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フォード浜野店を引き継ぎサービス認定拠点へ

株式会社 高畠

ゼロから築き上げた信頼と実績

フォードジャパンの撤退後、千葉浜野店ディーラーの後を引き継いだサービス認定拠点・株式会社高畠を取材した。

更新日:2022.01.19

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/株式会社 高畠 TEL 0436-41-7111 [ホームページ]

ゼロから一気に600台超のフォード車担当へ

 京葉道路蘇我インターチェンジから約10分、巨大な整備工場・株式会社高畠。広大な敷地に5台以上のリフト、板金施設や自社塗装ブースを備え、クルマに関するあらゆる事象に即応できるマルチショップとして有名であるが、そんな高畠はフォードサービス認定拠点でもある。

 2016年9月末日をもって日本事業を撤退したフォードジャパン。その後の日本国内での部品供給、車両保証継承、リコール及びアフターサービス業務をピーシーアイ株式会社が引き継いだわけだが、高畠はそのピーシーアイからフォード浜野店の引き継ぎ業務の依頼を受け、認定拠点として活動している。

 フォード浜野店とは、これまた京葉道路蘇我インターチェンジから5分程度の位置にかつてあり、高畠とは約3キロ程度の距離感。だからフォード浜野店のユーザーにとって約3キロほど通うための距離が延びるかもしれないが、それでも「近場に浜野店の引き継ぎ店がある」という事実が多くのフォードユーザーを安心させたに違いない。

 とはいえ、高畠がいくら巨大な整備工場とはいえ、「右から左」といった感じで引き継ぎが行われたのだろうか? 高畠フォード担当の井川氏に話を聞いた。

 「そんな簡単ではないです(笑)。引き継ぎが決まった後に、お客様に浜野店の業務移転をお伝えする段階で600名以上のフォードユーザー様がいました。要するにこれまでの既存の高畠の顧客リストに、600台超のフォード車の整備業務が追加される、ということですから、準備と対応が非常に重要でした。というのも、全くのゼロからのスタートでしたから」

▲京葉道路蘇我インターチェンジから約10分のところに位置する株式会社高畠。広大な敷地内には整備リフトだけでなく、板金施設や自社塗装ブースを備え、クルマに関するあらゆる事象に対応可能。

▲取材時にも多数のフォード車が整備されていたが、実際には置き場にさらなる数のフォード車が整備待ちしているという。

▲引き継ぎ当時で600台超、現在はその2/3程度の顧客が残っており、定期的な点検等をこなしていると語る井川雄介氏。また新規のユーザーも少なからずいるということだから、まだまだフォード人気健在と言えるだろう。

もともと7対3の割合で外車メインの整備工場だった

 まずは、浜野店から特殊工具や各種整備機器を譲り受け、メカニックスタッフが一名移籍。さらにフォード専用の電子デバイスを購入し、正規ディーラーとして必要な各種純正パーツや油脂類のストックを設ける。

 そして電子デバイスの使い方から解釈の仕方までを習い、整備方法を徹底的に仕込んで行ったのだが、さすがは高畠、それまでも外車&国産車の整備を行っていただけあって飲み込みが早く、引き継ぎ業務は順調に進んでいった。

 「もともと7対3の割合で外車メインの整備工場であったというのもありますが、それでも電子デバイスの使い方や車種ごとの知識はまるでなかったので、その部分での慣れが必要でしたし、かなり難しい部分ではありました」

 さらに聞けば、「フォード車の場合、アメリカフォード車と欧州フォード車とで整備対応が異なっており、どちらかといえばアメリカフォード車には比較的早い段階で順応できましたが、欧州フォードの場合は『メカニックならこんなの知っていてい当然』といったようなデバイスの使い方なので、両方を使いこなすのに、かなりの時間が必要でした」

▲機械的なパーツの整備に関してはもともと自動車整備工場だっただけにすぐに慣れたが、電子デバイスに関してはその使用法から解釈に至るまでこれまたゼロからのスタートだっただけに大変だったという。もちろん今では難なく対応可能だ。

