この型のカムリは2017年に登場した通算10代目モデルだが、この型の販売の中心はアメリカ本国であり、だからデザインから搭載エンジンに至るまで、すべてはアメリカ向けに設えられている。
それが証拠に、日本でのカムリの発売は2024年いっぱいで終了とも言われている=それほど売れていないという意味だ。
余談だが、2021年の日本の販売台数は9000台未満。一方で同年のアメリカでの販売台数が31万台超ということだから言わずもがなである。
ある自動車評論家さんに言わせれば、「アメリカ的なデザインが日本人には合わないのだろう」ということだが、逆に言えば、アメ車ファンにはそのアメリカ的スタイルがウケるとも言えるのかもしれない。
ということで2021年型トヨタUSカムリを取材した。走行1万3300キロの中古車である。
早速個体を見るが、一目見てわかるハードな雰囲気。聞けば、グレードは当時のトップグレードたるTRDであるということで、ボディ内外装にTRDの加飾が与えられている。
それにしても近年のトヨタデザインは秀逸である。タンドラ&タコマもそうだし、シエナもそうだが、各モデルの統一感と質感、そして迫力が伴ったデザインは物欲を刺激する。
くわえてカムリのUS仕様には、日本のラインナップにはないV6エンジンが搭載されており、それを8速ATで操ることが可能である。TRDにはスポーツモードとパドルシフトが備わっているから、よりダイレクトなシフトが可能になる。
ちなみにその3.5リッターV6エンジンは、301hp、最大トルク267lb-ftを発生させるから十分なパフォーマンスと言えるだろう。
さて、このUSカムリの最大のポイントがTRDであり、レーシングテクノロジーベースの空力ボディが実現されている。
フロントスプリッター、サイドエアロスカート、トランクリッドスポイラー、リアディフューザーを含む空力ボディキットは、サーキットのみならず、高速走行時の車両の安定性を向上させる。
スポーツメッシュインサートとブラックの外装バッジを備えたグロスブラックのフロントグリルを装着しているが、ミッドナイトブラックメタリックルーフを備えたツートーンのボディカラーによく似合っている。
また、特徴的な赤色のピンストライプ、赤色に塗装されたブレーキキャリパー、赤色の「TRD」バッジ、ポリッシュ仕上げのステンレススチール製TRDエキゾーストチップが、USカムリのエクステリアに華を添えている。
一方サスペンションは、TRDの調整により車高が0.6インチ低くなり、重心が下がり、よりアグレッシブなスタンスを実現。より硬いコイルスプリングとスウェイバーにより、ロール剛性がフロントで44%、リアで67%向上しているという。
同時にTRDのショックと235/40R19インチタイヤがボディコントロール、ハンドリングの機敏性、ステアリングの精度を向上させるという。
ブレーキもノーマルの12.0インチローター&シングルピストンキャリパーから12.9インチのローター&デュアルピストンキャリパーにアップグレードされているから止まる性能にも抜かりはない。
インテリアにおいては、TRDにより、赤いアクセントと赤いステッチのTRD刺繍ヘッドレストが付いたフロントシートが装備され、本革巻きステアリングホイールにも赤いステッチが施され、シートベルトも赤に変更。TRDロゴをエンボス加工したシフトノブ、TRD独自のフロアマットとトランクマット等にも手が入っている。
ということで実車だが、そのオーラというかカッコよさは筆舌に尽くしがたい。まずは中古車としてのコンディションが非常に良いのが素晴らしい。ドライバーズシートとステアリングに若干の使用感はあるが、それ以外内外装に瑕疵はまったくない。
また、アベカーズ多摩ガレージには、この個体以外にもUSトヨタ車の販売中古車を展示しており、そのどれもにおいてUSトヨタ専用の電子デバイス「テックストリーム」にて状態チェックを行っているというから安心感が非常に高い。
これまた余談だが、最近も某埼玉の輸入車販売業者が倒産していたが、とにかく自社で売ったクルマの面倒が自社で見れない販売店が多く存在するなかで、アベカーズ多摩ガレージにおいては自社で扱う全ての車両の点検が可能な電子デバイスとメカニックを有しているから、購入後のアフターに関して不安を感じている方であればあるほど、オススメなショップである。
で、そんなショップが販売している2021年型トヨタUSカムリTRDは、他店ではあまり見かけることがないようなレアな存在である。が、それこそ個別の希望を満たす並行輸入車の醍醐味かつ最大の利点と言えるだろう。
くわえて販売しているのが、USトヨタの正しい整備が可能なアベカーズ多摩ガレージであるのだから素晴らしい。
最後に店外をしばらく走らせてもらったが、その際のメカニックの言葉が非常に印象的だった。
ちょうどその日、USホンダのCR−Vの納車日だったのだが、「日本に数台とか一台とかしかないような個体でも日本全域に範囲を広げれば欲しいと思っている方がいるんですよね。きっとこのカムリV6を欲しいと思っている方もいるはずです」
日本仕様とは一線を画するカムリUS仕様には、本国仕様のみが持つ圧倒的な魅力が備わっていたのである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES