
デビュー時のジープ・コンパスは丸型ヘッドライトを採用していました。当時は「スポーティ&スタイリッシュな都市型CUV」などと宣伝されていましたが、現代の感覚では割と地味というか、普通な感じですね(笑)。

マイナーチェンジでフェイスリフトされたことで、印象が大きく変わりました。ヘッドライトの印象が強いからでしょうが、パトリオットの兄弟車というより、グランドチェロキーの弟分というイメージですね。

以前に紹介したS&RTのデモカーですが、全体的なスタイルはそのままながら、ローダウン&タイヤ&ホイール交換でロー&ワイド感が増したことで、ノーマルからはかなりイメージが変わっています。
初代ジープ・コンパス(2006-2017y)について
まず、ジープ・コンパスというモデルの歴史を簡単におさらいしてみます。
初代ジープ・コンパスが登場したのは2006年。1月に開催された北米国際自動車ショー(デトロイト・オートショー)で発表され、その年のうちに生産が開始されました。
初代ジープ・コンパスのプラットフォームは、ジープ・パトリオットと共通のMKプラットフォームですが、このプラットフォームは、ダイムラー・クライスラーとして三菱自動車と共同開発したGSプラットフォームが元になっています。
シャシーを共有するパトリオットが、XJチェロキーのボディにラングラーの顔を付けた様な、いかにもジープ的なスタイリングであったのに対し、コンパスの方はハッチバックスタイルをベースにした、スポーティな都市型CUVというコンセプトでした。
ちなみに、日本ではパトリオットは2007年から発売されましたが、フロントのデザインが「歩行者頭部保護基準」を満たしていないということで、2013年に輸入販売を中止。それと入れ替わるようにコンパスが輸入されることになりました。
初代ジープ・コンパスには3種類のエンジンが搭載されていましたが、このうち日本に輸入されたのは2リッター直4と2.4リッター直4の2種類。いずれも直列4気筒DOHC16バルブで、最高出力&最大トルクは、2リッター直4の方が156ps(115kW)/6300rpm&19.4kg・m(190N・m)/5100rpm。2.4リッター直4の方は170ps(125kW)/6000rpm&22.4kg・m(220N・m)/4500rpm。2リッター直4がFFに搭載され、2.4リッター直4の方はフルタイム4WDに搭載されていました。
トランスミッションは、2.4リッター直4+フルタイム4WDの方はモデルを通じて6ATでしたが、2リッター直4+FFの方は年式によってCVTと6ATがありました。
なお、初代ジープ・コンパスはマイナーチェンジの際にフロントマスクが大きく変わっていますが、後期モデルヘッドライトは4代目グランドチェロキー(WK型)と共通となっています。現行ジープ・コンパスのデザインは、「ミニ・グランドチェロキー」みたいに言われる事もありますが、その流れは初代の後期モデルから踏襲されているわけです。
ところで、筆者的に初代ジープ・コンパスのポイントのひとつだと思うのが、ホイールのナット座ピッチ直径、つまりP.C.D.(Pitch Circle Diameter)です。初代コンパスのP.C.D.は「114.3」なのですが、これは小型車としてはかなりポピュラーなサイズで、アフターマーケットのホイールの選択肢が豊富です。これはつまり、気に入ったデザインのホイールを探しやすいという意味であり、初代コンパスの114.3というP.C.D.は隠れたセールスポイントだと思います。