キャデラックやコルベット、カマロ、そしてダッジチャレンジャー etcといった最新のアメ車たちを器用に整備している飯島氏。そんな飯島氏の愛車はダッジラム。いわゆる旧時代のアメ車である。
余談だが、最近取材をしていて痛烈に感じるのだが、アメ車好きは、原点回帰ではないが、ちょっと古い時代のアメ車に戻りがちである。その時代に魅力が詰まっていることを、いろいろ体験したのちに改めて理解するからだろう。
で、飯島氏だが、2003年型のダッジラムに乗っている。すでに20年前のラムだが購入したのは6年前。その前にシボレーS10ピックアップに2年乗っていた経緯もあり、そのままフルサイズのラムへ。
とはいえ、その時点でのラムは完璧な中古車というわけではなかった。その時購入できる金額内に収まる車両というだけであり、内装のコンディションはあまり良くなかったというが、駆動系の調子を確認し、あらゆる状況に納得して入手した。
「事故車とか故障しているとか、そういう車両でなければ・・・、という感覚です。だってアメリカは訴訟大国ですからね。そんなに簡単に壊れるクルマを販売すればえらいことになるわけですから。だから『故障』するということに不安を覚えることは一切ありませんでした」
なので、色も何も希望はなく、自らの条件に合致するラムを入手。もちろんその後、自ら内外装のリフレッシュを行い、油脂類の交換、定期的な点検も自ら行っている。
すでに6年乗っているということだが、実際その6年間はどんな感じだったのか。個人的に非常に気になるのが整備状況。すかさず「電子デバイスとか使ってチェックしました?」と確認したが、予想外の返答だった。
「全く壊れていません(笑)。デバイスを使って確認もしてません」
では購入後に施した内外装の作業は?
「まず内装は外せるところを全部外し水洗いして綺麗にしました。外装では3インチリフトアップとホイール交換、ワイドフェンダーを装着した程度です。パーツは自分でe-beyで購入して全部自分で取り付けました」
ちなみに内装では、ETCをつけたのみで、ナビやラジオすらないという(笑)非常にシンプルなラムである。
なるほど。購入後メカニズム的な点検はするも、実際の作業は油脂類の交換のみ。それ以外は何もしない状態で全く普通に走っているという。
「明日大阪まで行けと言われても全く不安を感じることなく行けますよ」とのことだから、よほどの状態の良さなのだろう。
では、なぜピックアップに?
「もともとジムニーに乗ってオフロードを走っていました。その後2年間シボレーS10ピックアップに乗っていてピックアップの良さを体感しました。荷台をラフに使えるのって凄く便利なんです。キャンプに行けば道具とかを丸ごと詰めますし。仮に濡れていても全然OKだし。またジェットスキーをやったりもしているので、ラムの荷台も非常に使い勝手がいいです」
この取材の後、ハーレーを購入する予定というから、いつの日かラムの荷台にハーレーを積んだ姿が確認出来るかもしれないのである。
飯島氏は、メカニックとしての修行をつんでいる時から「アメ車のメカニックにしかならない」と決めていたという。で、ジープディーラーに入社し、今現在はつくばショールームにて最新アメ車の整備に取り組んでいる。
そんな彼の愛車・ダッジラムを取材してみて「好きこそものの上手なれ」ということわざを思い出す。
やっぱり「アメ車が心底好きな人に整備をしてもらいたい」と思うのは筆者だけではないだろう。
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