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[試乗記]

カマロの正しいあり方

2020 シボレーカマロ ZL1

ZL1のフォルムには“硬派なカマロ”の魅力が凝縮している

カマロといえばお洒落なスペシャリティカー的存在。ここ最近のカマロは特にそんな風な方向性だったと思うが、そんなカマロにも硬派なラインナップが存在する。そうZL1である。

更新日:2020.11.26

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

カマロとえいば昔から硬派な存在

 いきなりだが、カマロといえば?。サードカマロが現役だった時代を知る者からしてみれば、カマロといえば「硬派なマシン」という印象がもっとも強い。

 ワルっぽい兄ちゃんが乗っているアメ車。タイヤをキュルキュルと鳴らしながら街中を爆走しているイメージもあり、だからそういう不良っぽい方々が憧れるマシンだと勝手に脳内に刷り込まれている。

 だが、それから何十年か経った現役カマロのイメージは「お洒落なスペシャリティカー」。もちろん、車両としての出来は良く、何ら不満はないからそれはそれで良いとは思うが…。昔を知る方から言わせれば、お利口さんのイメージであまり面白くない、ということがあるのかもしれない。

 だが、そんな現役カマロにもイメージを激変させる存在がラインナップされている。そう、ZL1。

 たとえば、アメ車以外の他国メーカーが作るスポーツカー、スペシャリティカーはみな丸みを帯びた流線型デザイン、というのが今の主流である。超極端な例がレクサスLC。アストンマーチンなんかもそうだしフェラーリだってそうだ。気品高き高級車たちはみな流麗なスポーティカーを作っている。

丸みを帯びたデザインが全盛の時代に、あえて直線基調で訴えるボディは美しさすら感じさせる。まるで鍛え上げられたアスリートのような引き締まったマッチョスタイルである。

2019年でベースのカマロがマイナーチェンジ。フロントは変わらずもリアにはLED化されたリアコンビランプが採用されている。

現役カマロの硬派な存在とは

 対するカマロ ZL1は、角張った直線を多用したマッチョなスタイル。開口部の大きいフロントグリルを含めたデザインを見ていると、何となくだが、サードを思い起こさせる。いわゆる硬派なカマロとして非常に魅力的なスタイルだ。

 しかも、カマロである。正直、気品高き高級車たちと比較するレベルのクルマではない。

 だがしかし、驚くべきことにZL1は、上記にあげた気品高き高級車たちと同等以上に走り、競争すればかなりの確立で勝つ。いやフェラーリの場合はいい相手になるくらいのレベルだろうが、それ以外の車両たちは逆に相手にしない。そのくらい速い。

 すなわちZL1とは、カマロならではの硬派なスタイリングに包まれた、激速な、これぞカマロといわんばかりの存在なのだ。

搭載されるエンジンは、6.2リッターV8LT4エンジン。650hp、最大トルク650lb-ftを発生させ、10速ATと組み合わせられる(6速MTも存在する)。恐ろしく速いのは言うまでもない。

盛り上がりを見せるドーム型のボンネットフードは、フロント開口部からのエアの通気口の役割も果たす。

フロータイと呼ばれるエア通路となるボウタイが特徴。それ以外にも冷却口の大きさが特徴となっているフロントマスクは、ZL1の最大のポイント。

ZL1は、6代目カマロベースに一段とレーシーさを増し、GMが作り込んだだけあってめちゃめちゃ速い。コルベットZ06同様に、日本にあまり数がないだけに一期一会ならぬ一車一会の思いを持ってZL1を見るべきだと思う。

簡単に得られる恐るべき速さ

 そんなZL1の速さの秘密とは、コルベットZ06と同じ6.2リッターV8 LT4エンジンを搭載し650hp、最大トルク650lb-ftを発生させること。

 さらに車重が軽量化されており、約1770キロのボディを上記のパワーと新搭載された10速ATで走らせるわけだから、相手がレクサスだってアストンマーチンだってお構いなしに決して負けない。ヘルキャットにだって負けない。ちなみにヘルキャットの車重は2トンを軽々越える。

 硬派なデザインのボディは、研ぎ澄まされたエアロダイナミクスボディで、空力風洞実験によってもたらされたエアロダイナミクスに優れた仕様となっており、フロントスプリッターやフロータイと呼ばれるエア通路となっているボウタイや大口径グリル等、実際はすべてにおいて機能が優先されている。すなわち作りこまれたフロントマスクなのである。

 同時に足回りは、新たに調整されたマグネティックライドサスペンションにパフォーマンストラクションコントロール、電子制御ディファレンシャル、ランチコントロールにドライバーセレクタモード等、最新テクノロジーを駆使した最高レベルの状態がもたらされている。

