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今もダントツ人気のアメリカンSUV vol.2

キャデラック エスカレード & リンカーン ナビゲーター vol.2 (CADILLAC ESCALADE & LINCOLN NAVIGATOR)

程度良好の中古車減少注意報発生中

エスカレードと比較すれば叶うはずもないが、それでも日本市場においていまだ圧倒的人気を誇るナビゲーター。人気の秘密は、中古車価格の安さだけではないのである。

更新日:2013.01.16

文/石山英次 写真/田中享

取材協力/インポートカーグローバル TEL 0963607800 [ホームページ] [詳細情報]

現行型よりも旧型モデルの人気がいまだ高い

 リンカーンナビゲーターといえば、自動車業界的には2007年以降に登場している現行型を指すに違いないが(第三世代)、アメ車業界的にいえば、ナビゲーターといえば2006年までの第二世代までのモデルと相場が決まっている。

 第三世代、通称鉄仮面と呼ばれる現行モデルは、それこそ至れり尽くせりのラグジュアリー鉄板モデルに違いないのだが、実はアメ車業界的にはかなりの不人気モデルと言われている(ライバルとなるエスカレードに販売面でまったく太刀打ちできずという意味で)。

 個人的な意見だが、恐らくスタイリング的な影響が強いに違いない(アバンギャルド過ぎる?)。それと搭載されているエンジンが第二世代の5.4リッターV8から変わっていないこと(6ATも同様)。つまり、メカニズム的な大幅革新がなく、スタイリングの良さが分かりづらいとなれば……、ということである(エスカレードに流れてしまうだろう)。

 ということもあってか、実はナビゲーターに関しては旧型モデルの人気がいまだ絶大なのである。ショップによってはいまでもナビゲーターの出物を探し続けているというし、取材させてもらったグローバルなどは常に在庫車を持つようにしているというほど、引き合いが強い車種であるという。すなわち、現行エスカレードにタメを張るくらいの人気ご長寿モデルなのである。

 「おそらく、ラグジュアリーSUVとしての評価は、初代の爆発的人気があったこともあり、エスカレードよりも高いと思いますね」

 「ラグジュアリーSUV」というカテゴリーがまだない時期に登場した初代ナビゲーターの人気があらゆるメーカーに火をつけ、それ以降の爆発的な人気を呼んだことはいまさら語るまでもないだろうが、その「ラグジュアリー=ナビゲーター」というイメージは、今も引き続き語り継がれ、そのイメージが強く生きている。だからこそ、いまだに旧型モデルの指名買いが続くのであろう。

98年型として97年の夏にリリースされた初代ナビゲーターは、高級SUVの「元祖」として歴史に残る1台である。現存する優良な個体は、日本にはもうほとんどないと思われるが、仮にもし見つけたならば、一度乗ってみることお勧めする。

2007年に登場し、2008年から正規輸入が始まった現行型ナビゲーター。キャデラックエスカレードに続き、正規輸入された2台目のフルサイズSUVとになる。仮面の騎士を思わせるフロントマスクに賛否両論あるも、インテリアを含めた、いわゆるモダンリッチといわれる独特なデザインや室内空間は特筆ものである。

第二世代に搭載されるエンジンは5.4リッターV8DOHCエンジン。初代に搭載されたエンジンの進化版である。300hp、最大トルク48.9kg-mを発生させる。03年登場時はこのエンジンに4ATを組み合わせていたが、05年モデルからは6ATと組み合わされている。

ナビゲーターのベースはエクスペディションであるが、それはあくまでベースとしてだけで、デザイン、装備、メカニズムに関してはまるっきり異なる。特にエアサスに関してはリンカーンのコダワリとして他を寄せ付けない極上の乗り心地を提供してくれるのである。

保守的なデザインに革新のメカニズム

 取材させていただいたナビゲーターは2006年型。この第二世代のナビゲーターは2003年から2006年までの4年間生産されたモデルであり、初代からメカニズム的にも進化を受けた人気モデルである。

