岐阜県岐阜市の西部に位置するフォード岐阜。フォード岐阜は、フォード四日市、フォード松阪との3店舗によるFLCグループの一つであり、フォードジャパン撤退後においても独自ルートによるフォード車の新車の発売を継続している。その内容はマスタング、エクスプローラー、フォーカス、プーマ、フィエスタetc。
なかでもUK仕様の右ハンドルのマスタングは大人気であり、すでに日本全国に納車経験を持つほど浸透しているという。
ちなみに、クーペがV8、コンバーチブルは2.3リッター直4エコブーストという設定であり、ともに右ハンドルのみである(左ハンドルの新車は扱わない)。
「フォードジャパン撤退時に遡りますが、その当時直4エコブーストの人気が非常に高く、続いてマスタングが右ハンドルで輸入されるという事実がありました。すでに予約を受けていた方もいたくらいで、その右ハンドルマスタングデビューというまさかのタイミングで『撤退』という情報が流れ、入荷も頓挫になったしまったわけです。が、その後『V8欲しい』『右ハンドルに乗りたかった』というお話を様々なオーナー様やファンからいただいたのです」とセールスリーダーの陣野力氏。
その時のユーザーやフォードファンからの言葉をきっかけにFLCグループは動き、独自ルートを開拓。それにより2018年からUK仕様のマスタングを直輸入させている。
同時にエクスプローラーを大量入荷させ、フォードジャパン存在時のラインナップには存在しなかった2.3リッター直4エコブースト仕様の4WDの独自販売を続けている。さらにUK仕様のフォーカスやプーマ、フィエスタ等も輸入し、欧州フォードのファンを満足させている。
「おかげさまで、右ハンドルのマスタングは今や日本全国規模での納車経験を持つに至ります。またエクスプローラーも、この型の新車を持っているのは弊社グループのみと言っても過言ではありませんから引き合いは多いです」
とはいえ、これらUK仕様のマスタングやエクスプローラーは最初から受け入れられたのだろうか。
「はっきり言いまして、問い合わせや展示車の見学といった方々は非常に多いですから興味を持っていただけていると自負しております。
ですが、それと同時に『不安を抱いている』のも事実だと思います。ですので、その不安を解消させるのが私共の仕事だと思っております」
その不安要素の一つが地域的なものであり、整備の問題であるという。
「まずパーツの問題はピーシーアイがおりますから心配はありませんと。また整備に関しましては遠方の方々には日本全国に存在するフォード認定サービス拠点をご紹介し、もしその方の県にサービス拠点が存在しない場合には、その方の地域で外車整備が可能な店舗を探し、お話を通す事までこちらでいたします。
そして何か困った場合には情報を提供したりパーツを手配したり。そうした細かな状況をも想定したご説明させていただいております」
こうしたフォローアップにより、今や日本全国に納車経験を持つほど右ハンドルのマスタングは浸透し、V8バリエーションの「ブリット」は完売、また今後も右ハンドルのマスタングが続々入荷するというから素晴らしい。
一方、エクスプローラーに関しても、日本全国からの引き合いが多く、特に「新車で乗れる」というところに価値を感じるが方が多いという。プラスしてエクスプローラーの場合には、フォード撤退以前からメカニズムの対応を行っているから、そういうった部分でも安心して勧められるという。
「数多くのエスプローラーを納車しておりますから様々な個体の状況や整備対応、その他ノウハウが充実しておりますので、そう言ったアドバイス等も可能ですし、アメリカ的な作りのお話も事前にしたりして、可能な限り満足できるよう対応しております」
こうした営業的なフォローアップのみならず、すなわち言葉だけで埋めあわせるのではなく、実際の対応力や工場の能力等がしっかりと伴っているのがFLCグループでありフォード岐阜であり、特に工場は過去のディーラー車のみならず、最新のUK仕様のマスタングやプーマ、フィエスタにも対応しているということで常に能力の向上が求められる。
整備や故障診断に欠かせない電子診断機に関しても、今なお初めて経験するトラブル事例に出会うこともあり、そうした事例の対応を行っていくことでメカニックの能力も次第に上がり、他店では対応できない事例の対応が行えるようにもなり、そういったもろもろ全ての作業がユーザーの安心感や満足感を導き=独自導入している右ハンドルのマスタング人気へと繋がっているのである。
さて、いろいろなお話を聞いている最中に2名のオーナーさんがやって来てくれた。まず最初のお方が2018年型エクスプローラーに乗る大澤光希さんである。
