ここ数年の日本の暑さは尋常じゃない。昨年などは5月くらいから30度を超える日もあって、真夏は40度近くなる。さすがにエアコンレスの車両で日本の真夏を越すのは無理だろう=クルマは問題なくても車内にいる人間が持たない。
それでもクルマは走らせたい。特に旧車においては週一、もしくは二週に一回くらいは走らせたい(調子を維持するために)。だから早朝や夜間を狙って試走するユーザーも多い。
だが、それでもエアコンレスでは厳しい。ということで、朗報。エアコンレス車両に装着可能な電動クーラーの存在である。
この電動クーラーは、取り付け場所の自由度が高く、電動コンプレッサー式のクーラーなのでエンジンへの負担がない。よって装着したことでパワーダウンやオーバーヒート等のネガティブ要素が非常に少ない。
▲エアコンレスのポルシェ356に電動クーラーを装着する作業に同行。
▲装着パーツはコンプレッサー、コンデンサー、コントロールユニット、そして室内に装着するエバポレーター(吹き出し口&エアコンオンオフスイッチ付き)である。
▲ポルシェ356はリアエンジンのためフロントボンネット内にコンプレッサーとコントロールユニットを装着した。
唯一ある要素としては、電動コンプレッサーを動かすための電気を余分に使用することになるから、大容量のバッテリーに変更する等が必要になり、またエアコンホース等の配管を通すための通路を確保するために穴を開ける必要がある。
だが、それによって想像以上の冷風が車内に入ってくるからその効果は絶大だと思う。ちなみに、今回ポルシェ356に装着している作業に同行したが、作業は約3日。パーツ代&工賃含め約25万円也。
ということで、それ以前に装着した37フォードとポルシェ356の作業を紹介する。
まず、装着作業の流れをざっと紹介する。まずは、装着パーツであるが、コンプレッサー、コンデンサー、コントロールユニット、そして室内に装着するエバポレーター(吹き出し口&エアコンオンオフスイッチ付き)である。
これらの設置場所をクルマごとに考え、そしてそれらを付属の金具とともに設置する。で、それらを配管ホースで繋ぐ。これが一連の流れ。
▲エアコン配管ホースを繋ぐために、エンジン後端の一部に穴を開けホースを通し、それをエバポレーターに繋ぐ。
▲コンデンサーはフロント右フェンダー内前方にワンオフ装着しているからエンジンの熱害を直接受けないので冷える。
▲電動エアコンキットに備わるエバポレーターは、正面と左右に吹き出し口が備わるアンダーダッシュタイプ。
ポイントとなるのが、これらパーツの設置場所は自由自在。今回ポルシェ356はリアエンジンのためフロントボンネット内がトランクスペースになっているから、そこに設置。
余談だが、クルマによってはリアトランク内に設置することも可能だし、それに対応可能な長さのホースも用意されている=これらの設置場所の違いや変化により工賃は変わる。
ポルシェ356に戻るが、コンプレッサーとコントロールユニットをボンネット内に装着し、コンデンサーはフロント右フェンダー内前方にワンオフ装着している(エンジンの熱害を直接受けないので冷える)。
そしてそれらを配管で繋ぐために、エンジン後端の一部に穴を開けホースを通し、それをエバポレーターに繋ぐ。電動エアコンキットに備わるエバポレーターは、正面と左右に吹き出し口が備わるアンダーダッシュタイプで、これまた車種によって取り付け場所や方法が異なる。今回はインパネ中央に吊り下げ装着している。
▲重要な過程となるのが配管ホースのフィッティング。
▲つなぎ目から漏れが発生すればすべてが台無し。
▲ダイバン千葉工場においては、専用のカシメ工具を所有しているから自社でカシメを行うことが可能。
▲配管ホースの長さを自由に決めることが可能であり、余分な費用やホース製作の日数がかからない。
で、ここからが重要な過程となるのが、配管ホースのフィッティング。金具とホースを装着する際には、金具のカシメが必要になり、これがうまくいかないと漏れが発生する。
だが、ダイバン千葉工場においては、専用のカシメ工具を所有しているから、あえてホースのみ専門店で製作する必要はない。自社で配管ホースの長さを決め、自社でカシメを行うことが可能であるから、余分な費用やホース製作の日数がかからない=どんな車両にも装着可能な体制になっている。
さらにもう一つ。すべてのパーツの装着を行った後にエアコンガスの充填が必要になる。R134aのガスを600g充填。ダイバン千葉工場においては、これまた自社で可能な機器(250万円はする)を所有しているから、漏れの確認、ガスの充填を行うことが可能である。特に漏れの確認が重要であり、カシメの部分がちゃんと機能していることが確認できる。
▲すべてのパーツの装着を行った後にエアコンガスの充填が必要になる。
▲R134aのガスを600g充填。
▲ダイバン千葉工場においては、自社で可能な機器を所有しているから、漏れの確認、ガスの充填を一度に行うことが可能。
▲スナップオンの機器はR134aガスと1234yfガスの両方に対応可能であり、ガス充填のみならず、エアコン不調等の確認や整備にも対応可能。
ちなみにこの機器は、R134aガスと1234yfガスの両方に対応可能であり、ガス充填のみならず、エアコン不調等の確認や整備にも対応可能である。
ということで、約30分程度でガス充填と漏れの確認を終え、スイッチオン。ポルシェ356の車内が強烈な冷風によって冷やされた! 噂の電動クーラーは旧車の救世主になるかもしれない。
最後に。この電動クーラーに関しては、あくまでエアコンレスの車両に対応するもの。もともとエアコンが装着されているが、今壊れて使えないという車両に関しては、そのエアコンを修理、または新品に交換する方が望ましいということだ。
▲吊り下げ式のエバポレーターには中央と左右に吹き出し口がある。
▲すべての作業が終了後にスイッチオン。予想以上の冷風が室内を満たした。
▲ダイバン千葉工場においては、ホースのカシメからガスの充填まですべての作業が自社で可能になるから、作業日数や工賃が抑えられる。
▲ガレージダイバン江戸川店に在庫されている37フォードにも装着。こちらも吊り下げ式の吹き出し口。
▲コンデンサーはフロント右フェンダー内後端にワンオフ装着している。
▲エアコン配管ホースを繋ぐために、ホースを通すための穴を開ける。37フォードはご覧の位置に。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES