更新日:2010.07.10
文/編集部 写真/編集部
FJ40系のデザインをモチーフに生まれたFJクルーザーとミニ・ハマーH2として誕生したH3。どちらもエクステリアに「個性」を感じさせ、オーナーに満足感を十分与えてくれる。そういう意味では、アメ車云々関係なく、両者ともに「輸入車」として魅力的な存在といって良いだろう。
だがしかし。実際にドライブするとその違いは歴然だった。それはどちらかが「速い」とか「遅い」とかいった類のものではなく、ドライブしたときにドライバーが感じる質感そのものの差が、2台には確実にあったのだ。両者を並べて競争すれば、明らかにFJクルーザーの方が速い。だが、その速さにあまり感動しない。シフト操作も楽にキマリ、ブレーキも軽〜いタッチで何事もなかったようにスピードを殺す。アクセルペダルも軽く、だから時には必要以上のスピードが出てしまい、アクセルとブレーキペダルを忙しく操作しなきゃいけないことがたびたびある。
でもそれは、たとえば日本車を運転している感覚と同一であり、いわゆる輸入車に共通する「重さ」に慣れている人間にしか感じない「軽さ」ではあるのだが、H3と並べて走らせると、FJが妙に軽薄な存在に思えて仕方ない。いわゆるトヨタ的なのである。一方H3は、何もかもがシッカリしていて、それこそ魅力的なスタイリングとマッチした走りの質感を備えていた。低速での勝手は圧倒的にH3だ。
このトヨタ的な軽さと魅力的なスタイリングでFJを選ぶ方も当然いるだろう。だがアメ車好きなら、間違いなくH3を気に入るに違いない。アメ車でなければ味わえない「愉悦」が、価格差以上にあるからである。最後に、取材に協力してくれたウイングオートのスタッフにも、今回の対決について聞いてみた。お店としては、H3とFJをライバルとして捉えているのでしょうか?
「う〜ん、難しいですよね。単純なクルマの大きさだけでいえば、そういう考えもあるでしょうが、実際にこの2台を比較したら明確な違いがありますから、ライバルと言えるかは微妙でしょう。お店に足を運んでくださった方々に印象を尋ねても、『似てるけど、まったく違うね』という意見が非常に多いです。でもそういう方々は、実は実物を見るまでは『トヨタの作ったH3』みたいに思っていた方も多かったりして、見比べて、逆にがっかりして帰る方もいらっしゃいますね(笑)。またH3を見に来た方が、『コッチもいい』とFJを気に入られることもあります。そういう意味でいえば、販売促進における『ライバル』としてお互いに相乗効果を発揮している、といってもいいかもしれませんね」。
成り立ちや立ち位置は似ているかもしれないが、口で言うほど両者は似ていないし、走り比べた後の感想は、「2台は別物」である。
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