▲ディーラー整備であるから、あらゆるパーツの純正品を使い、また純正品のストックを持ち(下記に写真あり)、バッテリーに関しても当然純正品を在庫し使用している。

▲整備する際に必要となる整備情報をプリントアウトし整備時に確認できるようにしているというが、そのプリント用紙の数が分厚く膨大な量で驚く。

▲こちらのクーガは納車前の最終チェックをこなしクリーニングしている状態。

実際には「ほとんど壊れない」というのが真実

 ちなみに、実際のフォード車ってどうでしたか?

「正直、引き継ぎ対応時には『結構トラブル多いのかな』と思っておりましたが、実際には『ほとんど壊れない』というのが真実であり、私自身も驚きを感じていたくらいなのです。が、若干、距離を走れば、センサー類の消耗等が起きることがありますが、それ以外は通常の定期点検と消耗品の交換で十分に乗れるのがフォード車です」

 また、これまでにハマったトラブルってあったのでしょうか?

「ハマったトラブルといのはありませんが、引き継ぎをして5年以上経って初めて経験したという診断はあります。具体的にはエンジンが始動しなくなるというトラブルでしたが、電子デバイスを使用し診断するとこれまでに経験したことのない想定外の診断結果が出て驚いたというものです。最終的にはその診断通りのセンサー交換で修理できましたが、引き継ぎ5年以上で初めてのトラブル事例でしたので、新たに勉強になったという感じです」

 引き継ぎ業務が開始されてから5年以上が過ぎたが、高畠はまるではなからフォードディーラーであったかのような振る舞いであったし、今でも「年10件弱程度の割合で新規のフォードユーザーがやって来る」ということだから、認定拠点としての役割を確実に果たしているということが言えるのである。

▲本文中にあるように、昨年初めてのトラブル事例に出会ったというが、現在の電子制御車両には電子デバイスを駆使したトラブル解決が必要になり、また車両ごとの解釈が必要になり、常に勉強が必要ということだ。

▲フォード認定拠点になって5年超だが、まるで昔からフォードディーラーのような豊富な整備車両と対応力であった。

▲余談であるが、屋内の作業ブースでは旧時代のコルベットの復刻作業が行われており、整備、板金、塗装と自社で作業可能な対応力を物語っていた。

▲2010年型リンカーンMKXを2013年に認定中古車で購入された辻さん。フォード浜野店で購入し、フォードジャパン撤退後は高畠に通われている。

2010年型MKXと2015年型フィエスタ

 そんな高畠に、引き継ぎ当初から今現在も変わらず通い続けている辻康博氏は、2010年型リンカーンMKXのオーナーである。

 「2013年4月に浜野店にて認定中古車のMKXを購入しました。そして今、妻が2015年型フィエスタに乗っています。それは浜野店で新車で購入したものです」

 辻さんの愛車遍歴はひと言、凄い。マツダファミリアに始まり、レーザー、テルスター×3台、モンデオ×3台、ヒュンダイサンタフェ、ヒュンダイi30と続き、現在のMKXへ。奥様もフェスティバ、フォーカス×3台、フィエスタとフォード関連の車両が勢ぞろい。

 「もともと会社関連の繋がりもあり、『買わされた(笑)」という感じですが、私はそれが嫌ではなかったのでこうした遍歴になったという感じです。で、i30の頃から浜野店に整備で出入りしてまして、その時見たMKXにドキッとしたわけです。でもその時はリンカーンということだけで、どんなクルマかは知りませんでした」

▲リンカーンMKXは、2006年にデビューした同ブランド初のミッドサイズCUV。2008年から日本でも発売が開始され、この型は2010年まで存在。2011年には全面刷新されたニューモデルがデビューしている。

