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2004年型シボレータホに装着

ストールコンバーター カスタム

日常域で使用する極低速を改善する

2004年型のシボレータホにストールコンバーターを入れると聞きつけ取材に行ってきた。当初、アメ車のストリートカスタムにしてはやり過ぎではないか? と若干の違和感を感じたものの、実作業を確認し試乗してみると、まったくの勘違いであることが分かったのである。

更新日:2013.10.15

文/石山英次 写真/石山英次 / 田中享

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

ATミッションチューニングのひとつ

 04年型のタホである。現オーナさんはすでに8年近くを共にし、その間にマフラーを換え、へダースを入れ、そしてカムのチューニングを行っている。ところが、このような状態へと進化したにもかかわらず、体がその進化に馴れてしまい(?)新たなる刺激を求めてきた。

 だがそうはいっても、次なる大物スーパーチャージャーの装着には、いくつもの高いハードルが存在するのは確実で(まず代表的なものが予算)、簡単には越えられない。「う〜ん、もうちょい出足の加速を良くしたいけど、スーパーチャージャーを装着するほどの予算はないです。何かいい方法はないでしょうか? 6リッターモデルっていう手もありますかね?」とはオーナー氏。

 たしかにその当時のタホの5.3リッターV8は、マイルドなエンジンである。かといって6リッターモデルに買い替えたりしても、果たしてどうだろう? 仮に手に入れたとしても6リッターは所詮ドノーマル。現状の5.3リッターには、カム等のチューニングがされているので、正直6リッターモデルを越えていると思われるし。

 とまあ、こんな感じでいろいろ質疑応答がなされた後にレーストラック高橋氏が提示した次なるバージョンアップが、ミッションチューニングのひとつであるストールコンバーターのチューニングだった。

 ちなみにストールコンバーターと聞いて、「えっ?」と思った方は鋭い。筆者も最初そう聞いて、一瞬「走り難くなるのでは?」と思ったクチだから。

2004年型シボレータホ。これまでにマフラー、へダース、カムシャフト交換を行っており、さらに今回コールドエアシステムの導入とストールコンバーターのカスタムを行っている。足回りには20インチホイールにアルコンベアーの6ポッドブレーキも装備する。

手前に見える赤いパーツはMSD製のプラグコード。奥に見えるバンテージに巻かれたやつがへダース。これまで順を追ってカスタムしてきたが、今回新たに出足の加速にこだわり、さらなるアイテムの追加となった。

装着されたコールドエアシステムはK&N製のもの。

上記メイン写真のシルバーのトルクコンバーターは純正でたった今、このミッションケースから外されたものである。で、赤いのが今回装着するパーツ。

レース用カスタムでは?

 ストールコンバーターと聞いて最初に思い描いたのがドラッグレースのマシンだった。3000ストールとか4000ストールとか、そういう言い方を聞いたことってありませんか?

 それって、ブレーキ踏みながらアクセル踏んで回転数高め、発進するときに4000回転で一気にドカンと繋がるのを4000ストールと言い、もちろんこれってレースセッティングなので、ストリートでの扱いがしにくくなるのは言わずもがな。だから最初に聞いた時は、ちょっとビックリだった。

 ところが。高橋氏いわく「アメリカ本国では、一般車のトーイングなんかでもストール比の低いやつですが、ストールコンバーターを使っているし、実用域を活発化させるストールコンバーターは多々ありますよ。ATのチューニングとしてはメジャーです。ほんとアメリカはアフターパーツ天国で、カスタム文化が発達しているんですよね。
 そしてそれをカムやへダースとうまくマッチングさせ、日常域で多用する極低速域をストールコンバーターでカバーすれば(その後はカムやへダースが威力を発揮する)、それこそストリートで(極低速から中速にかけて)もっと楽しめるようになりますよね」

 つまり、現状アイドリングの極低速域は5.3リッターV8のノーマル状態であって、2000回転弱以降から効いてくるカムやへダースのパンチ力を体感するまでに、ほんの少しのラグを感じる部分があるわけで、今回はその部分をストールコンバーターを使って補い、2000回転までのつなぎを早めて行こうというのである。

