まず、ダッジバンは、前期・中期・後期と3世代にわたるモデル変遷を経ており、前期が1986~1993年、中期が1994年~1997年、そして後期が1998年~2003年となり、2003年をもって生産終了となった。だからこの車両はダッジバン最終年モデルの2003年型。
さらにショートボディ。他にミディアム、ロングとあるが、ショートボディの全長は4900ミリ。それでいて5.2リッターV8エンジンが搭載されているから、サイズの割りにアメ車らしい迫力を備えた存在としてショーティは一時期日本でも大ブレイクした。
現代でもダッジラムバンは人気であり、専門店ができるほどだが、それでも個体数は減少の一途を辿っており、欲しいと思ってもおいそれと入手できるような車種ではなくなってしまった。
そんな中で、2003年型のラムバンを取材。このダッジバンは、ガレージダイバンが17年前に新車で売ったもの。その証拠がマジェスティックのコンバージョンであること。
内装のシート類がレザー張りのカスタムバージョンにコンバージョンされており、質素なバンの雰囲気に変化を与えた1台だった。
そんな個体が17年ぶりにダイバンに戻ってきた。新車で売って17年、走行距離が約9.1万キロ。
中古車としては距離がかさんでいると思うかもしれないが、ざっと計算して年間5500キロ走行にも満たないから、年式の割には走っていないというのが実際のところ。
内装を見ると、フロントシートにヤレがあった。が、それ以外で「ボロい」っと思わせる部分が全くの皆無だったのが驚きだった。
内装全般は、当時のプラスチック全盛の質素なもの。だが、それが功を奏したのか、ヤレが非常に少ない。例えば、ダッシュボードのレザー張りなんかであれば、恐らくボロボロになっていただろうし、ウッドを使っていれば割れたりしていただろう。が、このラムバンにはそうした瑕疵が全くない。
強いて言えば、上記したシートのヤレであり、それ以外ではヤレ以外にもカビ臭いにおい等の劣化も全くない。
外装においても、まず大きなカスタマイズ箇所がないのが好感だった。ボディの塗装にも現状でヤレを感じる部分はなかったし、ホイールにいたっては純正品だった。
だから中古車として、非常に興味深い状態であり、少なくともこれまでに取材してきたどのダッジバンよりも好感であり、期待を抱かせる1台だった。
さて試乗。見て驚きの個体は、走っても驚きの連続だった。ひと言「最高」。
中古車だから、完全ということは正直ないし、例えば現代の最新ミニバンのよう快適性だってない。が、これまでにダッジラムバンと紹介してきたどの個体よりもしっかり走り、気持ち良くエンジンが吹け、そして確実に止まる。
足回りも、純正タイヤサイズを維持したまま、しっかり整備されてきたのだろう、ロールも適度に抑えられており、アメ車のバンらしい鷹揚とした乗り味を味わわせてくれる。
ボディも、今やレアなショートサイズだから日本の狭い路地においても臆することなく、さらに頭が入れば内輪差等を気にする必要もなく、だが、それでいて日本製ミニバンよりも室内サイズが広大だから、使い勝手の良さも比較にならない。
何よりV8サウンドがたまらない。
小一時間試乗していたが、これだけ良く走るダッジラムバンだからこそ、その人気の高さが改めてよくわかる。少なくとも、クルマとして非常にまともだし、興味があるならとにかく実車を見て確認して欲しい。
ノーマル状態に近い個体だから、カスタマイズ好きなら今後の自由度が増すだろうし、とにかく走りに不安を感じないから、ラムバンファンならとにかく満足できるであろう個体。まさしくダッジラムバン紹介の個体としては神回だと言っていい。
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