TEST RIDE

[試乗記]

5.0リッターV8 DOHCエンジン搭載

2010 フォードマスタング V8 コンバーチブル

この年代ならではの滋味深いエンジンとデザイン

旧マスタングの年式違いのV8コンバーチブル2台に試乗した。年式とパワー差以外にどういった差があるのか。

更新日:2018.03.05

文/吉田昌宏 写真/古閑章郎

取材協力/ガレージダイバン TEL 03-5607-3344 [ホームページ] [詳細情報]

年式違いの二台を乗り比べ

 さて、試乗である。まずは2013年型マスタングV8コンバーチブル。約3.2万キロ走行のディーラー車である。

 赤いボディカラーがなんとも艶っぽく、レザーシートの感触も心地良い。まずはエンジン始動。そしてシートに座りセンターコンソール頭上のボタンを押し続ければ、約20秒もせずにフルオープンが完了する。

 ノーマルでも十分に野太いサウンドが室内に充満しつつ、発進。いつ乗っても思うが、この年式のマスタングの着座位置と視界の良さは特筆に値する。それボディは相当にシッカリしており、ハンドリングも正確そのもの。

 とはいえ、90年代とはいえないまでもどこかに旧車っぽい雰囲気を感じさせるのがこの型のマスタングらしさ。それでも2013年モデルともなると、もはや現代車となんら遜色ないくらいのレベルである。

 くわえて400psを越えるパワー感は素晴らしく、だらだら走ることが可能である一方で、信号ひとつ分をワープするかの如くロケットダッシュを決めることだって可能である。

 しかもハンドリングが十分に安定かつ正確で、右足に軽く力を込めるだけで即座に反応するV8ともマッチしており、ひと回り以上軽いクルマに乗っているかのような錯覚を起こすほどである。

 それでいてローダウンされているにもかかわらず乗り心地が悪化するようなことはなく、ドタバタした衝撃とは無縁なしなやかな足さばきも嬉しい。同時にブレーキフィールも一般走行程度ならビクともしないほど剛性感が高い。

 守備当日は、曇りで風も穏やかな、オープンには最高の一日。サイドウインドーを立てれば、ほとんど風の巻き込みはなく、めちゃくちゃ気持ちいい最高のドライブが可能だった。

写真のマスタングは2010年から2012年の中期型モデル。1964年生まれの初代マスタングが、1967年にマイナーチェンジを受けてリデザインされたのと同じ法則に則って、チェンジを受けている。

速さとかパワーとかトルクとか、そういった数字的な真実とはかけ離れた部分において、人々を熱くさせる何かが宿っている。だからこそ、時が経ってもなお、マスタングは魅力的なのである。この中期型までのマスタングには、そういった昔を懐かしむ方々に、いまだ根強く支持されるのである。

シェルビー製20インチホイール。

スペック差を感じさせない2010年型

 続いて、2010年型のV8コンバーチブルである。約4.8万キロ走行の直輸入車であり、若干のローダウンと20インチシェルビーホイールが装着されているのが特徴である。

 くわえて、社外品のオープン操作ボタンが装着されており、通常、幌を開閉する場合は、その動作中にボタンをずっと押し続けていないとならないが、この車両は、ワンプッシュのみで開閉可能なスイッチにカスタマイズされているのである。

 隣に2013年型がいることで、最初から若干のハンディキャップマッチの様相を呈しているのがかわいそうにも思えたが、実際に乗ってみると意外にも負けていないことに驚いた。

 脳内には、スペック上の違いとして排気量とパワー数値約100hp減と、ミッションの5速と6速の違いがあるということは確認済みであったが、実際に走ってみると、少なくとも実用上の走りや加速感になんら不満がなかったわけである。

搭載されるエンジンは、4.6リッターV8SOHC。319ps、最大トルク44.9kg-mを発生させる。同時に試乗した2013年モデルよりも100ps程度スペック的には劣るが、実際に一般道をそれなりに走れば、それほどの違いは感じない。もちろん、フル加速性を競えば差は明白だろうが。

