一瞬で人目を奪う鮮やかなオレンジカラーのラングラーは、今年7月に発売された限定車。ラングラー アンリミテッド オーバーランド ナチョ。
ナチョとは「Nachos(ナチョス)」のことで、メキシコの伝統的なスナック菓子。この限定車は、チェダーチーズをかけたナチョチップを連想させると共に、日常を陽気に楽しむライフスタイルを想起させる限定車という。
まあそう言った由来は知らずとも、とにかく素晴らしいカラーリングであった。以前紹介したアイランダーも良かったし、とにかくラングラーは、こうしたポップなカラーリングが似合う稀有なモデルだと思う。
実際、ブラック、グリーン、ガンメタ系のダークなカラーリングとこうした原色のボディカラーの人気は二分されているといい、どちらかというと筆者のようなお年を召した方が原色を好むことが多いというから面白い。
さて、今回このオレンジカラーのラングラーに試乗したのだが、その目的が2つある。一つが「ベストップ」という社外品のルーフが装着されており、その効果のほどを味わうこと。もう一つが2リッター直4ターボエンジンを体感することである。
2リッター直4ターボを搭載した限定車ラングラー アンリミテッド オーバーランド ナチョ。チェダーチーズをかけたナチョチップを連想させる明るいオレンジのボディカラーが素敵。
シルバーアクセント入りのフロントグリルやヘッドランプベゼル、シルバードアミラー、18インチ専用アルミ、ロゴ入りハードタイヤカバーが特別装備されている。
まず、すでに装着されているベストップのルーフだが、ラングラーユーザーにおける悩みの一つが「気軽にオープンを楽しめない」こと。すなわち、以前のモデルよりもルーフの脱着が断然簡素化されてはいるものの、いざルーフを外すとなるとそれなりの気合いとルーフの置き場が必要になる。
だが、この社外品のルーフを装着すれば、それこそ手動のワンタッチ操作でルーフが開けられる。
実際に試してみたが、確かにめちゃくちゃ楽な操作で開く。しかもルーフに使用されている材質も重厚なもので、使用されているルーフレールもガッチリしているから、このトップを装着したい方々の気持ちもわかる。
取材したジープ西東京にもこのトップの装着依頼が結構あるということで、この限定車にあえて装着し、その利便性を体感してもらう機会を作ったということだ。
試乗車にはベストップ社の社外品ルーフを取り付けている。かなり重厚なルーフ。気になる耐候性や雨漏れ等のモニターをジープ西東京では独自に行っている。
ご覧のように簡単に開く。開けたまま走ってみたが幌がバタツクこともなく、違和感等も全くなかった。
写真中央に見える左右二ヶ所のロックを外すと開くことができる。ちなみに、走行中の信号待ち等のタイミングでも開閉可能だった。
気持ち良さは半端ない。開閉も楽だし、ラングラーがさらに楽しくなる。
試乗時にもルーフを開けて走ったが、かなり魅力的。ラングラー自体の走りがすでに個性的だが、オープントップにすることで、さらに一段違った乗り物に乗っているかのような感動を与えてくれるのである。
商品の価格は約15万円、取り付け工賃は約3万円、さらにトップの耐候性は随時テストし今なお継続してモニターしているということだから、信頼性についてもそのうちはっきりとしたレポートが出るはずである。
続いて搭載エンジンについて。これまでラングラーといえば、3.6リッターV6エンジンという車両ばかり取材してきたのだが、ついに2リッター直4ターボエンジンに触れる機会を得た。
この2リッター直4エンジンは、一新されたJL型ラングラーから3.6リッターV6と併売されており、組み合わされるミッションも8速ATと同様であるから、購入時にはかなり迷うと個人的には思っている。
搭載されるエンジンは2リッター直4ターボ。272ps、最大トルク40.8kg−mを発生させる。メクラで乗れば「V6エンジン」と言われても分からないほど力強い。さらに燃費も良い。
インテリアも一新されているから、クオリティが高くオリジナリティもあり、とにかく満足感が高い。
