今現在のEVに関しては、「ガソリンエンジン車に取って代わる存在」というよりは「ガソリンエンジン車を含めた中での選択肢」という程度のもの。だから興味があれば早いうちに経験しておくのが良いというのが筆者の意見。
で、そんなEVの中で独自の世界観を持って多くの人々を魅了しているのがテスラ。デザイン、インテリア、航続距離、パフォーマンス、充電網、etc、どれを取っても高レベルでまとめられており満足感は非常に高い。と同時に新車の購入価格もかなり高い。
だが、今年に入り中古車市場にかなりの数のテスラ車が出回るようになっている。なんせ2023年にはジープラングラーよりもモデルYの方が日本で売れていたのだから。
ということで、テスラの中古車購入という選択肢である。その場合、基本的には二つのパターンが考えられる。一つはテスラジャパンが販売する中古車。そしてもう一つが一般的な中古車販売店での中古車。
今回取材した2022年型モデルYと2019年型モデルXは、後者のブルートが販売している中古車である。
聞けば、「テスラに関しては、メカニックが触れられるメカニカル部分が非常に少ないのです。またバッテリー&モーター等のパワートレインに関しては、メーカー保証が比較的長いので特にここ数年の車両であればさほど心配する必要はないという判断です」
※モデルY RWD(バッテリーおよびドライブユニット限定メーカー保証):8年または160,000kmいずれか先に達するまで、70%のバッテリー容量を保証
要するに、もともと触れられる部分の少ないテスラ車であるから、そしてキモとなるバッテリー&モーター等のパワートレインに関してはメーカー保証で対応可能であるということから、中古車の販売を始めているという。
ただし、テスラに関する情報や知識を含めサポートすることが独自にできるというから、その点に関しては他社と比較した場合の圧倒的利点と言えるかもしれない。
というのも、テスラに関しては、テスラジャパンから購入する場合も最低限のサポートに限られており、基本的にはオンラインにて自ら学ぶ必要がある。よって、サポート可能な第三者が入るという時点でかなりの安心感なのである。
ということで、2022年型モデルY RWD。走行1万7000キロの個体である。
まずはモデルYについて。モデル3をベースにしたSUV版。日本導入は2022年であり、ラインナップは二種類でRWDとパフォーマンス。
RWDは、スタンダードレンジのバッテリーを搭載した後輪駆動モデル。車重は1930kgで0−100km/h加速は6.9秒、最高速217km/h。航続距離は507kmという。
一方パフォーマンスは、ロングレンジのバッテリーを搭載したAWDモデル。車重は2000kgで0−100km/h加速は3.7秒、最高速250km/h。航続距離は595kmという公式発表である。
インテリアは、メーター類を排したシンプルなデザインが採用され、センターコンソールには15インチのタッチスクリーンが装備される。乗員定員は5人であり、フロント&リアトランクに広大な荷室スペースを有している。
今回取材した個体は、2022年型のRWD。ボディカラーはホワイトでインテリアはブラックの組み合わせ。同時に取材したモデルXとは異なりより未来的な雰囲気を感じさせる。
中古車ということだが、ボディやシート&インテリアにヤレを感じる部分が非常に少ないのがテスラの特徴。
恐らく、すべての操作がタッチスクリーンに集約されており、それ以外が非常にシンプルであるからこそ、傷がついたりヤレたりするのを防いでいるのかもしれない。
一方で、全体的にシンプルが故に車内からの見晴らしが良く前方視界が非常に良好なのも特徴であるが、一転、ボディ四隅の感覚を掴むのが意外に難しいのも特徴で、慣れるまで幅寄せをするのが難しいと感じる人がいるかもしれない。
走らせればワンペダルドライブにも慣れを必要とするかもしれないが、慣れればブレーキペダルをさほど踏む必要がないことに気づき、逆に運転のしやすさを感じるかもしれない。
モデルXの方でも述べるが「オートパイロット」も健在で、それらは年式が新しくなればなるほど洗練されている。タッチスクリーンの操作の速さ等も格段に良くなっているから、初めてのテスラ車としてYの中古車から入ってみるのは悪くない選択肢だと思う。
購入に際しては、免許証取り立てとか、初めての愛車にとか、自動車初心者であればあるほどオススメだと思っている=若い方であればEVアレルギーがなく、まるでアイフォーンを操るようにテスラ車に接することが可能だろう。
もちろんそれ以外の方々がテスラに乗るのも大いに結構だし、そんな場合にもブルートのようなサポート可能な店舗であればあるほどすんなり入っていけると思うのである。
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