更新日:2015.03.05
文/石山英次 写真/古賀章郎
先日取材した際に、2005年に登場した現行マスタングの初期モデルに試乗することができた。あくまで取材の「ついで」だったので、時間をかけて試乗や撮影をしたわけではないのだが、結構インパクトがあり脳裏にこびりついている。
そのマスタングは初期型なので4.6リッターV8エンジンを搭載し、304ps、最大トルク44.2kg-mを発生させる。最新モデルが5リッターTi-VCT V8エンジン搭載で412psを発生させるから、今となってみればスペック的にはショボイ。約100ps低い。ついでに言うと、新型カマロのV6が、2011年型スペックで308psなんで、それにもすでに負けている。そういったスペック諸々を知っていたが、マスタング私設応援団としては久々に乗ってみたかった…。
まず思ったのがシフトの節度感がイマイチ足りず、何速に入れているのか実感が涌かないこと。とりあえずDレンジに入れっぱなしにするにも、最初のDへの移動にもたつく。それでも一度入れてしまえば、まったく不満はないが。ステアリングは意外にも軽く、現行型を知っている身にとっては「こんなだっけ〜」というもの。まあそれでも、走ってしまえばこれまた問題ないが。
肝心のエンジンだが、304psといえども、普通に走っている限りでは、パワー不足なんて微塵も感じないし、盛り上がりに欠けることもなく、結構いい音させて走ってくれる。吹け上がりやレスポンスは、最新のシェルビー等にはまったく叶わないし、逆に重ったるいが、緻密な印象もあり、意外にも面白い。その昔、「この型のマスタングはMTに限る」なんて自分で書いたことを思い出した!
アメ車好きとして、技術的な進化や洗練に異議を唱えることはまったくないのだが、個人的な趣向としてはちょっと古めの機械が好きだったりする。最新の、路面の凹凸に負けない強靭なボディを認める一方で、その凹凸に対してちょっとドタバタする方がどうしてもアメ車らしい、とか思ってしまう自分がいるのだ。だからこそ、カマロ、チャレンジャー、マスタングという新世代マッスルカーの中で、一番速いのがカマロ、一番カッコいいのがチャレンジャー、そして一番楽しいのがマスタングという個人的な評価になってしまうのだが。
マスタングが古くさい、というわけでは決してないのだが、マスタングにはちょっと古めのアメ車好きの感情を鼓舞する何かが宿っているような気がする。だからこそ、ベンツやBMWに乗っていた人がカマロに乗ってもあまり驚かないのに対し、マスタングに乗ると驚くのだと思う。ちなみに、たとえばサードカマロやトランザム、C4コルベット辺りの年代のアメ車に乗りたいのだけどタマが見つからないとか、いろいろ不安があるとか、そういった年式ゆえの問題にお困りの方は、初期型のマスタングにも目を向けてみると楽しいかも! そんな気がするほどオールドテイストです。
>> 初期型マスタングV8の試乗記を見る
>> 初期型マスタングV6の試乗記を見る
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