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本物だけが醸し出すピックアップトラックの魅力

1972 GMC シエラ グランデ2500 カスタムキャンパー

アクの強さとオリジナルペイントが一層引き立てる

一風変わったビンテージ車両の取材を行った。GMCシエラ2500である。当時の雰囲気を絶妙なコンディションで再現してる貴重な存在だった。

更新日:2019.03.15

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU MITSUOKA つくばショールーム TEL 029-846-6600 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU MITSUOKA TEL 0120-17-2290  [ホームページ] [詳細情報]

年式、メーカー問わずにコンディション重視

 世界的にクルマの値段が高騰している。とくに中古車。なかでも旧車の価値が飛び抜けている。もちろんアメ車の場合には、旧車に価値を見出す歴史的文化的背景があり(アメリカ本国では)、だから旧車の価値は前から高いのだが、それにも増して今、全体的に価格が高騰している。

 ちなみに文化的背景から見れば、「アメリカ本国では、いつかホンモノ(の旧車)を」といった憧れを抱いている方々が多く存在し、そういう方々は、「今はまだ旧車に乗れないので、あえて現行モデルを買い、いつか必ずや旧車を手に入れよう」と頑張っている。

 すなわち、現行モデルに乗るのは、旧車を手に入れるため、というから驚いてしまう=それだけ自国の旧車を愛し、価値を見出しているということでもある。

 そんな旧車と言われる古いアメリカ車を日本に持ち込んでいるBUBU VINTAGE。このBCDの旧車部門は、あえて決まった車両を販売するわけではない、というから面白い。

 すなわち、GM専門とかフォード車オンリーとかモパーという決め事は一切なく、あくまでコンディション優良の旧車を販売するというのがポリシー。だから彼らは旧車を「VINTAGE(ビンテージ)」と呼び、歴史を感じさせる、そのものの姿を保持した名品を直輸入し販売するのである。

 しかも販売車両は、日本人のバイヤーが現地に直接飛び、個人オーナーから買い付けることがほとんどという。それにより、日本人の目で見た車両鑑定と、また所有者と直接交渉することでオーナー自身を見る事ができ、それも「車両の状態を把握する事と同じくらい大切なこと」とのコダワリを貫いている。

 上にも記したが、自国の旧車を愛するアメリカンがまだまだたくさんいるからこそ、こうした買い付けができるわけであり、また同時に、まだまだお宝級の旧車が眠っているという証拠でもある。

 ちなみに、情報を得て実際に足を運び車両を見るも、コンディションに納得できなければ何も買わずにそもまま帰国する事もしばしばあるというシビアな一面もある。

70年代のアメリカンピックといえばシボレーC-10がメジャーな存在ということになるだろう。そのC-10のGMC版として登場していたシエラ。その2500モデル。

往年のピックアップが採用していたツートーンカラーはピックアップトラックの魅力をさらに一段引き上げる。現車には現地のペインターによる作業にて特殊加工もなされているからより味わい深く様変わりしている。

ロングベッド仕様。本国ではキャンパーとして使用されていた経緯があり、荷台にトレーラーを積んでいたことも影響し、サスペンション等はかなりシッカリした状態だった。

日本人自ら買い付けを行う

 BUBUの店内には、そうしたコダワリのビンテージが常に数台展示されているのだが、どれも「仕入れたまま」というから驚いてしまう。正直、「こんなクルマ(程度が良い)がまだ売ってるんだな~」と見ただけで状態が良さそうだと分かるものばかり。

 聞けば、「こうした販売車両は、すべてがナンバーズマッチのフルオリジナル車というわけではありません。なかには、本国にてオーナー所有時にレストアされていたり、リペイントされていたり、エンジンが換装されていたり…。ですが、BCDの自社基準を満たすもののみを買い付けているので、状態に関してはどれも一級品ですね」

 もちろん、販売前には各部の点検&調整を行い、日本の法規仕様にある程度の改善は行われるが、たとえばエンジンやミッションを換装したり、といった重整備が行われるようなことはまずないという。そのための厳しい仕入れというわけである。

シボレーならではのオレンジ色のエンジンブロックが嬉しい350V8エンジンを搭載する。キャブレーター等はエーデルブロックに換装されているが、ハードチューンのものではないから、日本の道路事情でも苦労せずに乗れる状態となっている。

