「悪いけどこのフルサイズバンを運転してくれない?」。突如そんなことを言われたら、あなたはどんな反応をするでしょう? 「ちょっと待って! 心の準備させて!」とか、「運転するときの注意事項は?」とか、とにかく誰かにレクチャーをもらいたくならないだろうか? まさにそれが、一般の人がフルサイズバンに対して抱きがちな反応である。フルサイズバンと聞いただけで必要以上に大きさのイメージをふくらませてしまい、フルサイズバンを運転するためにはそれなりの技術とテクニックがいるものと誤解してしまうのだ。
実のところ、フルサイズバンを運転するのにこれといった特別なテクニックは必要ない。もちろん普通のクルマと比べたら車幅もあり全長も長いので、幅寄せは気を使うし、転回の際には内輪差を考慮に入れなければならないが、普通の道を普通に走る分には何の支障もない。むしろフルサイズバンだから恐いという先入観の方が運転を誤る可能性があって危険かもしれないほどだ。乗ってみるとすぐ分かることだが、フルサイズバンは基本的にスクエアなボディデザインをしていて、見切りは非常に良い。ドアミラーも大きいしサイドウインドー、リアウインドーともガラス面が広く設定されているので、目視すれば一度に周囲が見渡せる。走行を始めてものの30分もしないうちに運転には慣れてしまうだろう。
特に2003年以降のモデルなら、ボディ剛性の向上や足回りのフワフワ感が減り、ステアリングの反応や正確さも格段に向上している。だからこそ普通に走っていればそれこそ普通の左ハンドル車の気分で運転できるようになるのである。
ここで紹介するGMCサバナの第一印象も、「なんて快適で、なんて普通に乗れるクルマなんだろう」というものだった。これだけ車格のあるバンで、しかもアメ車なら、当然乗り味もフワフワしたものだろうと想像していたのだが、実際に乗ってみると実にカチッとした走りをして完全に想像を裏切られた。若干コーナーでロールする感じはあるものの、意外に小回りが利くし、パワーもあるので非常に快適。しばらく乗っているとフルサイズバンであることを忘れてしまうほど、ごく普通に走らせることができるのである。
さらにコイツはスタークラフトのコンバージョンだ。スタクラならではの装備品の数々は非常に豪華だ。本革レザーの肌触り、リアルウッドパネルの質感、そして広々とした室内空間。乗り味も含めて、まさに乗客の気分はファーストクラスである。さすがにフルサイズバンは、アメリカの専売勅許である。商用としても乗用としもノウハウが詰まっているというか、さすがというか。オンリーワンの乗り物として、オーナーになったら胸を張れるだろう。
個人的には、今のところこのサイズのバンを必要とする理由がないのが残念だが、将来的には、ぜひとも1度所有してみたいと思わせる魅力が豊富である。それに、エクスプレスではなくて、あえてサバナという点もコダワリを感じさせてくれるし、なによりスタクラというブランド感までついてくるのだから、優越感や満足感が非常に高いクルマである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES