真っ直ぐに延びる荒野の道をひた走るシルバーに輝くクラシックなトラベルトレーラー、アメリカに慣れ親しんだ者なら誰もが思い浮かべられる光景だ。そのトレーラーこそ、エアストリーム。
1931年創業の老舗で1970年代の末には現在のシェイプを完成させ、以来アメリカンアイコンとして君臨し続けている。そして荒野の一本道とはいかないだろうが、その光景を再現し人生を謳歌することは、日本においても難しいことではない。
なぜなら、エアストリームジャパンが存在するのだから。もちろんエアストリームを楽しむにはけん引免許が必要で、それには15万円ほどの費用と12時間の自動車教習所講習、もしくは1回6550円の試験を受けることになる。これをクリアすれば、大きな障害は残っておらずヘッド車がアメ車であればさらにそのハードルは低くできる。
エアストリームはクラス3のヒッチレシーバーとトレーラー・ブレーキコントローラーを必要とするが、アメ車のフルサイズのSUVやピックアップならばクラス3のヒッチレシーバーは大抵の場合スタンダードであるし、トレーラー・ブレーキコントローラーも純正オプションで用意され、さらに最近ではトレーラー・スウェイコントロールもスタンダードとされているケースも多い。
またミニバンやクロスオーバーモデルでもオプションでトーイングパッケージが用意されている場合が多いので選択肢が広く、ヘッドカーを選ぶのも楽しみとなるだろう。
実際に免許を取得しても運転に不安があれば、エアストリームジャパンでは手厚いアフターフォローを用意している。納車時の説明はもちろん、市内一周の同乗指導を受けられるし、オーナーが希望すればエアストリームでの初キャンプにスタッフが付き添ってアシストする「スタッフと一緒に納車キャンプ」サービスもアフターフォローの一つとして用意されている。
キャンプをしながら運転レクチャーだけでなく、キャンピングカーの使い方やキャンプ場やパーキングエリア等の施設利用方法まで付きっきりでアドバイスを受けることができる。
これは販売してお終いではなく、エアストリームオーナーとなった方へ「安心」と「安全」と「楽しさ」を提供し続るという企業理念に基づいている。
そのために、エアストリームジャパンでは輸入時に水漏れやガス漏れからハブベアリングやブレーキの点検など99項目に渡り、整備をした上で800kmにも及ぶ距離を実走しながら繰返し点検を行う500マイル走行テストを1台1台実施している。それもこれも、エアストリームのファンを増やしRVシーンを盛り上げる一助となって、トラベルトレーラーで旅することが日本でも当たり前になって欲しいという一心からだ。
それでは肝心な話、一体いかほど用意すればエアストリームのある豊かな人生が送れるのかザックリで構わないからと無理に問えば、中古で600〜1200万円前後、新車で800〜1600万円前後とのこと。さらに米国内でここ10数年続くのRV需要の上昇傾向に併せて車両のベース価格も上がり続けているという。
中古と新車で価格差が思いのほか少ないのは他メーカーと異なりボディがメタル製で耐久性が非常に高く、さらには破損したとしてもボディの完全な補修が効くからだという。
実際、エアストリームジャパンには補修用のシートメタルまで充分にストックされ、アメリカ本社でリペアの研修を受けた認定スタッフも抱えている。ならば新車が良さそうだが中古にしかないレアなモデルもあり、悩みは尽きないかもしれない。
コロナ禍で2021年以降のフラッグシップとなる23ft モデルの到着が少々遅れているが、そんな状況下でも豊富なモデル&グレードラインナップを誇るエアストリームジャパン。ここではそれらのラインナップの中から、今春注目の4台をご紹介する。
'21 Bambi 16ft
価格:895万円(税別)
その名の通りバンビは小型軽量モデル。16/19/20/22ftをラインナップし、就寝定員は最大4人。モデルによりベッドをリア、コーナー、フロントに装備する。⬇︎
'12 Eddie Bauer 27FB
中古販売価格:1530万円(税別)
ストックの27ftエディー・バウアー コラボレーションモデル。リアにハッチが装備され、インテリアのソファはフォールディングタイプとなっていてトイホウラーのように使える。このナローボディは世界に7台のみ!
'21 23ft.Models:
Flying Cloud
International
Globetrotter
日本向け現行最大モデルとなるフラッグシップの23ftモデル。フライングクラウド、インターナショナル、グローブトロッターと3グレードをラインナップする。※ 内装写真の画像はイメージです。
エアストリームに憧れ、日本で初めてエアストリームのナンバー登録に成功し日本専用のトラベルトレーラーエアストームを正規輸入した男、田中孝一とは一体どんな人物なのか。当時の話を聞き、その人物像に迫ってみた。
元はタイヤショップからスタートしたエアストリームジャパンの代表、田中孝一氏。やがて4WDショップへと変革し、その頃で唯一車検取得可能だったフランスベッド製のトラベルトレーラーを手に入れる。
ただし、これが芳しくなく、関係のあるインポーターがイギリス製バイキャントを輸入し、それを入手すると雲泥の差。だがそれでも物足りなくなり、より大きなモデルを求めるも当時は車検取得が難しかった。
そこで自ら製作しようと先ずはハイラックスやダコタ、K1500をベースにクラスCモーターホームをアメリカで製作し販売を開始。しかし、これらは車体の故障も多く、やはり好きだったトレーラーに絞ろうとアメリカ製スコッティを導入し始めた。
「エアストリームは知っていたんですけど、アレはなかなか車検を通せないんじゃないかと思って。僕はとにかくナンバーを付けて走りたいっていうのが最大の目的だったので」。
そしてこれの車検が取れたことで自信が付き、いよいよエアストリームに着手する。当時は直前まで他の会社が代理店となっていたがちょうど契約が切れたところで、福島のキャンプ場が10台を導入する入札を勝ち抜いてエアストリームから専売権を得たという。
「ただエアストリームの25ft 以上は幅が広過ぎて車検に通らなくて、ナローボディを作ってくれって言ったら50台買うならいいよって(笑)。それを粘りに粘って10台にしてもらって、世界でもウチだけの25ft以上のナローボディ・エアストリームが誕生したんです」。
現在はコロナ禍で日本向けの生産は23ft以下に限られるが、新座駅近くにエアストリームジャパン・アーバンキャンプベース計画もあり、その手腕の鋭さは増すばかりだ。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES