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[特集]

ブルックリンスタイルを継承するバーバー『キルカソルヨ』代表・斉藤佳孝

2001 ダッジラムバン & 1959 シボレーエルカミーノ

何千万円もする新車のスーパーカーでも味わえない「おもしろさ」

男臭い世界観を演出するバーバー「キルカソルヨ」代表の斉藤氏に、所有している2台のアメ車と経営するバーバーについてお話を伺った。

更新日:2020.06.29

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ベルエアー TEL 0436265700 [ホームページ] [詳細情報]
     キルカソルヨ 本店 TEL 0432517532 [ホームページ]

「いつかはポルシェ」からアメリカンな世界へ

 ここ数年、いわゆるトラディショナルなバーバー(理髪店)が有名である。ご存知の方も多いと思うが、昨夏ラグビーワールドカップが行われていた時に選手たちが散髪に通うシーンがよく報道されていた。そう、その現場となっていた理髪店もこうしたバーバーとして有名な店舗である。

 今回取材したオーナー、斉藤佳孝氏はブルックリンスタイルを継承するバーバー『キルカソルヨ』の代表であり、時に現場に入るスタッフのひとりでもある。

 斉藤氏は、父の営む床屋業を受け継ぎこの世界に入る。そこからがむしゃらに働き、当時の目標が「いつかはポルシェ」だった。そしていまから20数年前にその夢を実現。そして床屋業のかたわら好きだったアメリカの世界観にどっぷりと浸かっていくことになる。

パっと見強面だが、話してみると笑顔が絶えないアメ車好きの斉藤氏。理髪業歴30年以上、そして現在営むアメリカントラディショナルなバーバー歴20年という重鎮。

取材した『キルカソルヨ』は本店で、その他に2店舗あり、そのなかで浦安にある店舗が一番新しいという。

上記写真のバナーやこうしたペイントはすべて手書き。斉藤氏の知人であるペインターが描き下ろしている。

どちらの車両もベルエアーから購入している。ラムバンには板金作業が必要になったが、ベルエアーにはペイントブースをそなえる工場があるために自社作業が可能である。

アメリカの世界観にどっぷりハマる

 と同時にその頃から乗るクルマにも変化が現れる。当然アメ車である。アストロ、カプリスワゴン、それら同時に所有していた古いポルシェ。そしてトヨタタンドラへと続き、現在の所有車が2001年型のダッジバンと1959年型のシボレーエルカミーノ。

 なんとなくだが、過去に乗っていたアメ車と比べると、今がその延長線上にあるようにも見えるし、斉藤氏の好みがわかる気がする。

 「単なる移動ならプリウスで十分ですが、私はバンやワゴン、ピックアップが好きでして。それらこそアメリカっぽい感じがするんですね。で、普段から2001型のダッジバンに乗っていますが、古さと普通に街乗りで使用できるメカニズムの、ちょうど狭間な年式のような気がしていまして、本当に面白い。これ以上年式が新しくなるとやはりつまらなく感じちゃいますよね、クルマ全般的に」と斉藤氏はいう。

