初代ダッジラムトラックが登場したのが1981年。この時代のダッジラムトラックは、販売面でまったく振るわず、フォードやシボレーに対して大きく水をあけられたモデルであった。いわゆる不人気車だった。
ということで、この年代のダッジラムについて知る者は、日本ではかなり少ないのが実情である。
初代の不人気に伴いモデルチェンジし、1994年に登場した2代目ダッジラムこそが、日本でも爆発的にヒットしたモデルであった。
押し出しの強い、アクのあるデザインこそがダッジラム、といわんばかりのフロントフェイスを携えて登場したこの2代目モデルには、ダッジバイパーに搭載されたV10エンジンを搭載したスーパートラックも登場し、日本でのラムトラック人気に火をつけたのである。
そしてその流れのまま2002年に登場した3代目ダッジラム。この3代目には、エンジン、サスペンション、ミッション等が一新され、フロントマスクのグリルが一段と大口径になったのが特徴である。
この年代にも、前時代と同様にバイパーのエンジンを搭載した「SRT-10」が登場し、世界最速のピックアップトラックとしてギネスブックにも掲載されている。
ということで、取材車の2006年型というこは三代目モデル。そしてカスタマイズカー。
作業を行ったのはレーストラックであり、レーストラックと言えばダッジ系は十八番。ダッジバンから始まりラムトラック、ダコタ、バイパーといった過去の取材記事を見てもらえばわかるが、とにかく作業経験が豊富である。
今回、2006年型V8搭載のラムトラック4WDの足回りの調整を行い、リフトアップし、ご覧のような迫力マシンに仕上げている。
この車両は、もともとはローダウンされており、見ればわかるがSRT-10風のカスタマイズが施されている。「ナイトランナー」仕様である。
ナイトランナーとは、2006年に登場したSRT-10最終モデルとして限定400台で登場したマシンである。
そのパーツを使用しつつ、ローダウンを行っていたが、最近になりリフトアップしたいということで、足回りの調整とカスタマイズを行い、その作業を手がけたのがレーストラックだったのである。
かつてはリンカーンナビゲーターのリフトアップをする等、とにかくリフトアップ作業にも長けているレーストラックは、ノーマル状態からフロント6インチ、リア4インチアップのリフトアップを行い、全体的な微調整を繰り返しながら、街中でもあまりゴツゴツバタバタしないリフトアップを実現している。
聞けば「この車両のオーナーさんはノーマル純正のホイールを使用していることもあり、タイヤサイズの大幅な変更をしていません。ですので、ノーマルの延長線上での乗り味が保たれているのです」
なるほど。オーナーさんの意向ということだが、ノーマルホイールの性能もそれほど悪いということはないし、大径にしないことで実害が増えていない。
だからリフトアップの足の部分をシッカリ作り込むことだけで、その他の犠牲をさほど感じないからこそ、かなり安定した走行性能が維持されているのである。
搭載される5.7リッターV8エンジンは、345hp、最大トルク375lb-ftを発生させ、濃密な音色を響かせながら疾走する。決して速いということはないが、それでも比較的満足度の高い速度でラムトラックを走らせる。
再び聞けば「アメリカにおいては、特にピックアップトラックのパーツはごまんとあり、リフトアップに関してもパーツやカスタマイズ技術などが豊富に出揃っている。それらを駆使しつつ、長年の経験と応用力で具体化すれば、リフトアップといえども質の高いカスタマイズカーが完成するのです」
たしかにシッカリ走る、そして走行中に他車を上から見下ろす感覚が病み付きになる。それでいて不安定さがないから、非常に楽しい。
久しぶりに乗ったラムのリフトアップ車は、自己アピールの道具としては最高レベルの1台と言えるだろう。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES