更新日:2014.08.27
文/石山英次 写真/古閑章郎
リンカーンブランドは高嶺の花であるが、アメ車好きなら一度は憧れる対象であると思う。その後、キャデラック系SUVに進むか、それともナビゲーターに向かうか。リンカーンというブランドを知ると必ずや二者択一の岐路にたたされる。
個人的には常に端正なたたずまいのリンカーンが好きであった。ナビゲーターにしても、このMKXにしても、デビュー当初は「アメリカの迫力」というよりは「品格」を感じさせたものである。だが、ある時を境にして雰囲気が変わってきた。とはいえ、キャデラック系のケバケバしさとは無縁の品はそのままに、一層フォーマルな雰囲気を醸し出してきたのである。
リンカーンMKXとは、ブランド初のミドルサイズ・クロスオーバーとして2006年にリリースされた。取材したモデルはその2代目にあたり、2011年に登場したモデル。すなわち初代デビューから4年を機に全面刷新されたのである。
ちなみにクロスオーバーとはCUV、「Crossover Utility Vehicle(クロスオーバーユーティリティビークル)」の略であり、オンロード性能や軽快性を重視したSUV、もしくは背を高くして室内空間とオフロード性能を高めた乗用車風の乗り物という意味である。リンカーンMKXはどちらかというと後者にあたる。
搭載されるエンジンは、3.7リッターV6DOHC。309ps、最大トルク38.7kg−mを発生させる。
優雅さを重視した左右対称のインパネ。インテリアカラーはプレミアムブラック一色で、本木目のパネルとサテンブロンズのセンターコンソールとの組み合わせにより、落ち着いた雰囲気を与えてくれる。
6速ATは、セレクトシフト・トランスミッションを採用する。シフトレバーをMレンジへ入れ、シフト横の+/‐ボタンでシフト操作が可能になる。慣れれば、マスタング譲りのV6を唱わせてスポーティな走りも可能になる。
日本で言うところのライバルと言えばキャデラックSRXやトヨタハリアー(レクサス含む)、アウディQ5となるのだろうが、デザイン面で突出しているMKXの価値は高い。
昔のアメ車に、豪華絢爛でクルーザーのような乗り心地をイメージしているような方には、このきらびやかの中にも美意識を感じさせるモダンなリンカーンのスタイリングに共感するはずである。というか、今どきデザインだけでこれだけ人々を惹き付けるMKX自体が稀有な存在であろう。
取材車両は2011年型の8000キロ走行。まだ新車保証が残る低走行車というだけあって、所々に新車のような雰囲気を残す。
搭載されるエンジンは、Ti‐VCT搭載の3.7リッターV6DOHC。309ps、最大トルク38.7kg−mを発生させるこのエンジンは、6速ATと組み合わされることによって想像以上に良く走る。このV6、元をたどれば現行マスタングに搭載されるV6だけあって、低速トルクが十分にあり、ピックアップにも優れているおかげで、街中のストップアンドゴーはかなり得意である。一方で、その気になればリミットの6500rpmまで小気味良く回り、しかも快音を発するのが嬉しい。
足回りも洗練された印象をもたらし、ブレーキ等の機能的な部分においても不安や不満はまったくない。逆に驚いたのが、今どき珍しいほど鷹揚とした乗り心地であり、現代の引き締めがちな足回りを想像していると、いい意味の特徴として驚くほど当たりが柔らかい。すなわち、真のアメ車好きを唸らせる足さばきと言っても過言ではないほどである。
とはいえ、SUVほどの車高の高さはないから、目線の高さゆえに不安定になることがないのも嬉しい。
MKXのといえばスプリット・ウイング・グリル。1941年型コンチネンタルのグリルに採用された「ウォーター・スプリット」デザインに着想を得たものという。全体的に洗練されたハイセンスな雰囲気は、このフロントマスクがもたらしていると言っても過言ではない。
クロスオーバー車ということで、乗背の高い乗用車的とも言えるが、SUVほどの車高の高さがないから乗降性は良く、運転感覚も4WDと相まって安定したものとなり、大きさ的にも大人5人が乗れるにもかかわらず、街中で扱いやすいという、まさに万能車である。
18インチのポリッシュドアルミにFマクファーソンストラット/Rマルチリンクという足回りの組み合わせ。乗れば鷹揚としたアメ車らしい乗り味に感動するに違いない。
アメ車になりたい的なハリアーのスタイルを見ていると、このMKXの、何にも似ていない独特のデザインやムードは特筆ものであり、これぞ本物のアメ車の証であると思う。
一方、リニューアルされたインテリアのクオリティがまた素晴らしい。黒で統一された内装色に、ウォールナットの加飾パネル、サテンブロンズのコンソールの組み合わせが驚くほどモダンで、四角張った初代のデザインとは隔世の差を感じさせるほどである。
