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C6コルベットの機能美を最大限生かした

コルベット Z06 (CORVETTE C6 Z06)

これぞ本物のスポーツカー

1953年に登場した初代C1コルベットから数えて60年近くにおよぶコルベットの歴史。この長大な歴史におけるコルベットの性能進化&スポーツカー作りの理念の変遷を追うと分かる究極のマシン、それこそがZ06である。

更新日:2012.10.18

文/椙内洋輔 写真/ゼネラルモーターズ

コルベットの開発理念は当初からスポーツカー

 コルベットというクルマにはレーシーなイメージがつきまとう。今日のル・マン24時間レースもそうだし、かつてインディ500のペースカーとしても知られていた。モデルチェンジのたびペースカーに選ばれていたのは、メーカーのコミュニケーション活動の一環である。

 そんなコルベット誕生の裏にはヨーロッパのスポーツカーが何台も隠れていて、それもまたレーシーなイメージを持っていた。MGやトライアンフ、ジャガー、オースチンといったクルマである。

 第二次大戦後、GIと呼ばれたアメリカ人兵士たちがヨーロッパからこうしたスポーツカーを持ち帰ったことが、コルベット誕生と関係すると言われている。それまでのアメリカ大陸にはない、コンパクトでハンドリングの楽しいクルマが一部のアメリカ人に気に入られたのである。

 また、1950年になるとアメリカ経済が好景気にわき上がっていたことも起因する。 消費マーケットと労働者が増え、誰もがクルマを手に入れられるようになった。イタリア、ドイツといった敗戦国も息を吹き返し、アルファロメオやメルセデスベンツが新型のスポーツカーを送り込んだのもこの時期。300SLガルウィングは超有名だ。こうした要因が相まって、アメリカのマーケットにはいろいろなクルマが世界中から集まるようになった。

 そんな時代背景の中、コルベットは生まれた。当時のGMのスタイリング部門責任者ハーリー・アール氏が、シボレーのチーフエンジニアにスポーツカー構想を持ちかけたのがコトのはじまり。そして1953年、GM主催のモーターショー「モトラマ」で、初代コルベットC1がデビューする。

 というように、コルベットの開発理念ははじめからスポーツカーであり、その発想はヨーロッパ車から取り入れられている。つまり、デビュー時のスタイリングは、それまでのアメリカにはないまったく新しいものであり、しかもオープンボディであった。それはまるで、ブリティッシュ・ライトウェイト・ロードスターとでもいった印象である。

1953年に登場した初代モデル・C1コルベットは、開発当初からスポーツカーであり、その思想はヨーロッパのスポーツカー、特にブリティッシュ・スポーツカーに影響を受けたと言われる。オープンスポーツであったこともそれに起因する。

コルベットは常にレースと共に生きてきた。それはスポーツカーとしての宿命であり、レースがまたハンドリング向上にフィードバックされるのである。

第二世代となるC2コルベットに当初装備されていたスプリットウインドー。ヒストリックカー愛好家の中でも「美しい」と評判。いまだに高値で取引されている。

C1コルベットがマイナーチェンジでスタイリングを変えてきた。上記は1960年モデル。

三世代目は異端なのか?

 では、開発理念はどう変化していくのか? ヨーロピアンスポーツカーを意識したスタイリングやコンセプトは、二世代目C2でも引き継がれる。その証拠にこのモデルは、なんとパリ・オートサロンでベールを脱いだ。1963年のデビューイヤーモデルが「スプリットウィンドー」と呼ばれる二分割のリアガラスを持っていたのも、そんな影響があるのかもしれない。

 が、それ以降の遍歴を見ていくと、60年代中盤以降のC2と、三代目となる68年以降のC3は、どちらかというとアメリカン・ドメスティックな方向に進んでいた。他のアメリカンマッスル同様、排気量はドンドン大きくなり、トルクでクルマをドーンと走らせる方向へ向かった。1970年には7.4リッターのビッグブロックを搭載する。まさにマッチョなクルマである。

