更新日:2020.11.12
文/椙内洋輔 写真/トヨタ
北米トヨタが誇るミニバン、トヨタシエナ。2011年に現行型にモデルチェンジし、日本でも逆輸入車ブームに乗ってかなりの台数が直輸入されている。
そして、このシエナの魅力はひと言、国産ミニバンにはない「走り」の性能である。
いわゆる国産ミニバンは、背の高さを優先し室内空間を稼ぎ出しているからこそ高速性能ではイマイチ安定感を欠き、「まあでもミニバンだから仕方ない」という認識にて成り立っていた。ちなみにシエナとトヨタアルファードの全高は20センチ以上違う(当然シエナの方が低い)。
だからシエナが登場した時は、ミニバンとしての空間容量の多さと重心位置の低いバンとして走りにも満足し、さらには「トヨタの左ハンドル車」としての珍しさ(優越感)が、多くのユーザーの興味をひいたのである。
そんなシエナは2017年以降二度のマイナーチェンジを繰り返し、そろそろフルモデルチェンジかも、と言われ続けて2020年モデルへ。そしてついに2021年モデルが発表された。
これまた現行モデルの延長線上のマイナーチェンジが施されたのだが、ここでひとつの大きな問題が現れた。そう、トヨタシエナ2021年モデルは日本への直輸入が不可能になった。
2021年型トヨタシエナは、これまでの搭載エンジン、3.5リッターV6を捨て、全グレード2.5リッター直4ハイブリッドへと改められた。それ以外にもエクステリアデザインやインテリア等に変化がもたらされた結構なマイナーチェンジである。
搭載エンジンの2.5リッター直4ハイブリッドであるが、直4エンジンのパワーは189hp、最大トルク176lb-ftを発生させ、前後に搭載されたモーターのフロントは180hp、リアは54hpを発生させる。それに合わせ、ミッションはeCVTへと変化している。
だが、現状、日本に電気自動車やハイブリッドを直輸入することは法規上不可能である。だから、先日登場したGMCハマーも日本に持ち込んで登録はできないし、このシエナも無理である。
ちなみに、トヨタがシエナを日本仕様として発売することになればもちろん入手可能であるし、電気自動車に関してもテスラであれば購入可能であるから、例のサイバートラックも恐く入手できるだろう。
要するに、搭載電池の問題等があり、個人的な輸入が認められないということで、だがそれも、メーカーによる大規模な輸入であればメーカーの責任上輸入が許可されるということらしいから、個々の直輸入は認められないということである。
ということで、非常に残念なお知らせだが、今後トヨタシエナを入手するのであれば、2020年の新車およびそれ以前の中古車ということになる。
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