更新日:2022.09.17
文/石山英次 写真/フォードモーター
第7世代のマスタングが発表された。が、現状エクステリアとインテリアが紹介されたのみであり、搭載エンジンの詳細等はまだ発表されていない。
だが、エクステリアやインテリアを見る限りでは再び商品価値が上がるのではないかと思う。
まず、全体的に6代目マスタングがベースになっており、骨格そのものは6代目キープである。そこに新たに調整された5リッターV8エンジンとリニューアルされた2.3リッター直4ターボエンジンが搭載されている。
5リッターV8エンジンは史上最もパワフルなV8と言われており、6代目GTの460hp、ブリットの475hpを超え500hp程度を発するのではないかと言われている。
ミッションも10速ATと6速MTが用意されており、オプションで電子ドリフトブレーキも用意されているという。
またエクステリアデザインは、フロントヘッドライトからボンネットラインに至るまでが一直線のエッジが効いたデザインを採用、7代目はV8GTと直4ターボ搭載とで雰囲気が若干変わっているのがわかる。特にフロントグリルあたりの印象が変わっており、当然GTの方がアグレッシブな印象である。
ボディはクーペとコンバーチブルが用意され、11色のボディカラーが用意され、3色のブレーキキャリパーカラーがチョイスできる。
一方インテリアには大きな変化が見られる。戦闘機からインスピレーションを得た大型デジタルコックピットが採用されており、12.3インチのメーターパネル、13.2インチのセンターコンソールに備わるタッチパネルが目新しい。インフォメントシステムには最新のSYNC4を使用し、ソフトウエアはネットワーク上がアップデート可能である。
この新型7代目モデルは2023年夏から販売が開始されるという。
ということで、ここからは個人的な感想を少々。まず、ちょっと驚いたのが事前の報道で言われていたハイブリッド系モデルが一切用意されていないこと。また、だから当然AWDも用意されず、正直目新しさがインパネのみ、といった感じなのは非常に惜しい。
フォードCEOは、「多くの競合他社のモデルが内燃機関モデル事業から撤退している中、フォードはあえてもう一世代マスタングに投資することは大きな意思表示である」と述べているが、そのベースのほとんどが第6世代のものを使用しているわけだから、どうなの?、と。
というのも、5代目から6代目モデルへの変化は非常に大きかったが、6代目から7代目の違いはエクステリアとインパネのデザイン変化が大きな割合を占める。ボディ構造もサスペンションもそのまま6代目キープである。
だから個人的には、第6世代のビッグマイナーチェンジ版ではないか、というのがワールドプレミアを見た現時点での正直な感想である。
もっと意地悪な言い方をすれば、「多くの競合他社が撤退しているからこそ、そこまでしかできなかったのではないか」とも勘ぐりたくなる。
第7世代の新型マスタングは、確かにカッコイイ。だからそのカッコが欲しいと思えるなら当然買いである。が、今現状で第6世代のマスタングに乗っているならば、あえて乗り換える必要性は感じない。少なくとも現状の発表内容においてはそんな感じを受けている。
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