今回使用するパーツはHUGHESパフォーマンスのストールコンバーター。1300-1600ストールというやつ。これ以外にももちろんレース用も含め、様々な使い勝手に合わせたストールコンバーターを製作している。

今回使用するHUGHESパフォーマンスのストールコンバーターである。ノーマルとの違いは、簡単に説明すると内部のフィンの間隔が異なっていること。

ノーマルと新たなストールコンバーターとを入れ替えるだけ。これ以外に調整やセッティングはいらない。

交換し終えたら、ミッションケースを戻し、ミンションオイルを入れ確認後終了となる。

上手く利用すれば燃費も良くなる

 今回使用するHUGHESパフォーマンスのストールコンバーターは1300〜1600ストールといった回転数を抑えたもの。つまり日常域で使用する極低速の800〜1200回転程度をすっ飛ばし、アクセルを踏めば常に1300以上の回転で駆動されるようにするのである。これによりパンチ力を発する2000回転に近い状態を常に維持でき、パワーをダイレクトに伝えられるようになる。
 
 余談だが、このストールコンバーターを入れたからといって、クリープ現象がなくなったり、ギア比が変わったりすることもない(レース用でもなんでもなく、一般車のストリート用だから)から街中一般走行で走り難くなることはまったくない。さらに回転数を高めたといってもわずか500〜800回転程度なので、ミッションに対する負担増もない。

 ちなみに、コイツを上手く利用すれば(運転すれば)、街中走行で一番燃費の悪化するストップアンドゴー状態を回避することができるから、燃費も良くなる理屈である。

ユーザーさんが求める結果に対しては様々なアプローチの仕方があるわけです。で、そのどれもが正解ではあるんでしょうけど、「今回はこれがいい」って勧めるべき事例を見極めるのは、やっぱりボクらプロの仕事ですよね。今回のストールコンバーターは、たとえばダッジバンやシェビーバン等の重たい車重のクルマに対してもかなり有効ですから検討してみる価値はありますよ!

自分也の愛車を作るヒントとして

 作業の一部に同行させてもらったが、作業内容は意外にも単純だった。ミンションケースを降ろし、内部に入っているノーマルのトルクコンバーターを、新たにHUGHESパフォーマンスの4L60E用コンバーターに交換するだけ。装着後に各部の調整やセッティングがいらないから、そういう意味ではお手軽である(もちろんミッションを降ろすわけだから大変な作業には違いないのだが、思っていたよりは)。

 作業後に試乗させてもらったが、目視だと常に1800〜2000回転くらいへとタコメーターが導かれ、持てるパフォーマンスをダイレクトに発揮していることが体感できた。街中での走りもなんら違和感なく、それでいて常に美味しい回転域を使って走れるわけだから狙い通りといった感じ。

 さらにスーパーチャージャーだと100万円に近い予算も必要になるかもしれないが、今回であればその1/5程度で済むわけだから効果も高い。もちろん、その他のカスタムがなされている現実があってこそのストールコンバーターだったので、一概にすべてのオーナーさんに勧めることはできないが、自分なりの愛車を作っていく上でのヒントになることは多々あるに違いない。

 カスタムとは、名のあるパーツをただ付けて行けばいい、というものではない。1台1台狙うべきパフォーマンスに向って様々な手法があるわけであって、逆にそうした求めるべき【結果】に対して様々な理論に基づいたアプローチを考えるからこそ楽しいのである。幸いにしてアメ車には、そうした要望に応えるだけのパーツがごまんとあるわけだし。

日常域で使用する極低速の800〜1200回転域をすっ飛ばし、アクセルを踏めば常に1300以上の回転で駆動されるようになっている。実際には2000回転前後に素早く到達する。これによりパンチ力を発する2000回転に近い状態を常に維持でき、へダースやカム交換で得たパワーをダイレクトに伝えられるようになるのである。マイルドなタホが常にワイルドになった瞬間である。

目視では常に1800〜2000回転くらいへとタコメーターが導かれ、持てるパフォーマンスをダイレクトに発揮していることが体感できる。

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