 コルベットを開発する上において、「ポルシェやフェラーリに匹敵するパフォーマンスを…」という言葉が出だしたのは、一般的に四世代目C4からといわれる。そのため開発に手間取り、発売が遅れ、1983年のモデルイヤーは間に合わず空白となったほどだ。

 また、このC4にコンバーチブルが復活したのもそんな影響があるからだろう。86年に、76年以降消滅していたコンバチが復活したのは、ライバルたちにそうしたモデルがラインナップされていたという話もある。
 さらに、このシリーズにはZR1というロータスチューンのツインカムエンジンを搭載したモデルも用意された。これぞまさに、ヨーロピアン・スポーツカーを意識した結果ともいえなくない。

 というように、コルベットはC1からC4まで一貫してスポーツカーの理念を貫いてきた。しかも、そこには常にヨーロピアンスポーツカーの影もチラつく。そしてC5、C6と進化し、打倒フェラーリ&ポルシェ色はさらに濃くなったのである。

60年代中盤以降から変わってきたコルベットの開発理念。それまでの欧州スポーツカーへの対抗という意識からどちらかというと、国内に向けたアメリカン的なノリに変わって来る。その集大成が三世代目のC3のスタイリングに現れる。

それまでの小型スポーツカーというよりは、アメリカンマッスル的な方向にシフトされたC3コルベット。前後バランス50:50というようなスタイリングではなく、いわゆるマッチなボディを体現している。コルベットの歴史を俯瞰すると、ちょっとだけ異端なクルマとも思えるが、この時代のファンが多いこともまた事実である。

FR+OHVエンジンの優位性を極める

 では、こうした理念に基づきながら、エンジンはどう変わっていったのか? ライバルをフェラーリやポルシェと競っていながらも、コルベットは頑なにプッシュロッド式のOHVレイアウトを守り続けている。一般にツインカムの方が高回転に強く、スポーツカーに向いているといわれながらも、それにスイッチすることはなく今日まできた。

 C4ではロータス製DOHCツインカムLT5エンジンまで用意しながらも、C5で再びOHVのみとした。
 いま思い起こしてもC5登場時にはいろいろと噂が広がり、新型はミドシップレイアウトのツインカムエンジンになるなんて声も聞こえたほどだ。

 だが、現実そうはならなかった。それはOHVにはそれなりの優位性があったからだ。例えば、OHVはシリンダーヘッドをコンパクトに設計でき、エンジン全高を低くできる。つまり、重心が低くなり、さらにボンネット全体も低く抑えられる。スポーツカーとしては大きなメリットだ。
 また、構造上部品点数が少なく、整備性がいいともいわれる。今日でこそブラックボックス化されたエンジンルームだが、キャブレターの時代では個人レベルで整備するオーナーが多かっただけに、OHVはファンからも愛されてきたのだ。

 ちなみに、C6用LS2エンジンの元はC5用LS1。404psは1955年にはじめてV8エンジンを搭載して以来もっともパワフルなスモールブロックとなる。そしてLS1のさらに元となったのはLT1エンジン。1992年にリリースされたこのユニットが、新世代スモールブロックエンジンの草分け的存在となる。LT1というコードネーム自体は1970年代に存在したものと同じだが、中身は別物だ。

C3から一転、方向転換しポルシェやフェラーリに匹敵するパフォーマンスを求めて開発されたC4コルベット。1989年にはロータスが手がけたツインカムエンジンを搭載したZR-1が登場。これぞまさにヨーロッパ・スポーツを意識して作られたモデルだ。

C4ではロータス製DOHCツインカムLT5エンジンまで用意しながらも、C5で再びOHVのみとした。結果的にエンジン全高を低くできるために重心が低くなるという大きなメリットを生かすためである。

目指すは常にハンドリングマシン

 OHVといったエンジンレイアウトを踏襲してきたのと同じように、コルベットは横置きリーフスプリング方式を一貫して使っている。これもまた彼らの理念のひとつといえる代物かもしれない。

