作業工場で見ていた風景とはまた違った外ロケでは、改めてバイナルグラフィックスの良さを発見したのである。デザイン的なインパクトやマスタングとの組み合わせに関しては、オーナーさんの満足度こそが重要ではあるが、何よりインクジェットプリンターで印刷された発色の良さは特筆ものだった。
パッと見、シートとは思えないような色の深みと派手めなデザインがマスタングコンバーチブルによく似合っている。
一方、ブラックのコンバーチブルに硬派な印象を漂わすコブラジェットのシートもよく似合っていたのである。とはいえ、マットブラックのフィルムは、インクジェットプリンターとはまた違い、光の当たり方によっては薄くしか見えない。
超ド派手なオリジナルのコブラジェットのデザイン写真を見ていたから、マットブラックではかなり薄味かも、とも最初は思っていたが、否。逆にその光による見え方の違いが、カスタマイズによる新しい手法とでも言おうか、派手めのデザインに陰影をつけて魅せるという、斬新な手法によりまた違った印象を与えてくれたのである。ひと言、かなりシブい仕上がりだった。
「しばらく両方のデザインを生かしておいて、のちにどちらかに絞ります」ということだが、マスタングコンバーチブルは硬軟どちらのデザインも似合ってしまうから、絞るのは難しいのではないか。
とはいえベースマスタングは、ホイールをブラックにしたり、テールランプをスモーク仕様にしていることから、最終的にはマットブラックのコブラジェットを活かすのがお似合いなのかもしれない(筆者的な印象)。
バイナルグラフィックというと、どうしても痛車のような派手なデコレーションを思う浮かべてしまうかもしれないが、それ以外にも現代版のマッスルカーに使用されているオリジナルデカールのリニューアルや本国モデルのストライプ仕様へ、もしくは本国レースカー仕様へのモディファイ等なんかにも使えるし、そういったものを日本人の技術力で再生&製作するほうが、逆に質が上がったりする場合もあるだろう。
今回のような技術を駆使すれば、どこぞで見たデザインを自分にクルマにフィットさせたいとか、旧車のデカールを再生し貼り直したいとか、ダッジラムトラックに「スーパービー」のステッカーを製作し貼ることだってできるだろうし、派手めなグラフィックだけじゃなく、ちょっとしたステッカーチューンの延長線上的な使い方だって可能だろう。
そういう風に考えれば、「バイナルグラフィック=派手なカスタマイズ」だけではないし、リニューアルやステッカーチューン的な使用意識を高めてくれたことが逆に新鮮であり、収穫の多い取材だったのである。
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