滋賀県唯一のフォード正規ディーラーであるフォード新滋賀にて2013年モデルのマスタングV8と2012年型の同形を借り出し両者の違いを比べてみた。これにより2013年型としてリニューアルされた箇所が一目瞭然。進化の度合いが確認できたのである。
2013年型の特徴としては、エクステリアを刷新し、新機能・装備を追加、さらにパワートレインも一部改良し、よりエキサイティングなパフォーマンスを楽しめるマスタングへと進化させているのである。
2012年モデルからより一層精悍さを増したフロントマスクには、アグレッシブな存在感を強調するグリルとバンパーが与えられ、迫力とモダンな表情を生むHIDヘッドランプ/LED採用のシグネチャーランプを標準装備。さらにエンジンフードには、ボディ同色のエアベントが刻まれる(V8モデル)。
一方リアには、新たな意匠を与えられたLED採用の3連リアコンビネーションランプやリアバンパー、またブラックアウトされたデッキリッドが装備され、リアビューを一段とシャープな印象にすることに成功している。
3連リアコンビネーションランプは、夜間走行において、ひと目で「マスタング」であると分かるアイコン的役割を果たすのである。
ちなみに余談ではあるが、これらエクステリアにおける変化・進化は、本国フォードからリリースされているシェルビーGT500(正規輸入されていないが)とボディデザインがほぼ同一になったということを意味しているのである。
マスタングのインテリアには、初代モデルから受け継ぐレーシング・スピリットと、プレミアムな上質感を共存させていることが特徴であり、中でも特徴的なのが左右対称・水平基調のインパネ。
スポーティな丸型メーターを配したメーターパネルに伝統の薫りを残しながらも、左右対称のスイッチ配置で機能的にデザインを刷新したセンタースタック、ロック機構付収納を持つセンターコンソールなどをスマートに融合させている。
素材や質感も格段に高くなり、インパネ全体のソフトな手触りが、車内空間に上質な洗練性をもたらしている。
また、メータークラスターデザインが変更され4.2インチLCD(液晶カラーディスプレー)インフォメーション・ディスプレイが配置されたことで、Track Apps (トラック・アップ)が新装備として新たに追加されている。
これは、ステアリング上の5Wayコントロールスイッチで操作可能な装備であり、マスタングが発揮する様々なパフォーマンスを計測し表示することが可能である。
たとえば、「Accelerometer」とは、車両にかかるGフォースを計測すること可能であり、「Acceleration Timer」とは、0〜60mph加速など設定速度への到達タイムや、0〜1/4mileなど設定距離の走行タイムが計測可能である。
また、カウントダウンツリーをインフォメーションスクリーンに表示することもできるのである。さらに「Brake Performance」は100〜0mphなど、高速走行からのブレーキングタイムが計測できる。
これらTrack Appsの機能は、安全が確保されたサーキットなどでのスポーツ走行時に使用することが前提だが、パフォーマンスカーを楽しむ上での新たな装備として考えると大変ユニークであるし、興味深い。
こういった追加装備の他に2013年モデルは、若干のパワーアップを果たしており、DOHC4バルブ、5.0リッターV8エンジンは426psへと進化している(2012年型までは418ps)。いわゆるマスタング史上最強ともいえる最高出力426ps/6500rpm、最大トルク53.9kg-m/4250rpmを実現しているのである。
このエンジンに組み合わされるミッションも進化し、2013年モデルでは、セレクトシフト・トランスミッションを新たに採用することで、シフトレバーに装着されたサムシフト・スイッチを操作し、マニュアル・モードでの走行を楽しむことが可能となっている。
伝統のロングノーズ&ショートデッキデザイン、3連リアコンビネーションランプ、ボディサイドのCスクープなど、初代モデルから受け継ぐマスタングの誇りを上手く現代的に調和させ登場した現行マスタング。
上記の変化・進化を加えたことで、完成度をより一層高めたとともに、現行最終モデル&最強モデルとして歴史に名を残すのである。
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