2001年型ダッジバン。ミディアムボディのカーゴスタイル。搭載エンジンは5.2リッターV8搭載。

カーゴスタイルに変更し、そこに「キルカソルヨ」の店名をアレンジしたエアブラシを手作業にて描いている。

内装は、納車後に斉藤氏自身がDIYでウッドを貼り巡らせ、ゴージャスなインテリアを構築している。

これらはすべてDIY作業によるも。

旧車も例外なく普通に乗れる仕様

 1959年型シボレーエルカミーノは、3年前に購入。懇意にしているアメ車ショップ・ベルエアーの高畠氏に注文し、極上の1台を直輸入してもらった。

 斉藤氏いわく「エルカミといえばやはり初期モノだと思っています。こだわりはそこだけ。とにかくこのカタチ、デザインがほんと素敵」

 ちなみに、このエルカミは自宅ガレージの中に普通に収められており、エンジンは一発でかかり、まったく普通に乗っているというから素晴らしい。

 「夜な夜な東京へ繰り出してます。この時期でもエアコンは効きますしね」

ボディカラーに合わせたシートを装備。こちらは納車前にオーダーしてレザー張りのシートを製作してもらっている。

マフラーからも快音が放たれる。

「動かせますか」と確認すると、ひと言「はい、大丈夫」。その後、エンジンは一発始動で、何事もなく普通に走っていった。

外観はバドニックのホイールが入っている以外はまったくのフルノーマル。とにかくフロントウインドーの湾曲が素敵だった。

スーパーカーに2000万円も出す意味がわからない

 一方、2001年型のダッジバンは、入手してまだ間もないとのこと。ただし、完成まで約一年待ちだったという。

 聞けば、もともとカーゴが欲しかったというが、なかなか出物がなく、普通のダッジバンのミディアムボディをベースに、もう一台パーツ取り車を購入。そこからもろもろ移植する等して、さらに後席の窓枠等を板金で埋める等して、さらにペイントと『キルカソルヨ』のエアブラシを手書きで入れ(斉藤氏御用達のペインター作)、そういったもろもろの作業(車両の手配を含む)に約一年かかったということ。

 ちなみに、納車後にご自身で内装をいじり、見事な空間を作り出している。そして日々ドライブを楽しんでいるという。

 「こうした古いものを味わう文化こそアメリカですよ。これって、新車のスーパーカーに何千万円出しても得られないですから。それに、これだけいじってもダッジバンで500万円しない。それなのに楽しい。スーパーカーに2000万円も出す意味がわからなくなりますよね」

シボレーエルカミーノは、1959年に登場したセダンピックアップ。フルサイズセダン(シボレーインパラ)をベースに、リアシート部分をピックアップの荷台とすることで、機動性の高いピックアップとして存在したが、たった2年のみで終了してしまった。いわゆるレア車なのだ。

こんな素敵なリアスタイル。アメ車の黄金期、フィフティーズならではのデザインだろう。

室内もすべてデザイン的センスで溢れた瀟洒なもの。

外観はホイール以外はフルノーマルだが、エンジンには日常生活をこなせるくらいの変化を与えている。実際に毎日でも乗れるというから、コンディションには納得だ。

昨日今日真似してできるものではない

 取材した場所は、千葉県にある『キルカソルヨ』本店の下。なんと、このビル一棟丸々が斉藤氏のご自宅であり、二階に『キルカソルヨ』があり、一階車庫には1959年のエルカミが止まっているという何とも贅沢な場所だ。

 さて、気になる『キルカソルヨ』を拝見させてもらった。ここ最近、こうしたトラディショナルなバーバーは非常に人気であり、日本中で様々な店舗が開かれている。某出版社からこうしたバーバー系のムック本が出ているくらいだから、その人気も一過性のものではないのだろう。

 斉藤氏と話をしていると、常に「本気」というワードが飛び交い、いわゆる「真似事」では太刀打ちできない、積み重ねが大切という。

 『キルカソルヨ』は20年以上前にアメリカン風な理髪店に様変わりし、そこから今日に至るまでに積み重ねてきた「魂」みたいなものが宿っている。店内を見ればわかるが、昨日今日真似してできるものではない世界観で満たされており、そこに惹かれた者たちが客として来店する。二時間程度の取材時間に5人の来店があったが、みな若者であった。

 「男臭い世界観といいますかね。その世界にどっぷり浸かり、本物になる。だから旧車に乗り、タトゥを入れ、ブルックリンのスタイルになりきる。ポイントはひと目見て他との違いが与えられるかどうかですね」

 確かにその通り。ひと目でわかる他社との違い。『キルカソルヨ』の店内はまるで別世界、床屋とは決して思えないこだわりに満ちた空間だった。

 そんな空間を作る方だからこそ、乗っている2台のアメ車もまた、ちょっと違う雰囲気を醸し出しており、それがまた似合っているのだから素晴らしいと思うのである。

颯爽とエルカミに乗り込み、何事もなく走り去る。風貌、話し方、そしてポリシーといったすべてがカッコイイ。もちろんクルマも。

若い時分から自身で苦労し、そして築き上げた現在の地位と世界観。そこに惹かれたお弟子さんたちが何人もおり、千葉各地へと新店舗が開かれているという。

『キルカソルヨ』本店
■千葉市中央区弁天2-16-17
■受付:9:00〜19:00
■定休日:毎週月曜火曜日
(但し、祝日は営業します)

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