スエード素材を大量に使用した硬派なインテリア。レーシングカーのような雰囲気に満たされ、実際にシートに座ってもそのタイトなフィーリングは、箱型ボディではマスタングを完全に上回る。

10速ATが抜群に良い。シフトノブは細身のタイプで操作性は良好。街中でATの10速を体感することはほぼ無理だが、小刻みに変速し、その変速をあまり感じさせずに650hpを制御する。個人的には常にMT推しだったが、ZL1はATでもいいと思う。その方が逆に速く走ることも可能だろう。

個人的にはツインクラッチがあまり好きではないために、アメ車系の多段化ATには意外に賛成している。ATでもパドル使用で十分に楽しいし、速い。

旧型比でボディを小さく軽量化し、1770kgという車重を実現。それに650hpだから恐ろしく速い。

2020年モデルの新車は一段とレア

 またフロント285 / 30ZR20、リア305 / 30ZR20インチ鍛造ホイールに、グッドイヤーイーグルF1スーパーカータイヤ、さらにブレンボの6ピストンモノブロックブレーキとツーピースローターといった大径ブレーキが装備され、GM最高レベルの足回りとブレーキが650hpのパワーを支えているのである。

 くわえて、この状態で世界の難所サーキット、ニュルを攻めて鍛えたわけだから、軟弱な高級車には決して負けないし、驚きの超強固なボディにステアリングの剛性感の高さなど、アメ車のなかでもこのクルマに敵う存在が見当たらないというのが本音である(ニュルのタイムレーコードも作っている)。

 さて、そうしたZL1の2020年モデルの新車である。過去、2018年の中古車を何度か取材したことがあるが、新車は初めて。しかも2020年となると、ベースのカマロが2019年にマイナーチェンジをしているから、それ以後のモデルとなり、リアスタイルに変化が加えられている。

 もう少し説明すれば、2019年にマイナーチェンジがあった時点でベースのカマロ自体が前後デザインを変更しており、本来ならZL1もその対象となるはずだが、上記した通り、作りこまれた機能優先のフロントマスクを採用していることもあり、フロントデザインはそのままに、リアのみマイナーチェンジされていた。

 よって、リアテールのデザインが変更されているが、全体の雰囲気に変化はないから、マイナー後の本国人気も俄然高いモデル。一転、日本ではほとんど見かけない存在だけに、2020年型の新車となれば超レアモデルと言っても過言ではない。

アナログ多様のメーター類。視認性は良好。計器類が多数あり雰囲気を高める。

シートが恐ろしく素晴らしい出来。ホールド性が抜群で、小柄な日本人ですらその性能に満足する。

LED化されたリアコンビランプの雰囲気にも違和感なく、逆に前後バランスが取れたようにも思う。

BCDの新車対応「60プラン」も使用可能

 ちなみに、ZL1にはエアロパッケージ的なZL1を一段と魅力的に輝かせる超攻撃的なカナードや巨大リアウイングを装着したパッケージが本国にはあるが、日本の法規上、リアウイングを装着したままの走行は認められないため、残念ながら輸入しているショップはほとんどない。

 そんな2020年型の新車ZL1は、BCDの新車購入プラン「60プラン(シックスティ)」の対象車でもある。この60プランは、新車を楽しむためのプランであり、簡単に説明すれば、三年後の売却下取り価格60%を保証するというもの。

 また各種点検やオイル交換等の必要なメンテナンスがパッケージングされたプランということであり、BCD新車保証(3年6万km)をくわえれば、直輸入車ではあるが、まるで国内ディーラー車のような手厚いサポート量にて乗ることが可能になる(プランの内容や使用の有無等は購入時にご確認ください)。

 BUBUのBCDには、中古車ベースの50プラン、新車に対応する60プランがあり、それぞれにより購入後の下取り価格や保証&整備等のユーザーの不安を極力減らすための努力を惜しまない。

 BUBUのBCDは現在、チャレンジャーやマスタングの販売で全国的に有名であるが、他社がほとんど手をつけないコルベットやカマロのパフォーマンスモデルの直輸入も積極的に行っている。

 前エントリーのコルベットGSのところでも触れたが、今年一年で20台以上のC7を販売しているし、カマロに至ってはこのZL1他、1LEも複数台手がけているし、車種を選ばずに直輸入することができるのもBCDの魅力の一つである。

20インチFORGEDアルミホイールにブレンボブレーキシステム(F6ピストン/R4ピストン)が抜群の性能を支え、ドライバーに安心感を与えてくれる。

ZL1と言えば、この大型リアウイングに憧れるが、日本では装着して走行できないためほぼ輸入されていない。

BCDの中古車ベースの50プラン、新車に対応する60プランは非常に有効であるから、確認してみるといいだろう。

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