11月2日~5日にラスベガス・コンベンションセンターにて開催された世界最大級のアフターマケットの祭典『SEMA SHOW 2021』において、1台のフォードマスタングが来場者の熱い視線を集めた。この車両こそが、以前製作過程をリポートしていたジェットシティのデモカーだ。
ジェットシティのマスタングは「日本から持ち込まれた車両だから」とか「日本人がカスタムしたから」といったビジターに対する興味から注目された訳ではない。
車両の周囲には、日本を感じさせる様な装飾は一切施されていなかったし、そもそも車両はカリフォルニア州に本拠地を持つユニバーサルエアー社のブースに展示されていたので、このマスタングが日本で製作された事など来場者の誰も知らないからだ。
しかし、この車両が派手なカスタムカーを見慣れた来場者の注目を集めた要因が、日本人ならではの精緻で完成度の高いカスタム内容にあったのもまた事実だ。
要するにこの車両は、来場者に「普段から見慣れたアメリカ製のカスタムカーとは何かが違う」と思わせる存在感を醸し出していたというわけだ。
この車両の製作を行ったジェットシティ代表の萩原氏は、SEMA SHOW 2021の開催中ずっと車両の側に居たそうなのだが、入れ替わり立ち替わり、様々な人から質問責めにあったそう。
質問者によって内容は違うが、中でも多かったのがカスタムペイントに対する質問で、これに関しては「最近のアメリカでは塗装ではなくラッピングによるボディメイクが主流なので、TMオートサービスの市場氏によるペイントとA-HAND AYAさんの手になるリアルフレイムスのエアブラシアートが逆に新鮮に感じられたのでしょう」と分析していた。
また「この車両のためにフルオーダー製作したカスタムエキゾーストも大きな注目を浴びました。複雑なデザインはもちろん、その溶接技術の美しさはアメリカにはないものなので『こんなマフラーは初めて見た!』と驚く人が多かったですね」とお話ししてくれた。
このマスタングはSEMA SHOW 2021のアワードの受賞はならなかったが、翌週にサンディエゴで開催されたオートショーでは大賞を受賞。
また、現地のメディアの取材依頼も多かったそうで、日本のアメリカンカスタムの技術が、本場であるアメリカにも決して引けを取らないレベルにある事を証明したのである。
なお、このマスタングは来年1月に開催予定の東京オートサロン2022に出展されるそうなので、幕張メッセまで行ける方はぜひその目で見てみてほしい。
ということで、以下全貌である。
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