネル(フェイクウッドを含む)を採用したクルマは他にもあるが、『クラシカル』とか『ノスタルジック』と言った形容がこれほど似合うクルマはワゴニアだけだろう。

ウッドパネルは豪華さの象徴?

日本に現存するワゴニアで最もよく見かけるのは5.9リッターOHVのV8ユニット。最高出力144ps/3,200rpm、最大トルク36.7kg/1,500rpmを発揮するこのエンジンは、スペック以上にトルクフルで意外なほど扱いやすい。

 ワゴニアのスペックを見てみる。まず、ボディ構造はラダーフレームにスチール製のボディを載せたもの。足は前後リジッドでリーフスプリングを採用する(この構造は91年まで同じ)。
 エンジンは当初直6だったが、60年代後半からシボレーの350(5.7リッター)を積んだスーパーワゴニアが登場するなど、バリエーションは増えてくる。長年メインとなったのは、4.2リッター直6と5.9リッターのV8だ。ちなみに、こちらの取材車両は5.9リッターのV8エンジンを搭載している。

 ワゴニアのコンセプトは豪華なワゴンといったところ。それまでのCJシリーズにスチール製のボディを被せたステーションワゴンとは違い、ウッドパネルで装飾するなど高級感を前面に押し出している。インテリアも同様に、ダッシュパネルはウッディに飾られる。最終型となる撮影車を見てもわかるように、インテリアはベージュを基調にした落ち着いた雰囲気を醸し出す。

 AMCは74年にワゴニアと同じボディを使った廉価版のチェロキー(通称ビッグチェロキー)を出す。その後チェロキーは2ドア版を中心とし、ワイドトレッドのチーフを加えるなどスポーティな路線を確立。ウッドパネルが用意されなかったのは、高級路線でないことを意味する。

 ところで、ワゴニアがグランドワゴニアに名称変更されたのは84年から。79年の第二次オイルショックを経て、当時のジープブランドのオーナーであるAMC(アメリカン・モータース・カンパニー)が、「これからはコンパクトSUVの時代」と判断。ビッグチェロキーをスモールチェロキーにスイッチしたのだ。そしてそれに伴い、スモールチェロキーの高級車版ワゴニアをラインナップ。そのためそれまでのワゴニアにグランドワゴニアという名前が付けられた。といったストーリーを経て、グランドワゴニアは87年にクライスラーが親会社となり、91年に生産を終了したのである。

ベージュを基調とした落ち着きあるインテリア。各所にあしらったウッドパネルが高級路線のモデルであったことを示す。ウッドパネルもそうだが、ステアリング奥に設置されたシフトインジケーターなど、特異なデザインがワゴニアの魅力といって良いだろう。

ルーフラックやウインドースイッチパネルなどにもウッドが貼り付けられている。このルーフラックやスイッチ類も含め、ドアノブやドアのエッジ部分の造形、年式毎に異なるエンブレムなど、他車種では考えられないような非常に凝ったデザインが採用されている。グランドワゴニアは知れば知るほど面白いクルマなのだ。

シートはもちろんレザー貼り。その座り心地は、いかにも一昔前のアメ車らしくフワフワとしている。スピードを出したりチョロチョロしたりせず、ゆったりノンビリ運転するのがワゴニアらしいスタイルと言えるだろう。

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