大澤さんがこのエクスプローラーを新車で購入されたのは約半年前の昨年8月。
もとはマツダCX−5に乗っており、フォードエクスプローラータイタニアムへの乗り換えを検討し始めた。エクスプローラータイタニアムとは、3.5リッターV6ツインターボエンジンによる370psを発生させる4WDマシンである。
大澤さんはアウトドア好きで、雪山やキャンプといった遊びにも使い倒すために4WDを求めており、かつアメリカ的な大柄スタイルのSUVということでエクスプローラータイタニアムを探し始めたが、数が少ないということと個体差によりなかなか良い物件を見つけることができなかったという。
そんな時にフォード岐阜にも訪れ、陣野さんから様々なアドバイスを聞くことにより、2.3リッター直4エコブーストターボ4WDの新車に巡り合った。
「購入を決めるまでは長かったですが、決めてからは早かったですね。実際に乗ってみますとさほどパワー不足は感じませんし、燃費も高速走行で10キロ以上は走りますから、パワーと実益を兼ね備えたマシンだと思います」
まだ購入して半年足らずということだが、すでに9000キロ以上走り、オイル交換を終えているということだから、この走行距離を聞いただけでもいかに大澤さんが満足しているかがわかるだろう。
続いて篠田智也さんである。篠田さんは2007年後半に2008年型マスタングV8を新車で購入されている。もちろんフォード岐阜でである。
それから約14年、コツコツとDIYでパーツを集めては装着を繰り返し、現在に至る。もちろん違法改造にはならないよう、岐阜に確認し、パーツを購入&装着を行っている。
「もともとセダン好きでグロリアに乗っていまして、クラウンに乗り換えを検討中に『奥様からクーペにして』と。『セダンはオヤジ臭いから』と。そんな時にちょうどマスタングと出会い新車で購入しました。それが2007年後半です。箱型ボディっぽい旧モデルの復刻デザインが気に入りました」
そしてそれから14年経つが、その間には「フォードジャパン撤退」があったが、その時はどうされたのでしょう。
「今の状態があるのはフォード岐阜のおかげです。彼らの整備力を実感し、彼らがいることで『まだまだ乗れる』と信じてました。ですから、ジャパンが無くなろうとも、フォード岐阜があれば構わない(笑)そんな気持ちでした。ここがあれば実際に維持できてますしね」
なんと篠田さんのマスタングは、14年所有しているにもかかわらず走行距離が2万2000キロ程度。はっきり言って超良好なコンディション。こんな年式の低走行な個体は二度と手に入らないだろう。
「でもね、10年くらい経ってちょっと色々ありましたね。オルタネーターとか。しかもメカニックからも『乗らな過ぎもクルマによくありませんよ』とも言われてる(笑)から、これからは乗ろうと思う。ずっと所有していきたいし」
篠田さんのマスタングには手が加わっているが、お言葉通り違法改造をしていない分、すっきり見え、それがまたカッコイイ。特に丸目ヘッドライトと箱型ボディが似合っていて、後付けしたロナールのフロントバンパーとのマッチングもいい。
しかもフォード岐阜により状態も維持されているから今後も長く乗れるだろうし、是非とも末長く維持し続けて欲しい。
ということで、2名のオーナーさんは実に対照的なオーナーさんではあったが、フォード岐阜の「今」を象徴しているかのような存在でもあった。
方やフォードジャパン撤退前の14年前に新車を購入。方や今からちょうど半年前に同じく新車を購入している。
両者を通じて言えることは、フォード岐阜は、ジャパン撤退にかかわらず長年に渡りフォードユーザーに安心感と満足感を与えているということ。
特に今現在も独自開拓することで新車を販売していることには感服するし、そのためのコストや企業努力をも含め、「すべてはフォードユーザーのために」を貫き続けているということである。
だからこそ、こんなディーラーがある近隣ユーザーはとても幸せだし、羨ましいと本気で思うのである。
フォード岐阜
■住所:岐阜県岐阜市西河渡2-5
■電話:058-254-0330
■営業時間:10:00~19:00
■定休日:水曜日
283,800円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
183,250円
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272,800円
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3,553円
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