エイブルの工場にて納車を待つ往年のキャデラックエルドラド。その周りにはエイブルにて販売した他の車両たちが整備待ちをしている。
90年代のサードカマロ、ブロンコ、ジープワゴニア、ビュイックリーガルワゴンにシボレーカプリスetc、その他80年代車、70年代車etc、もちろん2000年以降の車両もある。
普段、我々はエイブルに入庫する販売車両の撮影をすることが多い。
上記のような90年代以前のアメ車を扱うショップがすでに限られ、個体を見ることがかなうショップが数少ないから。そして適切に治せるショップも少ない。
くわえてエイブルは積極的にチューニングを行うショップではないから、過度なカスタムによってベースモデルの佇まいが消えてしまっていることもほとんどない。
エイブルの個体は、その当時の雰囲気を、今の時代に感じることができるから多くの方に見てもらいたいと積極的に乗らせていただいている。
で、それが可能なのは、昔からずっとそれら年代のアメ車の整備をし続けているから。時代が変わり商材を変えるショップが多い中で頑なに自分たちのペースを貫いている。
だからパーツ情報や整備情報のノウハウが蓄積し的確な整備が可能であることから、扱うところが少なくなった上記のようなプチ旧車的アメ車ユーザーからの信頼は厚い。
さて、冒頭のキャデラックである。この車両は北海道からのメンテナンス依頼でエイブルにやって来た。オーナー氏は、エイブル代表・原氏の趣味仲間であり、北海道にて複数台のアメ車やバイクを所有しているという。
そんなオーナーさんがエルドラドの整備をわざわざ川崎にあるエイブルにて行う理由とは、まさしく上記の「信頼」によるものだ。
1978年型キャデラックエルドラドは、函館からフェリーで青森港に向かい、そこから陸路で、なんと自走でエイブルにやって来た。
「函館から川崎まで自走できるなら大した整備はいらないだろう」と多くの方は思うかもしれない。
だが、エイブルにて診断を行うと、というよりエンジンルームを開けた瞬間に誰もが異変に気付いたという。オイル漏れが酷かったそうだ。
このエルドラドはビッグクーペであり、7リッターV8エンジンを搭載するFFマシン。よってエンジンのオイル漏れを治す場合、シャフトを外しミッションごとエンジンを降ろす必要があるという。
で、その後エンジン自体からの漏れなのかを詳しく診断、必要ならオーバーホールの必要性も考慮しつつ最終的な判断としてエンジン周りのガスケット交換を行った。
だが、それでもエンジンをミッションごと降ろす必要は生じており、その際も経年劣化でもろくなったパーツ(ゴム類、配線類、ボルト類)を意識しつつ慎重な作業を行い、ガスケット交換&各部のクリーニングを行ったのちに、他の部分の各種点検を行い、いざ納車へとなったという。
我々は、その納車前に記念というわけではないが、納車前の試乗チェックに同行させていただいた。
その前にエンジンルームを見せていただいた。オイルまみれだったというエンジンルームは、何事もなかったかのようなキレイな状態を維持している。
点火系にMSDが装着され、プラグコードはしっかり束ねられ、オルタネーターやラジエーター、ラジエーターキャップも輝いている。しっかり手が入り整備された個体というのは誰が見ても一目でわかるほどの状態の良さを誇っているものだが、このエルドラドもその領域に達していると言えるだろう。
エンジンも一発始動で、78年型ということを忘れてしまうほどスムーズかつ安定している。走りは、びっくりするほどステアリングが切れず(笑)、ボディも大きく、すべてにおいて驚きの連続であったが、車両の状態に不安を覚えることは全くなし。さすがのエイブル整備!
恐らく帰路も青森まで自走だろうが、きっと行きとは違う安定した走りにオーナーさんも満足するに違いない。
183,250円
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272,800円
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3,553円
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