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[試乗記]

日本では比較的レアなV8コンバーがBCDに入庫

2019 フォードマスタング GT コンバーチブル

V8のオープンモデルはマスタングの魅力を凝縮する

日本中を取材して回る我々でもあまり見かけないV8GTのコンバーチブル。2019年型という高年式の程度良好モデルを取材した。

更新日:2020.08.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

マスタングには魅力的なバリエーションが多い

 個人的なアメ車の魅力とは、V8エンジンをMTで操れること。さらにV8エンジンのコンバーチブルが存在すること。だから、マスタングの魅力とは、すなわちその両方がラインナップにあって、「いつかは…」と常に思わせてくれることである(なお超主観的なベストマスタングのMT車はブリットだったりする)。

 そんなマスタングのV8コンバーチブルを取材した。ちなみに、筆者はこれまで現行マスタングのV8コンバーチブルに日本で出会ったのが2回。そのうち1台には試乗させてもらっているから魅力は多分に認識しているし、これまで常に「なぜ日本にはV8コンバーが少ないのか」という疑問を抱いていた。

 余談だが、数だけで言えばV8GTコンバーチブルは、あのスペシャルなマシンであるシェルビーGT350よりも日本では少ないと言われている。

 ということで、今回が3車目の取材となる。

 ちなみに、マスタングには2.3リッター直4エンジンを搭載したコンバーチブルも存在する。これまで過去4回ほど取材していて、実際に試乗も何度もしているから、直4の魅力も知っている。

2018年にモデルチェンジが行われフロントマスク等に変化がもたらされた。それ以前よりも「アグレッシブさ」を前面に押し出したスタイルに進化している。

この幌を開けた状態のリアスタイルが何といっても魅力的。4シーターオープンのスタイルの美しさは何物にも代え難い。

V8だからこその満足感が確実にある

 実際に乗ってしまえば、確かに楽しい。走れば別格に気持ちいいし、ハンドリングも軽快。同じマスタングであって不満はほとんどない。ただ…。一点あるとすれば「V8じゃない」、というある種の情緒的な判断にほかならない。

 だが、乗ればわかるが、オープンにすればあまりスピードにはこだわらなくなるし、そうなれば必然的にカッコやグレードにこそこだわりたくなる。これって一種のブランド主義的なオヤジ臭い感覚なのかもしれないが、V8コンバーチブルならそんな気持ちをも満たしてくれる。街に出てメルセデスのコンバーチブルとすれ違ったときに「V8」だからこその優越感にも浸れるのだ。

 さて、2019年型のGTコンバーチブル。ボディカラーはルビーレッド。走行距離は1万6600キロ。

 現行型マスタングは2018年にモデルチェンジを実施し、ボディエクステリアと搭載ミッションが変更されている。2018年から採用されるシャークノーズ的なフロントマスクはアグレッシブさを前面に押し出し、新たに10速ATに換装されたのである。

 よって5リッターV8エンジンは460hp、最大トルク420lb-ftを発生させ、10速ATと組み合わされることにより、最新車両さながらの変速フィールを与えてくれるとともに、旧型V8から地道に進化を続けてきた古典的なV8サウンドを響かせ、低速から高速にかけて絶品の感覚性能を味わわせてくれるのである。

 ちなみに、これまた主観的な判断になるが、現行アメ車のV8サウンドの気持ち良さをランク付けするなら、最も刺激的かつ濃厚なV8サウンドを轟かすのは断然フォードである。次がダッジか。

2017年までの5リッターV8は、435hp、最大トルク400lb-ftを発生させていたものが、2018年からは燃料噴射等の変更により460hp、最大トルク420lb-ftへと進化している。

純正の18インチホイールは、非常にスポーティなデザイン。

幌のリアガラスは熱線入りで、視認性もそれほど悪くない。

2018年以降の完成度が際立つ

 だからそんなV8サウンドが、屋根を取り払うことでよりダイレクトに聞けるのだから、V8コンバーチブルの魅力とはまさにこの一点に尽きる。

 なお、現行モデルのコンバーチブルだけあって、開閉はボタン操作一つの約10秒で完了する。具体的にはシートに座り頭上の手動ロックを外し、ボタンを押し続けることでトップが開く。その作業であっという間にオープンに。

 しかもその動きの完成度はかなり高く、もちろん幌を閉めた状態ではクーペのような耐候性および静粛性である。

 さらに手を伸ばすシフトの位置や触れたときの感触の良さ、シフトを動かしたときの動作感やインパネ周りの作り込みは、アメリカ的というよりは世界品質のそれであり、もはや「アメ車だから」と粗さを嘆くことはまったくない。