 初代からの変化としてボディデザイン的には「キープコンセプト」。本国でもとにかく売れたモデルだけに、そのイメージを大きく変えることはできなかったのだろう。フロントマスクでいうなら、グリルの幅が上下左右デカくなり、見る者に威圧感を与えるようになった。それでもリンカーンとしての品格を感じさせるし、エスカレード比較するとまだまだ保守的と言えるものではあった。

 だが一方で、メカニズムは別物といってもいいくらいに進化している。ボディ構造が見直され、足回りは形式から変更された。それまでのリジッドアクスルだったリアサスはフロント同様独立化され、4輪独立懸架となった。しかも、ステアリング形式にはラック&ピニオン式を採用。まるでパッセンジャーカーのようなレスポンスを可能としたのである。当時のGM系、クライスラー(ジープを含む)系よりも一歩先ゆく技術投入に多くの人々を驚かせたのだった。

 さらに極めつけのエアサス。ラグジュアリーSUVらしいゴージャスな乗り心地を提供してくれたのである。

 またホスピタリティも徹底されていた。取材車輌のグレード「アルティメイト」ではパワーリフトゲートやパワーフォールディングサードシート、パワーランニングボードとあらゆる機能が自動化され至れり尽くせり。それまでの「SUV=トラックの延長」と思われていたイメージをナビゲーターはことごとくぬぐい去ったのである。

 保守的なデザインに革新的なメカニズム、それらすべてをもってナビゲーターはラグジュアリーSUVナンバーワンの称号を得たのであった。

デビュー当時はヨーロピアンテイス漂うインテリア、ミッドセンチュリー的なデザインセンスに脱帽、みたいなコメントをした覚えがある。質素を旨とするアメ車からは考えられないセンスの良さだった。というか、リンカーンブランドならではだったのだろう。そういう意味では、バタ臭いこの時代のキャデラックとは比較にならない良質な空間デザインである。

センターコンソール中央のオーディオ部分にはフルカバーが装着されており、使用しない場合は隠せるようになっている。6段ATはフロアシフトであるが、初代ナビゲーターはコラムシフトだった。

取材車輌は7人乗り仕様となり、セカンドシートは2名掛け。センターには大きなコンソールボックスが備わる。

エアサスこそリンカーンのこだわり

 この第二世代のナビゲーターは、初期型においてはすでに10年ものとなり、中古車購入時に注意するポイントも多くなる。特にエアサスに関しては、トラブルが起こったときの修理代が高くつくことを頭に入れておくべきだし、出来るならそういった部分にも精通しているプロショップでの購入をお勧めする。

 グローバルで取材させてもらったタマに関しては明らかにコンディションが良好だっただけに(エアサスが良好なナビゲーターに久しぶりに乗ったがホントいいわ)、乗れば確実に満足できるだけの性能は保証する。コンディションさえ良ければ、中古車と言えどもまだまだ十分にラグジュアリーSUVを語れるだけの性能を感じさせてくれるのである。

 ちなみにナビゲーターのエアサスにトラブルが起こった時に回避方法として、エアサスを殺してしまうという方法もある。が、もちろん、そういった方法を適用することも大いに結構だが、「エアサス=リンカーンのこだわり」を取ってしまうわけだから、ある意味ベースとなるエクスペディション(ナビゲーターのガワを着た)になってしまうことは頭に入れておくべきである。

 年々程度良好の物件が少なくなっているが、中古車価格が比較的安価ということもあり、2013年も引き続き注目の中古車としてマークすべき1台である。

サードシートはスイッチひとつで簡単に折り畳みが可能である。リアサスペンションにダブルウイッシュボーンを採用したおかげで、サードシートを折り畳んだ時にフルフラットになるようになった。

第二世代のナビゲーターから、電動仕掛けの装備が多くなっている。SUVでは初となるパワーリフトゲート(リアドア)にパワーフォールディングサードシート、ドアを開けると自動的にスライドして出てくるパワーランニングボードなどである。

<関連記事>
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