先日乗ったテスラSは、驚くほどフツーに走る自動車だったが、センターコンソールに17インチサイズの操作系タッチスクリーンが装備してあって、その、まるでi padのような操作系パネルにていろいろ操作するわけだが(たとえばガラス製パノラミックルーフの開閉やオートエアコン設定のカスタマイズ、ラジオの選局など)、いまだガラケー使用の筆者には、恐怖以外のなにものでもなく、乗った瞬間からデジタルアレルギー的なフリーズ状態が起こり、走らせるまでに10分近い時間を要してしまった。
とりあえずタッチスクリーンを使用せず、取材の伴走者としてお供したのだが、試しに乗せていただいたテスラSの走りは、驚異的なものだった。異次元の感覚。先に乗った田中が「セルシオの速い奴」と言っていたが、平たく言えばまさにそんな感じで、初代セルシオの驚異の静けさをもったジェットコースターであり、超感覚的な話をすればC7コルベットよりも圧倒的に速い。というか、このクルマよりも速いアメ車を見つける方が逆に難しい(笑)。
エンジン回転数というものがなく、ギアチェンジもないから、踏み込んだ瞬間から一気にドカッと波がやってくるので(しかも超静か)、アクセルを踏み込んだ瞬間にのけ反るほどの暴力的加速がはじまり一瞬にして速度が高まるわけである(詳しいレポートは担当者の試乗記をご覧下さい)。
あくまで取材の伴走者としての使命だったがゆえにテスラSの細部に触れることはなかったが、短い時間だったにもかかわらず取材クルーを一瞬にして魅了したテスラSの特徴のひとつは、フィーリングこそ違えど、まさに(アメ車的な)爆発的加速力だったことは間違いない。
と同時にこれだけフツーに走る電気自動車というカテゴリーの将来を感じずにはいられなかった。ボディはデカイが大人4人が超ラクチンに移動可能な快適な空間が設えられており、デザイン的にもセンス良く、しかもドライブ自体が面白い(タッチスクリーンは厄介だが)。乗り心地関して言えば「若干粗いかな」という部分はあれど、硬めが好きな方なら逆に好ましい適度なハードさを備えており、あえて言うなら、目線の高さは違うが、ライバルはキャデラックエスカレードじゃないかとも思っている。
というのも、テスラSの価格は1000万円。「やっぱりな、それくらいはするだろうな」とは思うものの、これじゃ一般的サラリーマン世帯には浸透しないだろうし、いまだ嗜好品と考えれば静粛性や燃費等のレベルを上げてきたエスカレードと拮抗するのではないか? とも夢想する。それにアメ車に今現在1000万円越えるセダンはないわけだし。
ちなみにテスラSのフル充電での走行距離は502キロ。すなわち東京名古屋間なら余裕で行けるし、大阪でギリって感じでしょうか。ただ、あのジェットコースター的な加速を繰り返せば、当たり前だが充電は減るので(まさにパソコンやスマホ感覚)その限りではないらしいです。新型エスカレードとテスラSの燃費(電費)競争にも興味がありますね~。
巷間伝えられるニュースに「macでお馴染みのアップルが自動車製作に取り掛かっている」というものがあるが(i carとなるのでしょうか)、出れば電気自動車の広がりが圧倒的なものとなるのでしょうが、どうせ出るならテスラSのような突出した個性があって欲しいものである。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:モデルS 85
■全長×全幅×全高:4970×1964×1435mm
■ホイールベース:2960mm
■車両重量:2108kg
■動力:285kWのモーター出力
■最高出力:387ps
■最大トルク:440N・m
■駆動方式:FR
■ハンドル位置:右
■乗車定員:5名
■航続距離:502km
■車両本体価格:10,000,000円
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES