TEST RIDE

[試乗記]

デビュー当時ポルシェカイエンを倒したスーパーSUV

2007 ジープグランドチェロキー SRT8

ダイムラークライスラー時代の影響が随所に垣間見える

初代ジープグランドチェロキー SRT8を取材。そしてなぜ今なお人気があるのかを知る。

更新日:2025.01.10

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

「アメリカ+ドイツ」の力作に他ならない

 エイブルといえばサードカマロという印象があるが、もう一つの販売の柱として個性的なアメ車中古車を積極的に扱っている。それらはいわゆるアメ車らしいアメ車であって、今回取材したグランドチェロキーSRT8もそのうちの一台。しかも初代SRT8であるというのがエイブルらしい。

 ということで、過去にもエイブルの中古車として取材したことのあるグラチェロSRT8。

 だが今回の個体はその時と年式は同じだが、出自が違う。かつて取材したグラチェロSRT8はディーラー車。一方今回取材したグラチェロSRT8は並行輸入の右ハンドル車。

 その当時のディーラー車も右ハンドル車であり、今回取材した個体も右ハンドル。よって同じくオーストラリア製の個体。だが新車並行で日本に持ち込まれ今現在、約11万5000キロの距離を刻んでいる。

 2007年型ということで18年前の個体となるが、未だにパーツ等の入手に問題がなく整備対応可能という根拠の元、販売車として名を連ねている。で、今回、エイブルに入庫したての状態、すなわち納車整備等がまだ行われていない状態での取材が可能になった。

▲鋼のごとき高いボディ剛性を実現しているSRT8。ジープらしからぬ引き締まった足腰は「アメリカ+ドイツ」の結晶。

▲ダイムラークライスラー製であるからこその高性能ぶり。未だにこの初代グラチェロSRT8が愛される理由もそれ。

 その前に少しグラチェロSRT8について。2006年に登場したスーパーSUV。当時のライバルがポルシェカイエンであり、その記録、停止状態から時速100キロに到達するまでが5.6秒という当時の最速タイムを破ること(5.0秒を記録)で一躍スーパースターの座を射止めたグラチェロSRT8。

 搭載されたエンジンは、6.1リッターヘミV8OHVエンジンで、426ps、最大トルク58.0kg−mを発生させ5速AT(オートスティック付)と組み合わされる。

 足回りは、ノーマルのグランドチェロキーから40ミリ低められ、ビルシュタイン製ダンパーと245/45R20インチタイヤが装着される。またリアバンパー中央から2本の太いテールパイプが突き出しており、パフォーマンスモデルであることが強調されていた。

 というのが大まかな概要であるが、もう一つ重要な要素としては、グラチェロSRT8がダイムラークライスラー製ということ。

▲搭載されるエンジンは、6.1リッターV8OHVで、426ps、最大トルク58.0kg−mを発生させる。実際にかなりのパワー感である。

▲ガッチリ組まれた純正タワーバーが異様なオーラを感じさせる。

▲取材車にはカーボン製のボンネットフードが装着されている。実際に非常に軽いからハンドリングの向上に寄与している可能性が高い。

 要するにベンツとクライスラーが合併していた時代に作られた車両であり、随所にその影響が垣間見える=もちろん良い影響だ。

 例えば、ボディがめちゃくちゃ固くなり、ハンドリングやブレーキにドイツ車テイストが感じられ、それでいてエンジンの息吹は決定的にアメ車であるから、それ以前の年代のぐらぐらふにゃふにゃなアメ車を想像していると、あまりの変貌ぶりに驚くかもしれない。

 また、それ以前のクライスラー社製のアメ車よりも断然壊れない(笑)。くわえてインテリアの質感は当時のクライスラーのままだが、性能やパーツの工作精度が断然高いから長く乗れる etc

 ちなみに、2007年にダイムラーとクライスラーは合併を解消しているから、この初代グラチェロSRT8は両者合併の最後のモデルである=その後のモデルチェンジにより徐々にダイムラーの痕跡はなくなっていく。

