2014年型として登場した新型タンドラが話題だが、今回のモデルチェンジはあくまでも『ビッグマイナー』チェンジであり、全面刷新の『フル』モデルチェンジではない。
2014年型における主な変更部分は、ヘッドライト&テールレンズといったエクステリアデザイン、内装、パッケージなど。つまり確実に変わったのは見た目のみで、エンジンやミッション、足回りといった機関部分に関しては基本的にはキャリーオーバー。顔つきが変わったので『変わった感』はけっこう大きいが(ここが重要というオーナーは多いかも)、中身はそれほど変わっていないというのが真相である。
でも、ホントにそうなのか? ということを検証するために、今回改めてマイナーチェンジ前の2011年型に試乗してみた。ちなみに新型については先月日本に輸入されたばかりのSR5の新車を取材したばかりなので、感覚は新鮮な状態でしっかりと残っている。
今回試乗した車両は2011年型トヨタタンドラ SR5 ダブルキャブ 5.7 V8。駆動方式は2WD、荷台はスタンダードベッドという仕様。新車並行輸入車で、走行距離はわずか2000kmという。
先に取材した2014年型は、グレードやエンジンは同じだったがクルマックスの4WDだったので、全く同じ仕様での比較というわけにはいかなかった。しかし、クルーマックスもダブルキャブも全長は同じなので、ドライバーズシートに座って運転する限りは大差なし。また、駆動方式の違いによるドライブフィールの違いは、これまでの経験に照らし合わせて補正出来るので問題なし。
搭載されるエンジンは5.7リッターV8DOHC。381hp/5600rpm、最大トルク55.5kg-m/3600rpmを発生させる。これに6速ATが組み合わされる。
インテリアの質感は、新旧ともに高いレベルにあるが、新旧で言えば、好みとも言えるレベルの違いが存在するので注意が必要である。意外にも旧型の方がオリジナリティが高いということで人気があるというのである。
取材車はSR5であったが、キャプテンシートのフロアAT仕様である。SR5には、ベンチシート+コラムシフト仕様が選べるために、そうした中古車がかなりの台数あるといわれている。
新型と比較するとリアテールやベッドのゲートの形状が違うが、それ以外に大きな違いはない。ちなみに、旧型から新型に乗り換えた場合、テールの形状が違うために、ベッドカバーを流用することはできないから注意が必要である。
この2011年型タンドラに搭載されているエンジンは、5.7リッターV8。381hp、最大トルク401lb-ftを発生させ、大柄なボディに対しても過不足ない走行性能を実現している。エンジンに関しては、2014年型になっても変わらないため、これから中古車を手に入れるユーザーにも嬉しい話である。
全体的な走行フィールに関しては、若干リファインされているとも言えなくはないだのが、かなりの時間をかけて両車を乗り比べなければ分からない程度。少なくとも走行性能に関して言えば、大きな進化は見られないというのが本音である。
どうしても新車を手に入れたいというのであれば、必然的に2014年モデルということになるのだろうが、そうでなければ積極的に中古車を狙うのもありだろう。
で、そういう場合に注意すべきことが2点ある。まず、取材車のように「SR5」を選ぶ場合は、モノによっては「ベンチシート&コラムシフト」の車両があるので頭に入れておくべきである。人によっては、あえて「ベンコラ」が欲しいという希望も多いらしいので、じつはかなりの台数が日本に入ってきているという(2013年までの「ベンコラ」にサンルーフ付きの仕様が超人気だったが、2014年モデルからは「ベンコラ」仕様でサンルーフの組み合わせが不可になっている)。もちろん、取材車のようにフロアシフトのSR5もある。
もうひとつが、タンドラで人気なクルーマックスについてである。クルーマックスの全長は5810ミリで、キャビン(室内)が広くてセカンドシートの足下のスペースは、フルサイズセダン以上かと思わせるほどの大きさを誇る鉄板オススメ仕様である。しかもセカンドシートはスライドしてより足下スペースを広げることが可能だから、大人4人が快適に移動出来る以上のスペースがあると思っていい。
だがこのクルーマックス、2014年モデルからセカンドシートのスライド&リクライニングが出来なくなっているから注意が必要。2013年までのモデルはスライドもリクライニングも可能だから、この部分に関してはマイナーチェンジ前の方がお得かも? とも言えなくはない。
SR5の標準仕様はファブリックシートである。一番下のグレードとSR5のみ、ベンチシートがセレクト可能ということで、あえてトラックに乗るならということで、「ベンコラ」仕様を選ばれる方も多いという。
取材車はダブルキャブ+標準ベッド仕様ということで、リアの居住空間が気になるところではあるが、それでも広大とはいわずも、大人が座れるだけのスペースは有している。
ダブルキャブ仕様は、リアドアが小さくなっている分、乗降性等、扱いやすい部分もある。あと一番大きな違いは、スタイル全体の見栄えである。
一方取材車両は、ダブルキャブの標準ベッド仕様で、全長はクルーマックスと同じ全長は5810ミリ。つまり、全長が同じなのに、キャビンの大きさが違うということは、要するにダブルキャブのベッドがクルーマックスよりも長いということ。
すなわち、キャビンが小さめでベッドが長いので、全長は同じでもダブルキャブはクルーマックスよりも長く見えるということである。ということから、ダブルキャブの方がスタイリッシュでカッコイイという人もいるというわけである。
同じくダブルキャブは、クルーマックスと同じ4ドアだが、リアドアはクルーマックスよりも小さいし、キャビンも若干狭い。その分ベッドが長くなる。
ただ、ピックアップトラックとして考えた場合、スタイルのバランス的にはダブルキャブの方が伸びやかとも言える。スタイルに関しては人それぞの好みの問題だが、購入時の予備知識として違いは知っておく方がいいに決まっている。
新旧タンドラの違いを簡単に検証してみたが、結論としては、2014年型でのビッグマイナーは、スタイル以外はほとんどマイナー前と大差なし。また、日本市場でクルーマックスが人気なのは相変わらずだが、クルーマックスのキャビンについては、2013年モデルまでの方が使い勝手が良好。という事で、『新車』にコダワリがないのであれば、程度の良い中古車を購入して、差額分をカスタムに回すという選択肢はかなりお勧め。また、同様に中古車マーケットでも価格差を考えれば、全長が同じでベッドがやや長いダブルキャブという選択肢もあり。といったところだろうか?
2011年型のダブルキャブ+標準ベッドの組み合わせ。下記クルーマックスとはセカンドシート以降の形状&サイズが異なっている。
2014年型のクルーマックス仕様。ベッドはダブルキャブの標準ベッドよりも短くなる。
<関連記事>
>> 2014 トヨタ タンドラ (TOYOTA TUNDRA) vol.1 を見る
>> 2014 トヨタ タンドラ (TOYOTA TUNDRA) vol.2 を見る
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