 2018年以降ステアリングの剛性感が非常に高くなり、先代後期から採用されていた電動パワーアシストのフィーリングも違和感なく自然な切れ味が好ましく、各部の硬質なタッチや剛性感が非常に高く、これまでのアメ車では体感したことのない欧州車的なフィーリングが得られるのだから満足感は非常に高いのである。

幌を閉じた状態でのスタイルも洗練されている。幌の作りが非常に良いため、日本の気候でも問題なく走れるだろう。

インパネの質感は十分に高く、装備品の豊富さにも満足感は高い。くわえてステアリングやシフト操作の硬質感等、世界基準の品質に溢れている。特に電動パワステは一段とフィールが良くなり、ATシフトのガッチリ感とカチッとした操作フィールは高級車そのもの。満足感も高い。

組み合わされる10速ATの硬質な操作感に質感を感じる。マニュアルモードを使うためにはシフトレバーを「D」から「S」に切り替える必要がある。

フロントフェイスの変化によりノーズが薄くなり、ボディ全体が一段とスリムになった印象だ。飛ばせばもちろん激速だが、飛ばさなくても気持ち良いのがV8コンバーチブルの魅力。

好みを反映させた新車を購入しても良い

 くわえて4シーターのオープンだから、2シーターでは味わえない開放感とラグジュアリー感に満ちており、それでいて古典的なV8が搭載されているのだから、他車と比較して刺激が何倍にも高いのである。

 さて、このV8オープンだが、取材していて一つ思ったことは、「好みを反映させたオプションを追加して新車をファクトリーオーダーしたら楽しいだろうな」というもの。

 たとえば、ボディカラーはホワイトで、内装色がレッド、幌はダークブルーとか、ボディがレッドで、内装色がベージュ、幌をブラック、ホイールもブラック、といった感じで好みを反映させれば、ラグジュアリー感に満ちたオンリーワンなV8コンバーが誕生するし、BCDの場合、新車販売においては60プランという、3年後の下取り価格60%を保証する独自プランが存在するからずば抜けて買いやすい。

 というのも、前記したとおり、日本国内に現行マスタングのV8コンバーチブルが数少ないからである。欲しくても選べるほどの中古個体がないならいっそうのこと新車を買ってはどうかと思った次第。そういったことを合わせて、BCDの鈴木氏に話を聞いた。なぜ、V8コンバーチブルの数が少ないのでしょう?

スターターボタンを押すと野太い重低音が響き渡る。その瞬間の満足感がたまらない。

スポーティに走行したければパドルを使用することも可能だ。10速ATも驚くほどきめの細かい変速にてキビキビ走らせてくれるだろう。

まずは幌のロックを外し、コンソール頭上にある幌の開閉ボタンを押すこと約10秒足らずで開閉が可能となる。操作中は、ずっとボタンを押したままの状態を維持する必要があるが、現段階では最高に簡易的な方法である。

オープンカーに乗ると人生が変わる。そのくらい大きな変化を与えてくれる。

BCD基準に適合する車両が少ない理由

 「まずは2015年から直4モデルの人気が高いというのがあり、そちらのモデルが数多く日本に持ち込まれたという経緯があると思います。ですが、ある時から『V8のコンバーチブルはないですか』と問い合わせが多く入るようになり、弊社もBCDのラインナップに加えようと探しておりました。

 ところが、探すとなかなかコンディションのいいモデルに出会えない。本国での中古車ベースだとコンバーチブルはクーペよりも日常的に使用されることが多いのか、意外に走行距離が多く、日本人好みの距離数の少ないモデルになかなか出会えなかったのです。

 ですが、今回のモデルはそんな中での良質な1台ですから、是非実車を見てもらいたいと思います。また、新車のオーダーですが、もちろん可能です。少々お時間はいただきますが、内外装のオプションを反映させたV8コンバーチブルの製作は十分可能です」

 日本ではかなり数が限られるマスタングV8コンバーチブル。そんなモデルの良質車が気になっているなら、急いだほうがいいだろう。

2シーターでは味わえない開放感とラグジュアリー感に満ちてるのが4シーターオープンの魅力。

BCDでは、今後もV8モデルのコンバーチブルを導入し続けるとともに、これまで通り直4モデルのコンバーチブルも扱うと説明してくれた。

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