濃密なV8サウンドは、マスタングの場合、年式が古くなるにつれて濃くなる傾向が強い。速さか味わいか。

組み合わされるミッションは5速AT。

少なくとも一般走行時においては、スペック的な劇的差は感じない。なので、個人的にはデザイン的魅力も加味しこの2010年型を推す。

逆に古い方が良い場合も多分にある

 それに、V8エンジンのサウンドがやたらダイレクトで、雰囲気を感じさせるのはこちらの2010年型であり、低速から中速域にかけては明らかにこちらのエンジンが好みであった。

 2013年型は、2010年型よりも、若干伸びがよく、高性能な感じはするものの、フィールだけを比較すれば、間違いなく2010年の方がより魅力的(個人的な好みもある)。ドロドロって感じのV8サウンドは、より古い形式のエンジンだからこその証かもしれないのだが。

 ボディも、20インチを履いているというものの、嫌な衝撃や硬さは皆無であり、乗り比べた率直な意見を述べれば、それほど劣った部分が露呈しなかったのはかなり意外だった。

 ただ、ミッションに関していえば、5速と6速の違いというよりは、変速タイミング等で6速が優れているのが明白であり、また6速にはシフトノブに「+-」のボタンが装着され、ボタン操作で変速可能になっているだけに、スマートに走らせようと思えば、2013年の6速ミッションがかなり有効であることに間違いない。

 走行中に、国道356にて合流加速を試みたが、2010年型でも300hp以上あるだけに、一瞬のタメの後に爆発的な加速が可能であり、正直、個人的には「これで十分」と思えただけに、2010年モデルだからといって、気にする部分はほとんどないといっていい。

 逆に、往年のマスタングを模したデザインが秀逸であり、雰囲気もあり、マスタングを名乗るなら、2013年型よりも断然受け入れやすいし、カッコイイ。

 だから、どちらかを選べといわれれば、間違いなく個人的にはこの2010年型を入手する。そして、一旦すべてをクリーンな状態に戻し、生涯の友としてそばに置いておくつもりである。

メーターパネル内のフォントやデザインは、液晶メーターが全盛の今のものと比較しても、魅力的だ。決して高級感溢れるものではないが、往年のアメ車から引き継がれる伝統見たいなものを感じさせる。

ちなみに、こちらは2013年型のメーター。デザイン的に非常に魅力的。

シートにはボディカラーと同様のパイピングが施されている。

最新マスタングGTのコンバーチブルも直に上陸

 この2台は、ともに中古車ではあるが、ディーラー車かつ修復歴なしの低走行車と、若干手が加えられているとはいえ、純正感の高いマスタングであって、現在ではそれほど数多くの個体はないだろう。しかもコンバーチブルである。

 現行最新型のマスタングでは、コンバーチブルが直輸入されてはいるが、基本、直4エコブーストモデルばかりであり、V8モデルは皆無といっていい。だからこそ、「V8+コンバーチブル」という魅力的な組み合わせは、旧マスタングでこそ味わうべきであり、今ならまだその上玉が入手可能な状態である。

 ダイバンでは、創業以来常にフォード車を扱ってきており、現状でも常に複数台の在庫車をキープするほどマスタングに強いショップであって、同時に数多くのフォード車を手がけていることもあって、メンテナンスやカスタムにも精通している。

 また別途自社工場を併設されている関係上、一社にて販売からアフターまでのすべての面倒を見てくれるだけに、多くのフォード車ユーザーたちが管理顧客として名を連ねている。

 今後も正規、並行問わずフォードの新車&中古車を販売していくというし、新型マスタングの2018年モデルのGTのコンバーチブルもオーダーしたというから、引き続きフォード車ファンには心強い味方となってくれるはずである。

東京都江戸川区に位置するガレージダイバンでは、常に複数台の在庫車をキープするほどマスタングに強いショップである。同時に数多くのフォード車を手がけているこだけあって、メンテナンスやカスタムにも精通している。だからファン多し。

最近では、60年代のマスタングやサンダーバードといったヒストリックフォードの扱いも開始している。ひょっとすると、全年式のマスタングが店頭に並ぶ日もあるかもしれない。

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