もちろんシートのステッチやウッドパネルの角の処理など、仕立ての良さも折り紙つきであり、かつ装備も充実。二分割のサンルーフやパワーテールゲート、インフォティメントシステム「マイ・リンカーン・タッチ」なども全車に装備される。
この「マイ・リンカーン・タッチ」とは、現行エクスプローラーに搭載されるものと同種であり、センターコンソールのタッチスクリーンで、エアコンやオーディオなどの機能をコントロールするというもの。機能ごとに画面を切り替えることで、モニターひとつで複数の装備を使いこなすことができるのだ。
またブラインド操作についても考慮されており、ステアリングスイッチや音声認証機能も装備する、世界的に見ても、もっとも意欲的なインターフェイスのひとつと言えるだろう。
全長×全幅×全高=4740×1930×1685ミリのボディがもたらす室内空間は、十分に広くかつクリーンな状態であった。大人5人が乗ってもそれこそ十分な広さと快適性を有している。
ドライバーは、目線やステアリング位置&シフトレバー位置&センターコンソールといった人間工学的な部分においても最先端の配慮が加えられたモデルであるからこそ運転しやすく(言ってしまえば現行エクスプローラーと同様以上のモノが味わえる)、またドアミラーから死角となりやすい部分にはブラインド・スポット・ミラーが組み込まれており、リバースに入れればリアビューカメラが作動、ソナーによる障害物警報などもあるから、こういった至れり尽くせりの装備に慣れれば、それこそスマートドライビングが可能である。
MKXは、CUVということで、ナビゲーターほどの重量感なく軽快に、それでいて街中から高速までを大人5人乗せて移動するには適切な装備を備えており、かつ人々が憧れる理由が分かるほどハイセンスな雰囲気に満たされている。この夏、夜の街に繰り出すのにもってこいな1台に違いない。
シート表皮には全車ブラックのプレミアムレザーが採用される。快適装備も万全で、シートヒーターが全席(後席中央除く)に奢られる他、フロントシートにはクーラーも内蔵。もちろん運転席には、ドラポジを記憶するドライバーメモリー機能が備えられる。
後席の足下の広さは特筆ものであり、大人3人が乗っても十分なスペースを誇る。
ラゲッジスペースは通常時でも915リッター、最大で1945リッターの容量を確保。後席は6対4の分割可倒式で、荷室側のスイッチでワンタッチ格納できる。また、パワーテールゲートも全車に標準装備で利便性も高い。
国産車のカメラカーを運転した後にMKXに乗ると、国産車の薄っぺらい感じに愕然とした。と同時にMKXの骨太さとオブラートに包まれたように路面をいなす乗り心地の良さに驚きを感じる。
大阪の中心地近くに位置するフォード大阪平野店は、広大な関西圏全土にまたがる管理ユーザーを支えている。そんな関西圏でもリンカーンの人気は高く、認定中古車の物件情報を掲載すると右から左に売れていくという。
新車として販売されたクルマの下取りとして入庫してきた車両が認定中古車となるわけですが、プレミアムブランドとしてのリンカーンは、さすがにフォード車ほどの販売台数はありませんから、当然認定中古車としての数も少ない訳です。そういう意味ではレアですから、待ちわびている方々が多ければ、それこそほんとに右から左です。関西圏では特にリンカーンは人気です。
それに、もともとのクルマ自体の完成度が高く、さらにフォードによる徹底的な整備&チェックが入る訳ですから、リンカーンといえども輸入車として恐れることはありませんし、マイナーなトラブル等の確率もきわめて低くなりました。そういう意味では余談ですが、SUVのナビゲーターもタマが少ない分、本当に良く動きますよね。
リンカーンはフォード車よりも価格が高く、数は少ないが、特有のファンによって支持されているという。フォード車を一通り味わった後にリンカーンに触れてみるのも悪くないだろう。リンカーンならではのハイセンスにきっと驚き、満足するはずである。
フォード車やリンカーンブランドに関する、関西圏ならではの特徴を説明してくれた佐々木マネージャー。認定中古車に関する適切な情報やアドバイスを常に与えてくれる。
認定中古車は、ディーラーならではの技術と質を兼ね備えた整備スタッフによる点検&整備を受けた後に納車される。
フォード大阪平野店
住所:大阪市平野区喜1-6-41
電話番号:06-6701-8600
営業時間:10時~19時
サービス受付時間:10時~17時
定休日:火曜日
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