いきなりだが、なぜナビゲーターでリフトアップなのか?
聞けば、「ナビゲーターは、日本ではエスカレードに次ぐ人気車。にもかかわらず、ローダウン・カスタムしか行われず、カスタムを楽しむ幅が非常に少ない。そういう意味では、このリフトアップは幅を広げるための一つの提案なんです」という。
フロント6インチ、リア4インとリフトアップされたこのナビゲーターは、ファブテックのキットを加工し製作されている。さらに4輪エアサスをすべて生かし、その結果セルフレベライザーも生きているため、リフトアップされたことでノーマルの極上な乗り心地が阻害されることなく、確保されている。
言葉で書くと簡単なように聞こえるが、現実的にナビゲーターをリフトアップするための汎用キットは存在しない。したがってベースとなるキットの見当をつけ、そのキットをナビゲーター用に加工する必要がある。ここで使用したキットは前述のファブテック。ブルーに見えるものがそれだ。
そしてコダワリが、オリジナルのエアサスを殺すことなく、足回りでリフトアップしていること。高橋氏いわく「エアサス殺した方が簡単だけど、それだとナビゲーターじゃなくなるから」という。
この足回りに装着されるホイールは22インチのレースライン。これは、装着前にブラッククロームにリクロームされ、明暗によってホイールの見栄えが変わるようカスタムされている。さらにマフラーはコルサ。これもナビゲーター用の設定がないため、独自加工し取り付けられている。
このナビゲーターは、偏りがちなカスタム状況を逆手にとって、レーストラックならではのアプローチで、独自の世界を切り開こうとしている。今やパーツがないなんて当たりまえの世界。だがその状況でもオーナーの意向をカタチにすることこそ、本当のカスタムカーというのである。
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