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ナビゲーターをあえてリフトアップで楽しむ

2001 リンカーン ナビゲーター

エアサスを残すことがナビゲーター流

ナビゲーターをリフトアップしたカスタムカー。ポイントはエアサスを残した施工である。

更新日:2025.09.22

文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/田中 享(Tanaka Susumu)

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 03-5661-3836 [ホームページ]

オリジナル加工で作り出すリフトアップカスタム

 いきなりだが、なぜナビゲーターでリフトアップなのか?

 聞けば、「ナビゲーターは、当時日本ではエスカレードに次ぐ人気車だった。にもかかわらず、ローダウンカスタムが中心で、カスタムを楽しむ幅が非常に少ない。

 そういう意味では、このリフトアップは幅を広げるための一つの提案だったんです」とレーストラック高橋氏。

 この個体はフロント6インチ、リア4インチリフトアップされ、ファブテックのキットを加工し製作されている。くわえて4輪エアサスをすべて生かし、その結果セルフレベライザーも生きているため、リフトアップされたことでノーマルの乗り心地が阻害されることがない。

 言葉で書くと簡単なように聞こえるが、現実的には、当時からナビゲーターをリフトアップするための汎用キットは存在しない。

 したがってベースとなるキットの見当をつけ、そのキットをナビゲーター用に加工する必要がある。ここで使用したキットは前述のファブテック。ブルーに見えるそれだ。

 そしてコダワリが、オリジナルのエアサスを殺すことなく、足回りでリフトアップしていること。

▲真横からのスタイリングに一瞬違和感を感じることもあるのだが(笑)、パーツなき状態で見事カタチにしたその技術力に脱帽。

▲22インチのレースラインホイールにリクロームをかけ、ブラッククローム化したホイール。

▲ナビゲーターをリフトアップするための汎用キットは存在しない。したがってベースとなるキットを見つけ、そのキットをナビゲーター用に加工する必要がある。ここで使用したキットはファブテック。ブルーに見えるものがそれだ。

▲またナビゲーター用の設定がないコルサのマフラーを加工して装着している。

 当時からパーツがないのが当たりまえの世界。再び聞けば、「エアサスを殺した方が簡単だけど、それだとナビゲーターじゃなくなるからね。だから、試行錯誤が必要ですがあえてエアサスを残しリフトアップすることを選んでいます」

 さすがはレーストラック。偏りがちなパーツ&カスタム状況を逆手にとって、レーストラックならではのアプローチで、独自の世界を切り開いている。

 この足回りに装着されるホイールは22インチのレースライン。これは、装着前にブラッククロームにリクロームされ、明暗によってホイールの見栄えが変わるようカスタムされている。またマフラーはコルサ。これもナビゲーター用の設定が当時なかったため、独自加工し取り付けられている。

 パーツがあろうがなかろうが、その状況でもオーナーの希望をカタチにするのがレーストラックのポリシー。

▲最新アメ車から90年代モデル、そして60年代&70年代キャブレターモデルたちが工場内に収められている。

▲フルレストア遂行中のシボレーインパラがリフトに載せられ作業を続けている。

▲近代モデルたちの整備と知識と経験が必要になる60年代&70年代キャブレターモデルの、両方の整備をこなすレーストラック。「自分が過ごしてきた世代のアメ車は全部直したい」がコンセプト。

 余談だが、この技を持って修理&整備を行うことも当然得意としている(パーツがなくてもどうにかできる見識がある)。だからレーストラックには年式問わず、多くのアメ車たちが今なお列をなしている。

 具体的には直近の最新アメ車から90年代モデル、そして60年代&70年代キャブレターモデルたちである。

 工場奥にはフルレストア遂行中のインパラがリフトに載せられ、その手前には各種整備中のアメ車たちがある。

 なかでも必見は、60年代&70年代キャブレターモデルの整備。近代モデルたちは整備に電子デバイスが必須となるが、キャブレターモデルたちには知識と経験が必要になる。だからこの両者の整備を行える整備工場はかなり少ない(どちらか一方に偏っている工場が多い)。

 くわえてカスタマイズも行うわけだから、レーストラックには多くのアメ車が集まってくる。

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