組み合わされるミッションも8速ATであり、その制御もV6から変更はないから、はっきり言って「差がわからない」と言える(笑)
あくまで個人的な印象だが、洗練された現行型には2リッター直4ターボの高性能エンジンの方が似合っていると思っている。
というか、スペック的には2リッター直4ターボ搭載車が車重で20キロ軽量だが、それ以外はエンジンスペック的な違いしかなく、大きな差がないのがかなり不気味(笑)。というか、これだけ違いがあまりない車体&エンジンを2基用意している理由が最初から全く理解できなかった。
普通、2基用意するなら、エンジンスペックに差をつけ、どちらかが上位グレードとなり、その分の価格差も当然ある、というのが一般的ではないか。
だが、この2基のエンジンはパワー差で12psV6が上回るが、最大トルクは5.4kg−m直4が差をつけている。はっきり言って「えー」って感じだった。
■3.6リッターV6:284ps/6400rpm、最大トルク35.4kg−m/4100rpm
■2リッター直4ターボ:272ps5250rpm、最大トルク40.8kg−m/3000rpm
実際、乗ってもあまり違いが感じられない、というのが正直なところ。これは決して悪い意味ではなく、良い意味で。要するに、2リッター直4でも街中走行ではV6に全くヒケをとらない感じだし、正直、メクラで試乗して「V6エンジンモデルです」と言われても恐らく気付くこと終えたに違いない。
そのくらい力がありトルクがありミッションとの組み合わせも良いから、だから個人的には端から直4ターボを選ぶ可能性が高い。が、実際買うとなると、直4ターボの方が価格が約20万円ほど高いという。
聞けば、「高性能エンジンだから」ということだが、確かに納得はする。が、その価格差があるとなると、「V6エンジンを買うかなー」、とも思わなくもない(笑)
Overlandの刺繍入りブラックレザーシートが装備される。雰囲気も質感も申し分ない。
リアシート頭上にはMopar製ハードトップヘッドライナーが特別装備されている。このヘッドライナーは、インテリアの質感を高めるだけでなく、夏場は断熱効果、冬場は保温効果が得られるという。
全体の雰囲気も良く、各部の質感も高く、さらにこの限定車はルーフが簡単に開閉できるようになっているから、その魅力が倍増していると言っても過言ではない。
というか、なぜだか非常に迷うように価格設定ができている。が、その理由も後日わかることになる。以下、ジープ公式サイトのラングラー紹介ページの文言である。
「ラングラー アンリミテッドスポーツ、アンリミテッドサハラ、アンリミテッドルビコン(4ドア)3.6Lの受注受付は終了いたしました。今後、ラングラー アンリミテッド(4ドア)に関しては、2.0Lのみの販売となります」
要約すると、3.6リッターV6は生産終了し、今後は2リッター直4ターボエンジンのみになるということ(4ドアモデルに関して)。
なるほど、そう言うことだったのか。「当初からいつかは2リッター直4のみなることが想定されてきた」ということか。だからその差があまりないような状況が作られてきた…。あくまで個人的な推測だから確証は全くないが、当たらずも遠からず、といった感じではないか。
まあでも、実際に乗ってみたが、2リッター直4ターボでも全く違和感ないし、逆に現代化されたラングラーには新時代の高性能エンジンの方が似合っていると思えるから、全く問題ないと言えるし、悲観することではないと思う。
個人的には2ドアスポーツ+2リッター直4ターボがいつの日か誕生することを願っている。
ジープ西東京の加賀美氏。2リッター直4エンジンについて「差がわからない」という筆者に3.6リッターV6の優れている部分を教えてくれた。特に高速域での加速時のパワー感が違うという。加賀美氏は現行型V6のオーナーである。
※取材時点では「3.6Lエンジンの生産終了」に関しては触れられていない。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES