三度のサードカマロである(今年5台目)。前回はTバールーフでその前がIROC-Z。今回も90年型のIROC-Zであるが、前回前々回との大きな違いは、直前までオーナーカーであったこと。
すなわち、前オーナーが5年くらい前にエイブルから購入して直近まで乗っていた個体。それが何らかの事情で売却されるということになりエイブルに戻ったという。
一方、前回前々回の個体はエイブルが販売車両にするために各部をチェックし手を加えていった個体。その過程において取材させてもらっていたという経緯。
よって、今回の個体は直前までオーナーカーであって実際に走らせていたということで、以前取材した車両とは異なる安定感に満ちたものであった。
というか、めちゃくちゃ良い! とにかくエンジンのかかりからして全く違う。走らせてもエンジンやミッションのスムーズさが際立ち、ステアリングやブレーキの安心感も違う。
くわえてエンジンの振動も常に安定しているし、メーター類の針の動きもビタッと、余計な動きは一切なく、とにかくすべてにおいてレベルが違う。
室内も小綺麗にまとめられており、ステアリングとオーディオ以外はフルノーマル。しかも状態がいい。ヤレはもちろんあるのだろうが、嫌な臭いや汚れが全くなく、とにかく好感が持てるもの。
ダッシュボードにひび割れはなく、センターパネルに破損や汚れもなく、シフトゲートやノブにも瑕疵はない。さすが大切にされていたオーナーカー。
極め付けは足回りである。アドバンスオート製強化ダウンサス、パンハードロッドで固められた足はガチガチというよりは、余計な動きを消してくれるレベルでまとめられステアリングの反応が非常にシャープ。
車高は1インチローダウンされているが、あえて235-60R15インチタイヤを装着することによって路面からの衝撃を和らげている(お見事)。
それでも若干路面からの当たりの強さが気になったが、それは「まだショックが馴染んでないからかもね」ということで、ショック交換後2000キロ程度しか走っていないことの影響が残っているのかもしれない。
だが、そのカチッとした足のせいもあるだろう、とにかくアクセルの反応に即応するかのように車体がグイッと前に押し出され、アメリカンスポーツに乗っている醍醐味を如実に味わわせてくれる。
それにしてもこのアクセルの素早い反応はいかに? 「いやー、多分個体差だろうね。34年前の車両だし」
確かに個体差はあるのだろう。だが、34年前の個体といえどここまで安心安定のサードカマロになるというのは朗報だろう。
おそらく前回前々回取材した個体たちも、しっかりした納車整備を受け、その後も乗りながら定期的な検診や整備を加えていくことによって、ここまでのレベルになっていくのだろうと想像する。
もちろん、そのための金銭的負担は必要になるだろうが、正直、今回の個体レベルまでカチッとしたものになるなら誰もが厭わないだろうと思う。そのくらい素晴らしい個体だった。
ちなみに、上記の足回りは、前オーナーさんの仕様。エイブルでの購入車が軒並みこうした足回りになるというわけではなく、ここはある意味「個性」と言い換えることができるだろう。
よって、もちろんだが、上記のような同じ仕様にすることもできるが、また別の仕様にすることも当然可能であり、それらノウハウに関してはそれこそエイブルの得意分野である。
また同時にメカニズムや足回りのノウハウだけでなく、「よく壊れる、ヤレる、割れる、折れる」といった、長い年月携わっていたからこそ知り得た弱点についての情報も豊富である。
当然ながらエイブルで仕上げた個体にはそうした弱点に対する処置がなされていることが多く、ある意味、今だからこそ「もっと安心して乗れるサード」にすることが可能になるのである。
今回の個体は、これまでにそうしたノウハウが注ぎ込まれてきており、だからこそ誰もが分かるほど安定したサードカマロになっていたのである。
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