きっかけは一本のニュースだった。3月10日過ぎに行われていたジュネーブショーで語られたスバルUKの重役のひと言。「スバルからMTモデルがなくなるでしょう」
スバルといえば、インプレッサに代表されるMTの走り系モデルをいまだ発売しているメーカーであるが、そのMTがなくなる可能性が大という。理由は、アイサイトに代表される安全装備重視のスペックに差し替えていくためであり、今のところ、MT車にはアイサイトが装着できないから、存続が難しくなるだろうという顛末であった。
正直、熱烈なスバルファンではないためにMTとアイサイトなる安全装備との仕組みにはまったく疎いために詳細は語れないのだが、筆者的に思ったのが、「箱型モデルの走り系車両からMTがどんどんなくなっていくなあ」という、そちらへの悲しい気持ちだった。
まあ、そうはいってもMT車の数は年々減少の一途を辿っている。世の流れ、と言っても過言ではない。だからスバルの流れも仕方なし、ということになるのだろうから、ファンは買えるうち買っておくべき、ということに落ち着くのだろう。
でだ。アメ車の場合だが、意外にもMT車の数はそれほど減っていない。だが、なぜだかV8エンジンが減っている(笑)。それもキレの良いNAエンジンのV8である。
あくまで個人的な好みの問題なのだが、「アメ車はNAのV8で」という志向を持っている。仮にパワーはなくとも、MTで操るV8NAサウンドの感覚は、惚れ惚れするほど魅力的だ。それに、これからもどんどん減少していくであろうV8エンジンを、できるだけ良質なコンディションで後世に残したいという思いもある。
余談だが先日、チャレンジャーに乗った40過ぎのオジサンが中央道を200キロオーバー…といったニュースがあったと思うが、そのニュースを聞いたとき、正直、「いまだにそういう●●がいるんだなあ」とちょっと笑ってしまった。
今や一般公道でそういったスピードを出すのは狂気の沙汰だと思うし、何かあれば他人に迷惑かけるし、百害あって一利なしと思っているからこそ、直接的な速さというよりは、MTで操ることの楽しさやフィーリングやサウンドetcの感覚性能を重視すべきではないかという考えを持つようになった(そうは言ってもアメ車のV8NAでも500hpはあるが)。
だから個人的にはNAエンジンのV8をMTで操ること自体に面白さを見つけ、それひっそり楽しむ。まあ高速入り口とかでフル加速くらいはしたいだろうから、その時くらいは「どうぞご自由に」とは思うが、とにかく、突出したパワーよりもフィーリング重視のV8NA車両を今のうちにゲットしておくべき、と走り系モデルのファンには言いたいのである。
くわえて、これまでにBMWM3とかアルファロメオ155&156や、それこそインプレッサの最強モデルに乗っていた方などにも、多いにオススメしたいと思うのである。
そんなV8NAモデルをリストアップすると、まず間違いなくあがるのがマスタングである。個人的にも多方面に書き散らしているが、旧型マスタングのV8MTモデルは、常に買いだ。もうほんとに惚れ惚れするほどの感覚性能の持ち主である。
さらに、旧型モデルでいえばBOSS302。こちらは、ベースとなるV8MTモデルを、さらに一段ブラッシュアップさせたモデルであり、しかもMTモデルしか存在していないというほど走りに振ったモデル。
だから、実際の性能も高くなっているが、それ以外のシートやシフトやペダル類といった部分に走り系モデルとしてのパーツを散りばめたことで、雰囲気も格段にアップしているし、何より限定モデルという部分がそそる。
一方、現行マスタングにおいても、V8マスタングのMTモデルはオススメである。だが、上記の旧マスタングにはディーラー車としてMTモデルが存在した経緯もあり、だから個体の数もそこそこ存在するのだが、現行モデルのV8は数自体が少ない。
エコブーストエンジンを搭載した直列4気筒モデルの性能が高く、そちらでも十分な満足が得られることもあり、直輸入されるモデルの7割以上がこのエコブーストといっても過言ではない状況である。だから、いわんやV8MTをや、ということである。
ちなみに、そんな状況にもかかわらず、あえて現行V8モデルのMTを複数直輸入しているショップこそが、BUBUのBCDなのである。
で、そういった数の問題もあるなかで、燦然と輝くのがGT350である。後に700hpオーバーのGT500が登場するのが既定路線だが(見てみたいという気持ちはあるが)、このGT350に搭載されている5.2リッターV8NAの感覚性能の高さと奥深さには舌を巻く。
もう、速いとか遅いとか、ゼロヨンが3秒とか4秒とか、500hpだ700hpだとか、そういったことにはまったく興味がなくなるほど心が揺さぶられる。本当に心地よい。この車両に限っては、アメ車であるのにアメ車にあらず、といった感じであり、まったく別の感動が味わえるのだ。
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