 よって同じグランドチェロキーSRT8でも、この初代SRT8を今も愛する人が多いのは、そうした「アメリカ+ドイツ」の力作であるからに他ならない。

▲今現在純正よりもひと回り大きい285-50R20インチタイヤが純正ホイールに装着されている。それに伴い車高調で若干車高を上げている。ちなみにノーマルは265-45R20インチ。

▲車検法改正前の年式のためマフラーのカスタマイズが可能。ボーラのマフラーから快音が響く。

▲純正ブレンボブレーキの効きやフィーリングは非常に好感が持てるもの。

▲ハンドリングやブレーキタッチにドイツ車的なフィーリングを感じる。それが18年経っても変わらず感じられるのもドイツ車的。

 ということで取材個体。2007年型の並行モデル。走行約11万5000キロで、ボンネットはカーボン製に交換され、ひと回り大きいサイズのタイヤが純正ホイールに、そして車高調が装着され、マフラーがボーラに交換されている etc

 だが、18年前の個体を示すような大きな瑕疵が内外装にあるわけでは全くなく、エンジン始動も滑らかで、いたって普通の中古車風情ではある、という認識のもといざ試乗へ。

 以前取材したディーラー車と同じ右ハンドル車だが、その雰囲気は全く同じ。シート位置やブレーキ&アクセル位置といったペダル配置に違和感はなく、唯一ある違和感といえばサイドブレーキ位置だが、それも同じ違和感のままであった(笑)

 その他の違いで言えば、かつてのディーラー車は3ナンバーであったが(ディーラー車は1ナンバー取得はできない)、今回の個体は1ナンバーであるから、車検年数や自動車税に大きな違いがある、といったところ。

▲質感は当時のクライスラーのままとも言えるが、右ハンドルの弊害はほとんど無い。シート位置ペダル位置の違和感は皆無。

▲オートスティック付きの5速AT。その左側にあるサイドブレーキのみ唯一感じる違和感。恐らく左ハンドル車用の位置のままにあるから。

▲アナログのメーターのタコメーターはレブリミット6200rpm。スピードメーターは300キロまで刻まれる。

 さて、気になる11万キロ超えの個体であるという部分であるが、走らせた瞬間からそれらの心配が全て取り越し苦労であったことを知る。ガチガチのボディは健在であり、スムーズなAT変速にも驚き、そして足回りやハンドリングもダイレクト感に溢れ、同時に驚くほどガチッとしたブレンボブレーキの効きにも感心する。

 何より油圧パワステとアクセルワイヤーのスムーズなフィーリングに笑顔がこぼれるし、2000rpmを超えた辺りから発せられるヘミV8の溢れんばかりのトルク感とその際のご機嫌なサウンドにアメ車を感じずにはいられない!

 正直、一般道で4000rpmまで回せば瞬時に法定速度を超えてしまうから滅多に使うことはないかもしれないが、それでもこのパワー感とワープ感は見事であるし、それらを秘めているというところに満足感がある。

 そしてそれを18年後の今でもいとも簡単に可能にしているのがダイムラークライスラー製であるということ。

 なお、あくまで個人的な好みの問題であるが、取材個体にはサイズの大きい準ブロックタイヤが装着されていたが、グラチェロSRT8はジープブランド車ではあるが、オフ車と言うより路上の帝王を目指したハイパフォーマンスSUVだけに、純正指定サイズの高性能タイヤを装着した方がそのパフォーマンスに見合っているのではないかと感じた次第である。

 もちろん現状のままでも楽しめるのは言わずもがなだが。

 いずれにせよ、「アメリカ+ドイツ」の傑作スーパーSUVを体感できる機会はそう多くはないであろうから、もし探している方がいるならば一度実車を見てみると良いだろう。それだけの価値がある個体であるから。

▲レザーとアルカンタラのコンビシートはバケットタイプ。ホールド性は高くシートの調整機構も十分に対応してくれる。シートの状態も想像以上に良い。

▲リアシートに使用感はほぼ感じない。それだけのレベル個体であることを意味する。

▲一般道でのワープ感はクセになるかも。また秘めたパワーがドライバーの満足感につながる。

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