風合いがたまらないインテリア。ボディ&インテリアともに当時の面影をしっかり感じることができる。

メーター類もそれぞれ動作確認済み。古い機械が頑張って動いている感が伝わって来る。

実際の乗っていると、街中がアメリカの景色にみえてしまうような錯覚が起こる。着座位置からステアリングの動作に至るまで、すべてが「ザ・トラック」。上下デニムにハットをかぶりアメリカンさながらなスタイルにもよく似合う。

異彩を放つ展示車両

 さて、そうしたなかで一風変わった車両を発見。BUBU VINTAGE のラインナップにはコルベットC2が非常に多く、そのほかマスタングやサンダーバード、カマロ、チャレンジャーといったスポーツマッスル風の車両が多いなか、圧倒的異彩を放つピックアップ。GMCシエラ グランデ2500である。

 1972年型GMCシエラ。その上級グレードとなるグランデ仕様の2500。カスタムキャンパーということで、本国ではキャンパーとして使用されていた形跡が残るものの、日本にはピックアップとして上陸。

 機関系に関しては、350のV8エンジンを搭載し3速ATと組み合わされ、フロントブレーキのディスク化やキャブレターのブラッシュアップ等が行われており、現状でもまったく過不足なく走行できる状態という。

 実際、エンジンは一発始動であり、そのまま撮影を行うために一般道走行を行っている。

こういったセンターコンソールパネルは、まるで骨董品のようなデザインに味わい。

ウインドーレギュレーターやドアノブも同様に華奢なデザイン。それぞれの機能は果たす。

まるでソファーのようなシートとはこのことか、と言わんばかりのクッション性。

一瞬、サビてボロボロのピックアップにしか見えなかった。だが、実際にはさにあらずだった。

ペイントにて描かれたヤレたボディ

 そして極めつけが、ボディペイント。異彩放つ要因となっていたボディである。最初は「なんとまあボロなピックアップか」と、老眼も重なって見極めることができなかった(笑)。

 「これ、ペイントです。ヤレてサビたような演出ですね」

 たしかに、表面を触ってみると実際にサビているわけでなく、ツルツルのピカピカである。いわゆる加工ペイントによる演出。ただし、本場アメリカ仕込みの素晴らしいペイントである。その完成度の高さは実物を見ないと伝わらないかも! なのでボディもホイールも、さらにはインテリアも驚くほど良質なコンディション。

 インテリアの各種メーター類は普通に機能しており、シートはまるでソファーのような柔らかさ。くわえて着座位置は高めで、トラックらしく素晴らしく適切であり、大きなボディの四隅がシッカリ確認できる。そして超大きいステアリングを握ってのドライブは、まさに開拓時代のアメリカンな雰囲気満載。

こういった箇所のキズやサビ跡はすべてペイントによる加工。実際のペイント自体の出来や加工処理はお見事。

こちらも同様。すべての加工が、シエラの味わいを一層深くするための役に立っている。

リアも同様。ゴツいリアバンパーは、本国でのキャンパー時代の名残かもしれない。

本物が醸し出すアメリカ的牧歌的雰囲気

 その後、撮影をかね何度もストップアンドゴーを繰り返し、走って回ってみたが、まったく普通に走っていたのには逆に驚かされた。これなら毎日の足としても使用することが可能だろう。

 さらにキャブレターV8の懐かしいエンジン音には、この時代にしか感じられない息吹が詰まっていたし、なによりこの時代にしか味わえないデザイン的魅力。この年代のフロントマスクやツートーンカラーの色合い、そしてすべてが絡み合い放つアメリカンピックアップの優雅さは、まさに稀有なる固有の存在である。

 ジーンズでもブーツでもなんでも、復刻品が登場することは多々あるが、あくまでカタチだけの復刻であり、やはりそういった復刻品には、オリジナル品の風合いは出せない(には勝てない)。

 現代の最新ピックアップももちろんいいが、この70年代ピックアップが醸し出す、このアメリカ的牧歌的雰囲気はこの年代のオリジナル品ならではのアジだろう。

 でもって、この雰囲気が似合うシーンは、日本だとやはり海か山か。荷台にロングボードをそのまま載せ、海に向かう的な。もしくはキャンプ場は言わずもがなだろう。

 GMCブランドということで、当時のシボレーC10とは一線を画すアクの強さ。人とは違う個性を求める向きには、この年代のGMCはもってこいの一台ではないだろうか。


このシエラ、自分でもステアリングを握って試乗させていただいたんですが、メッチャ良
かったです。半世紀近く前のモデルとは思えないほど『現役』。アメ車ってやっぱり凄い
と思いましたね(笑)

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