 で、その優位性もまたOHVエンジンとの類似点が多い。部品点数が少なく構造的にシンプルでメンテナンスや修理の利便性が高いというところだ。もちろん、バネ下重量を抑えることはスポーティな走りにも影響する。

 ところで、リーフスプリングと聞いてピックアップトラックをイメージする人もいるだろうが、トラックのソレとはまったく違うものなのでお間違いなく。ピックアップは縦置きで、コルベットは横置き。しかもコルベットの複合素材は剛性が高く、バネレートに先進的なチューニングが施されている。そしてC6では先進のマグネティックライドが装備される(C5の最終モデルから使用される)。

 コルベットはすでに50年以上生き続けており、常にアメリカのスポーツカーの先頭を走ってきた。その点では時代に合わせた改良と、コルベットならではの不変が常に同居しているといえなくない。その都度、想定するライバルや消費者マインドが異なるからだ。あるときはヨーロピアンスーパーカーだったり、あるときはアメリカンマッスルカーだったりする。50年代のリリース時は英国車がライバルだったのは前述したとおりである。

 ただ、それでも変わらないのは、こいつが目指しているのはハンドリングマシンだというところ。日本では直線番長的なイメージを持つ人が少なくないが、まったくもってそれは誤解でしかない。
 FRパッケージングのロングノーズ+ショートデッキボディは、コーナリングを楽しむクルマを意味する。もっといえば、前後の重量配分はいつも50:50を意識してつくられてきた。ドライバーが中心より後ろに座るのはそのためである。

FRパッケージングのロングノーズ+ショートデッキボディは、コーナリングを楽しむクルマを意味する。50年の歳月が過ぎてもハンドリングマシンを目指しているということに変わりはないである。

C4からC6への変遷を見ると、世界中のスポーツカーと違うところがひとつある。それは大きさ。どんどん肥大化していくのが常である他国のスポーツカーと違ってコルベットは、実際にはどんどん小さくなっている。そして「走り」のために前後オーバーハングを切る詰める等、理詰めの製作を行っているのである。

史上最強のコルベットに相応しいZ06

 そんなことを踏まえてC6を眺めると、この理念はすでに完成型に達したのではないかとも思える。これこそ機能美という言葉が脳裏に浮かぶスタイリングである。そしてその機能美を最大限に生かしたC6コルベットこそ、Z06である。

 6リッターから7リッターへと排気量アップされたLS7エンジンは、2013年モデルに至っては550hpにも達する。1500kgジャストと軽かった車重は、コンポジットボディパネル、アルミニウム製フレーム構造、マグネシウム製エンジンクレードル、カーボン製のボディパーツなど、徹底的な軽量化の追求によって1370kgにまで軽量化を達成(同じく2013年モデル)。

 もともと高かった旋回性能が、この軽量化によって二倍にも三倍にも高まっているのは容易に想像できるはずだ。そしてクロスレシオのギアレシオを持つ6MTは、オイルクーラーを装備し、ストロークの短いシフトフィールも絶品であり、MT車による人馬一体感が何よりも感じられるはずである。

 コルベットの過去の歴史を振り返ってみると、常にサーキットで戦う姿勢を見せ、また対欧州車というパフォーマンス面の進化を考えれば、現行C6のZ06こそが、史上最強のコルベットといっても過言ではないのである。しかも7リッターエンジンに1300kg台の車重+FRというスポーツカーは、世界中を見渡してみても、もはやコイツしか存在しない。いわゆる生粋のスポーツカーを手に入れられるチャンスも残りわずかだ…。

2013年型においては、車重1370kgに7リッターLS7エンジンは550hpを発生させる。開発陣は、軽さがもたらす武器を知り尽くし、ノーマルでも高いレベルにある旋回性能をさらに高めることに成功した。スポーツカーとしての速さだけを考えれば史上最強のコルベットと言っても過言ではない。

どちらかと言うと高速ツアラー的なイメージが強いかもしれないが、コルベットに関しては、特にC6コルベットに関しては、曲がりが得意な生粋のスポーツカーである。そしてZ06に至っては世界でも最速の1台に属するほどのスポーツカーである。

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