チャレンジャーに乗っているユーザーさんから一通の問い合わせがきた。いろいろ書いてあったのだが、まとめると「チャレンジャーに乗っているが、DIYでバッテリーを交換しても大丈夫か」という内容であった。
要するに一ヶ月程度エンジンをかけることなく置いていたら次に乗った時にエンジンがかからず、そのまま放置の状態が続いているという。その間に一度友人の国産車にてケーブルをつないでもエンジンかからず・・・だったと。
で、そのまま放置してあるために、DIYでバッテリーの交換を検討しているという。
そういったトラブルやメンテナンスに関する問い合わせ連絡は結構あるのだが、とはいえ、我々は編集人であり(笑)メカニカルなことに関しては素人同然のため、代わってBCDスタッフに質問し、バッテリー交換の際の注意事項について取材してきた。
お話を伺ったのはBCDつくばショールームの飯島メカニックである。
▲チャレンジャーのバッテリーはトランクルームにある。
▲バッテリーの寿命が尽き電源が入らなくなるとトランクを開けることがむずかしくなる。だからエンジンルーム内にもターミナルが用意されている。
▲トランクの奥深くにバッテリーが装着されているので作業中に工具がボディと接触してショートさせてしまうようなことが起きないような注意が必要という。
▲バッテリー交換の前に一番重要なのが、交換する新しいバッテリーの規格でありサイズである。
まずチャレンジャーに関して最初に認識しておくことは、バッテリーがトランクルームに設置されているということ。だからエンジンルーム内にバッテリーはないのだが、実はエンジンルーム内には「+−」のターミナルは設置されている。
この理由は、バッテリーが弱くなりエンジンがかからなくなった時にジャンプスタートに使うため。
チャレンジャーは、恐らくだが、フロントに巨大なエンジンを搭載しているために、それ以上フロントを重くしないよう重量が嵩むバッテリーをリアトランク内に移設。それによってハンドリングのレベルを維持しようと考えたのだろう。
だが、リアトランクにバッテリーを設置したことによって、バッテリーが機能を果たさなくなった場合、トランクルームを開けることができなくなるため、ジャンプスタートすることができない。だから、そんな場合のためにエンジンルーム内に「+−」のターミナルを設置しているというのである。
で、この部分を使いジャンプスタートを試みて、それが成功すればひとまず動かすことが可能である。
ちなみに、上記のような事例が起きた場合には、できるだけバッテリーを交換した方がいいという。また完全放電させてしまったバッテリーは有無を言わさず新しいバッテリーに交換すべきとも教えてくれた。
▲ご覧のようにエンジンルーム内にも「+−」のターミナルが設置されている。
▲赤いカバーが付いている部分が「プラス端子」
▲こちらの棒状の部分が「マイナス端子」
▲万が一バッテリー関連のトラブルでエンジンがかからなくなった場合は、こちらを使用してジャンプスタートを試みることが可能。
それともう一つ。現代車両のほとんど全てに当てはまるのだが、現代車両は車載コンピューター、いわゆるPCMにていろいろなものがメモリーされており、例えば、時計やラジオ、ナビゲーション、シートアジャスター(装備されていない車両は関係なし)、パワーウインドー、そしてトラブルコード類 etc。
車両はいろいろ学習しており、また購入後の走行使用においても学習し続けており、バッテリーが完全放電してダメになった場合、そういったものがすべてリセットされてしまうという。
なので、まずはそうならないために可能な限りエンジンをかけバッテリーが使い物にならない状態を避けるべきであり、また万が一そうなった場合には、あらゆる必要機能をすべてセットし直さなければならない(セットし直すことが苦じゃなければ何ら問題はない)。
ということで、BCDではバッテリーを交換する際にはバックアップ電源を取り、12Vの電源を流して完全オフな状態にはせず交換作業を行っている。
それにより、メモリー類は守られた状態のまま、バッテリーを新品に交換することが可能になるのである。
以上のようなことから、チャレンジャーの場合、上記写真のようにボンネットフードとリアトランクが同時に開いた状態での作業が確認できる。