▲辻さんはそんなMKXの最終モデルを購入。2万3000キロ走行の認定中古車であったが、ノントラブルで現在の15万7000キロの距離を刻んでいる。

▲リンカーンならではの雰囲気を備えるインテリア。明るい色のメープルウッドが良いアクセントとなっている。

▲楕円形のメーターリングやアナログメーターもリンカーンならではの雰囲気を醸し出す。

運命的出会いに即決購入

 浜野店で一目惚れ的な出会いをした辻さんであるが、その時点では既に「予約済み」となっており、「素敵だが買えないのか」と記憶の一部に残る程度であったという。

 だが、それから二週間後に再度浜野店に訪れると意中のクルマがまだそこにあった。聞けば、予約がキャンセルされたらしい。ということで、その時点で即決したという。

 「もともと右ハンドル信者といいますか、左ハンドルに乗ったことがなかったんです。が、その数ヶ月前にハワイのホノルルマラソンに妻と出場しまして、ハワイでレンタカーを借りたんです。左ハンドルのコンバーチブルです。それで左ハンドル車の魅力を知り、その半年後にMKXに出会い一目惚れしたんですね。ハワイで左ハンドルに乗っていなければ、MKXの購入もなかったと思います」

 ある意味運命的な出会いだった辻さんとMKXではあるが、購入から約3年後にフォード撤退が発表される。

 「とにかく『えー』と言った感じでした。2台もフォード車を抱えているわけですから。修理やパーツはどうなるのかって不安は確かにありましたが、結論から言いますと、『何の問題もありませんでした』。浜野店から近い距離というのも良かったです」

 認定中古車の2010年型MKXを2013年に2万3000キロ走行状態で購入し、いま現在15万7000キロを走破しているが、大きな問題は全くない。取材時にフロントヘッドライトのリレーを新しく交換していたが、それ以外は定期点検と消耗品の交換のみで、約9年間で13万キロ超を走破している。

 余談だが、奥様のフィエスタは新車から6年超で6万キロ走行しているが、トラブルは全くないというから、フォード車自体の信頼性の高さと高畠の定期点検が確実に効いているという証左だろう。

 辻さんは、普段はフィエスタに乗ることが多いということで、MKXには旅行等(釣り好きだそうで)の遠出がメインということだが、それでもMKXのデザインから走りまで全てをこよなく愛している辻さん曰く「ずっと乗りたい」ということだから、今後も高畠はしっかりと役割を果たすことが求められるだろうし全うするであろう。

 それにしても今見るリンカーンMKXは非常に素敵である。ボディカラーのライトアイスブルーの雰囲気も最高だし、とにかく丸っこいボディが新鮮である。それでいてインテリアがザ・リンカーン的な趣なのが素晴らしい。

 辻さんはMKXを「ちょっとクラシカルな」と表現していたが、筆者には近未来的なデザインに見え、すべてにおいて個性的にな存在に思えたのであった。

 しかも15万キロ超という長い距離を走っているにもかかわらず、まるで何事もなかったようなクリーンなコンディションを維持している現在の姿が本当に羨ましく思え、「この先もこの状態をずっと維持して後世に残して欲しい」と思ったのであった。

▲取材時にはフロントウインカーのリレーを交換されていたが、「これまでの約9年間でトラブルは皆無であり、半年に一度の定期点検を繰り返すのみです」という。

▲この年代のディーラー車のMKXなんて、イマ日本にどのくらいの数が残っているのだろうと思い某カーセンサーで検索したらゼロでした(笑)。

▲すでに5年以上高畠に通われている辻さん。引き継ぎ時は不安もあったというが、「今は全く心配していない」という言葉が、高畠の苦労や努力等のすべてを物語っていると思う。

株式会社 高畠 八幡支店
■住所:千葉県市原市八幡北町3-4-3
■電話:0436-41-7111
■営業時間:9:00〜18:00
■定休日:祝日

▲筆者は、一台のクルマに長く乗りその方とクルマが刻んできた時を振り返ってもらい、その話を聞くのが非常に好きなのだが、辻さんとMKXの話も非常に面白く、羨ましいとさえ感じたのである。末長く大切に!

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