▲チャレンジャーの場合、エンジンルーム内の端子を利用して微弱電源を流し、完全オフの状態にはせずバッテリーを交換する。そのためボンネットフードとトランクハッチの両方が開いたままの状態で作業を行う。
▲こちらが電源を落とさず作業するために使用されているパワーチャージャー。
▲プラス端子からパワーチャージャーを繋ぐ。その次にマイナス端子に繋ぐ。
▲ご覧の状態で微弱な電源が流れている状態が作られる。この状態のまま、今度はトランク内にてバッテリーを外す作業を開始する。
で、以下がバッテリー交換作業の主な手順である。
1・まずはエンジンを止めた状態のままボンネットフードとリアトランクを開け準備を開始
2・エンジンルーム内のターミナルにパワーチャージャーを繋ぎ、微弱電源を流す
↑この状態により、電源オフにはならずメモリー類も守られる
3・リアトランク内のバッテリーのターミナルを外す
4・ターミナルを外す場合は、バッテリーの『マイナス端子』から
5・次に『プラス端子』を外す
↑この順番を絶対に間違えないように
6・そしてバッテリーを交換
↑バッテリーのサイズ、ターミナルのサイズetcを間違えると装着できない場合があるから注意
7・取り付けは『プラス端子』から行う
8・次に『マイナス端子』を取り付ける
↑この順番も決して間違えない
9・端子が外れないように確実に取り付けること
以上、終了
さて、上記の交換作業手順であるが、文字にすると簡単に見えるが、実は結構シビアな部分があるという。だから、DIYで交換する場合は注意すべきポイントがあるので気をつけて欲しい。飯島氏に伺ったポイントは以下の通り。
▲バッテリー交換時の注意事項としては、必ず「マイナス端子」から外すこと。
▲交換作業時の一番重要なポイントは、ショートさせないこと。
▲交換後の装着は、今度は「プラス端子」から取り付け、「マイナス端子」の取り付けを行うこと。
▲「バッテリーの規格が合い、作業中の注意事項についての認識があるのであれば、DIYでの交換も可能です」と語る飯島氏。だが、「そういったポイントポイントの認識があまりない方であれば、専門店に任せた方が安心ではありますね」ということだ。
まずは、チャレンジャーに装着されているバッテリーと同サイズの規格のものをちゃんと用意すること。いざ装着する段になって入らないとか、ターミルナルが装着できないとか、またその逆に小さ過ぎて固定できないとか、そういったバッテリーサイズに関するトラブルが起こる可能性があるから注意。
また、サイズに問題なく、順調に作業を進めた場合にも、バッテリーの『プラス端子』とボディ、もしくは『マイナス端子』を接触させたりするとショートさせてしまう危険性があるため、そういった作業中の危険性に注意することも必要。
ちなみに、バッテリーを交換する際に『マイナス端子』から外すのは、『プラス端子』と工具等を『マイナス端子』に繋がるアース(エンジンルームの金属部分)に接触させてショートすることを防ぐためであるから、そうしたことが起きないような注意深い作業を心がけること。
もちろん、バックアップ電源を取っていない場合は、メモリー類がリセットされているから、そのセットも必要になる。また、最後にDIYでバッテリーを交換した際には、使用済みのバッテリーの廃棄についても考えなくてはならないことを付け加えておく。
ということで、バッテリーに関するDIY交換は可能ではあるが、若干の注意が必要であるということも忘れてはならない。
最後に。諸々取材してみて、たかがバッテリー交換、されどバッテリー交換だな、という思いだった。
だから(あくまで個人的な思いとしてだが)バッテリーの用意から交換、廃棄に至るまで、すべてBCDのような専門店のプロに任せた方がいいと思ったし、なるべく愛車のエンジンをかけ、クルマを動かすことが重要である、と改めて認識したのである。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
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MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
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EXTERIOR
6DEGREES